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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
165.己の恋心のために突き進んだ結果、恋しい人の信頼を失いました。信頼を回復しますか?
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神子様に、一度、オレの前で話をさせてから、クロードを呼んで、もう一度、話をさせた。
神子様は、クロードの前で、話すのを渋ったり、省こうとしたが、オレは、容赦しなかった。
神子様は、神子様がクロードの側にいたいという己の欲望を実現するために、クロードの弱点を国王陛下側に知らせていること。
国王陛下から、神子様自身の生存を脅かされるという恐怖から保身に走り、クロードに黙って、王家の専属の暗殺者を呼び寄せて、クロードとオレを危険にさらしたこと。
神子様自身で、クロードに話をさせた。
神子様が、自分のしたことによる影響を直視しないと、神子様とクロードとの関係は、今、終わる。
英雄クロードと国王陛下は、対立している。
国王陛下は、英雄クロードに対して、反逆のカードはきっていない。
今は、まだ。
だから、内戦にはなっていない。
国王陛下の狙いは、内戦じゃない。
内戦になる前に、英雄クロードと公爵領を屈伏させること。
これを狙っていると思う。
内戦は、国王陛下の治世に支障をきたす。
国王陛下は、公爵領内で、全部、終わらせる予定で動いている。
公爵領を混乱させて、クロードと公爵家の統治に問題がある、と介入してくるのか。
公爵領の混乱を利用して、クロードと公爵家の影響力をそぎ、国王陛下が優位に立った状態で、交渉を持ちかけてくるのか。
国王陛下にとって、英雄と結ばれなかった神子様の価値は、急落したんじゃないかな。
現在。
神子様が、思うより、神子様の命の価値は、低下しているはず。
神子様は、一向に、気づいていない。
国王陛下にとっての神子様は、好きに扱える駒の一つに成り下がっている。
神子様が、今までと考え方を変えないで、今まで同様の振る舞いを続けることは、神子様の命を危険にさらす。
国王陛下が、話し合いではなく、武力行使を選択した以上、英雄クロードは、ケレメイン公爵として、立ち上がる。
近いうちに。
国王陛下との正面衝突は免れない。
やられたままでいることは、ケレメイン公爵家の存亡に関わるからだ。
自分が、何をして、それがどんな影響を与えたのか、神子様が理解して挽回する行動に移らなければ、クロードは、ケレメイン公爵として、神子様の処遇を決めることになる。
オレは、今のクロードに、背負わせることを増やしたくない。
神子様は、クロードに心情を吐露していた。
「ぼくは、好きで、国王陛下の言いなりになっていたわけじゃない。
ぼくが好きな人は、クロードだよ。
最初から、ずっと、クロードだけ。
ぼくは、クロードといたくて。
クロードさえ一緒にいてくれたら、他はどうでも良かったんだよ?
どうして、ぼくじゃないんだよ。
どうして、ぼくを選ばなかったんだよ。
ぼくは、クロードが良かったのに。」
クロードは、無言だ。
「クロード。ぼくに何か言ってよ。
クロードがいない王城に、ぼくが一人でいるなんて、あり得ないよね。
ぼくとクロードは、ずっと一緒にいたのに。」
神子様は、ボロボロに泣いていた。
恋人達の広場では、気丈にも涙をこぼさなかった神子様が。
神子様は、泣きながら、クロードの胸を叩こうとして、クロードに避けられている。
クロードは、神子様の話を聞く前に、把握していたんだと思う。
王家の専属が、クロードの弱点を知っていたから、神子様が漏らしたと、クロードは見当をつけたはず。
オレと同様に。
拘束した、王家の専属から、話が聞けたのなら、クロードは、神子様に疑念を抱いただろう。
オレは、神子様に声をかける。
「神子様の選択肢は、二つ。
クロードの信頼を失ったまま、今すぐ、元の世界に戻るか。
クロードの信頼を回復してから元の世界に戻るか、だ。
神子様が、クロードに返事を求めるなら、神子様が、信頼を取り戻すのが、先だ。
神子様は、今すぐ、元の世界に戻るか?」
オレは、クロードのために、神子様には奮闘してほしい。
クロードは、友人に裏切られて、傷ついてきた。
裏切った友人達との信頼を回復するのは、困難になっている。
オレは、友人以上恋人未満だった神子様には、同じ道を選んで欲しくない。
オレのクロードのために。
神子様自身のためにも。
神子様は、クロードの前で、話すのを渋ったり、省こうとしたが、オレは、容赦しなかった。
神子様は、神子様がクロードの側にいたいという己の欲望を実現するために、クロードの弱点を国王陛下側に知らせていること。
国王陛下から、神子様自身の生存を脅かされるという恐怖から保身に走り、クロードに黙って、王家の専属の暗殺者を呼び寄せて、クロードとオレを危険にさらしたこと。
神子様自身で、クロードに話をさせた。
神子様が、自分のしたことによる影響を直視しないと、神子様とクロードとの関係は、今、終わる。
英雄クロードと国王陛下は、対立している。
国王陛下は、英雄クロードに対して、反逆のカードはきっていない。
今は、まだ。
だから、内戦にはなっていない。
国王陛下の狙いは、内戦じゃない。
内戦になる前に、英雄クロードと公爵領を屈伏させること。
これを狙っていると思う。
内戦は、国王陛下の治世に支障をきたす。
国王陛下は、公爵領内で、全部、終わらせる予定で動いている。
公爵領を混乱させて、クロードと公爵家の統治に問題がある、と介入してくるのか。
公爵領の混乱を利用して、クロードと公爵家の影響力をそぎ、国王陛下が優位に立った状態で、交渉を持ちかけてくるのか。
国王陛下にとって、英雄と結ばれなかった神子様の価値は、急落したんじゃないかな。
現在。
神子様が、思うより、神子様の命の価値は、低下しているはず。
神子様は、一向に、気づいていない。
国王陛下にとっての神子様は、好きに扱える駒の一つに成り下がっている。
神子様が、今までと考え方を変えないで、今まで同様の振る舞いを続けることは、神子様の命を危険にさらす。
国王陛下が、話し合いではなく、武力行使を選択した以上、英雄クロードは、ケレメイン公爵として、立ち上がる。
近いうちに。
国王陛下との正面衝突は免れない。
やられたままでいることは、ケレメイン公爵家の存亡に関わるからだ。
自分が、何をして、それがどんな影響を与えたのか、神子様が理解して挽回する行動に移らなければ、クロードは、ケレメイン公爵として、神子様の処遇を決めることになる。
オレは、今のクロードに、背負わせることを増やしたくない。
神子様は、クロードに心情を吐露していた。
「ぼくは、好きで、国王陛下の言いなりになっていたわけじゃない。
ぼくが好きな人は、クロードだよ。
最初から、ずっと、クロードだけ。
ぼくは、クロードといたくて。
クロードさえ一緒にいてくれたら、他はどうでも良かったんだよ?
どうして、ぼくじゃないんだよ。
どうして、ぼくを選ばなかったんだよ。
ぼくは、クロードが良かったのに。」
クロードは、無言だ。
「クロード。ぼくに何か言ってよ。
クロードがいない王城に、ぼくが一人でいるなんて、あり得ないよね。
ぼくとクロードは、ずっと一緒にいたのに。」
神子様は、ボロボロに泣いていた。
恋人達の広場では、気丈にも涙をこぼさなかった神子様が。
神子様は、泣きながら、クロードの胸を叩こうとして、クロードに避けられている。
クロードは、神子様の話を聞く前に、把握していたんだと思う。
王家の専属が、クロードの弱点を知っていたから、神子様が漏らしたと、クロードは見当をつけたはず。
オレと同様に。
拘束した、王家の専属から、話が聞けたのなら、クロードは、神子様に疑念を抱いただろう。
オレは、神子様に声をかける。
「神子様の選択肢は、二つ。
クロードの信頼を失ったまま、今すぐ、元の世界に戻るか。
クロードの信頼を回復してから元の世界に戻るか、だ。
神子様が、クロードに返事を求めるなら、神子様が、信頼を取り戻すのが、先だ。
神子様は、今すぐ、元の世界に戻るか?」
オレは、クロードのために、神子様には奮闘してほしい。
クロードは、友人に裏切られて、傷ついてきた。
裏切った友人達との信頼を回復するのは、困難になっている。
オレは、友人以上恋人未満だった神子様には、同じ道を選んで欲しくない。
オレのクロードのために。
神子様自身のためにも。
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