《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

171.妄想を楽しむには、シチュエーションが大事ですよね。

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クロードを寝室から出してなるものか。
オレの知性にかけて、阻止してみせる。
冴え渡れ、オレの弁舌。
「クロード。部屋を出る前に、オレとの会話が足りていないと思わないかな?」

「会話?」
とクロード。

クロード、ナニソレ顔をしている場合じゃないぞ。

「執務室ですると、匂いが染み付いて、執務室を使えなくなるから、止めよう。飛沫を拭き取るのは、困難だ。
オレは寝室で、リラックスした状態で、気持ちよくなりたい。」

「ヒサツグ。私は、執務室でしたいわけじゃない。片時もヒサツグを離したくない。
執務をしているときも、同様。
ヒサツグと離れたくない。
ヒサツグと離れなければいけない状況を乗り越えるためなら、匂いくらい。」
とクロード。

「クロード、オレは、イカ臭い執務室で、仕事をしたくない。
どうしても執務室でやるというのなら。
オレにも考えがある。
オレは、オレ専用の執務室を作る。
クロードとは、別の執務室を使うことにするぞ?」

「私は、何があっても、ヒサツグを離さないと決めている。執務室を分けるなど認めない。」
とクロード。

しまった!
クロードの監禁モードが起動しそうだ。

「執務室にこだわらないなら、寝室で試そう。」

「寝室で?」

「寝室に、とても簡単な仕事を持ち込んでみて、できるかどうか、確認しよう?」

「寝室に。」
気乗りしなさそうなクロード。

「簡易的な執務室を作って、その部屋は、執務しながら、やる部屋にしたらどうかな?」

シチュエーションを楽しむ的な。

「執務室だけじゃなくて、他にも、色々な、妄想を楽しめる部屋は、あってもいいんじゃないか?」

「妄想を楽しめる部屋。」
とクロード。

「例えば、お医者さんごっこができる部屋とか?」

オレは、執務室での背面座位を避けたくて、必死だった。

「お医者さんごっことは?」
とクロードが食いつく。

「医者役が『診察します』と言って、患者役が、診察というなの前戯でアンアン言わされて、最後は、『治療のために、注射します。』と医者が挿入する。」

「ヒサツグのお勧めか。」
とクロード。

あ、なんか、いい感じに阻止できそうじゃないか。

「お勧め、というか。
クロードが医者役なら、全部見てほしいし、触ってほしいし、何度でも注射してほしいなー、オレ。」

「それにしよう。」

よし、勝った!

オレは、内心で、ガッツポーズした。


認めよう。

オレは、多少、リップサービスを効かせすぎたことを。


「ヒサツグ。今、部屋を用意させる。」

お医者さんごっこに食いついたクロードの指示で、一時間後には、お医者さんごっこルームが出来上がっていた。

「楽しみだ。」
と目を輝かせるクロード。

オレは、異世界で、アダルトなお医者さんごっこをやることになった。
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