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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
163.焦がれた男には見せない一面があります。想いが通じ合わなかったとしても、幻滅されたり、ましてや、嫌われたりなどしたら、耐えられません。
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「あなたは、ずるいよね?」
と神子様。
今度は、オレがふーんと言う番だなー。
「ぼくは、女神様と約束してこちらに来たよ。
女神様の思いつきで来た、あなたは、何も欲しくないという顔を見せながら、ぼくが手にするはずのものを根こそぎ奪っていく。
罪悪感なんて、感じていないよね?
ぼくに対して、悪いことをしたなんて、考えたこともないよね?」
と、オレを睨む神子様。
「逆恨みだなー。」
「あなたは、いいよね。クロードに守られている。」
と神子様。
オレとクロードは、互いに守り合う関係だからなー。
「ぼくはね、誰にも守ってもらえないんだよ。」
神子様の待遇に関して、オレに言えることは、何もない。
オレと神子様じゃ、始まりが違いすぎる。
「公爵領に来るのが、お忍び?
医者と医者の妹をまいて、一人で来た?
神子のぼくが?
そんなわけないじゃない。
ぼくが、一人で、王城を出てこれるわけがない。
クロードのいるところに行くには、こうするしかなかった。
あなたと違って、ぼくは、『かごの鳥』なんだよ。」
と神子様。
神子様は、かごめかごめの歌の、『かごの鳥』の歌詞に反応していた。
「神子様は、クロードの弱点を漏らしたよな?クロードは危ない目に遭った。」
「クロードは、英雄だよ?こちらの住人は、英雄には傷つけない。」
神子様は、オレを馬鹿にしているかように話している。
「神子様の考えであって、刺客と刺客の主人の考えじゃないよな?」
「あなたは、本当に、なんなの!」
と神子様。
「クロードは、オレを手放したり、オレを犠牲にすることはしない。
オレが傷つくよりも前に、クロードが傷つくぞ。」
神子様は、オレを見た。
哀しみと憤りが、神子様の瞳からほとばしっている。
「ぼくが公爵領に来るには、ぼくの護衛として、あいつらを連れて来るしかなかった。
国王陛下が、ぼくを公爵領に送り出すための条件だったんだよ。」
と神子様。
オレが、クロードに守られながら、公爵領にたどり着いたと知っているから、神子様は、自身の待遇とオレとの差が惨めに感じるんだな。
「神子様が公爵領に入ったとき、同時に王家専属の暗殺者が、公爵領に入ったわけだ。」
「ぼくは、国王陛下の指示は無視していたよ。公爵領に入ったら、こっちのものだと思っていたから。
でも。
医者を媒介にして、国王陛下は、ぼくに攻撃をしてきた。
ぼくが、国王陛下の指示を無視していたから。
あんな攻撃、反則だよ。
あんな攻撃されたら、無視できない。
恐怖しかないよ。
国王陛下は、ぼくを監視していて、いつでも殺せると言ってきたようなものなんだよ?
クロードに守られているあなたには、絶対に理解できないよ。」
と神子様。
神子様は、オレに対する憎しみをはっきりと表に出してきた。
今までのやりとりが、不自然だったんだ。
神子様は、神子様の置かれた立場からは、考えられないほどの寛容さとフレンドリーさをオレに見せてきた。
神子様は、渦巻く感情に蓋をして、自身の行動をコントロールしていた。
何のために?
「神子様から、王家の専属に連絡して、情報を流したんだな。
神子様は、王家の専属を全員把握しているな?
神子様の情報を元に、王家専属を一人残らず、捕まえる。」
「王家の専属を捕まえるなんて、正気?勝てるわけないじゃない。」
と神子様は、吐き捨てる。
「勝てるかどうかは、神子様次第だなー。神子様が、捕まえるんだから。」
「ぼくに何をさせる気?」
と神子様。
「神子様は、クロードの敵として裁かれたいのかな?
クロードの弱点を国王陛下サイドに伝え、国王陛下の手勢を引き連れて、公爵領に来た。
公爵領に来てからは、国王陛下に催促されたのが怖くて、初夜おめでとうに合わせて、国王陛下の手勢を引き入れて、襲わせた。
神子様は、これからも、クロードの味方の顔をしていたいよな?」
神子様は、たじろいだ。
オレは、神子様に畳み掛ける。
「神子様は、何をしてでも、クロードの側に来たかった。
クロードと別れがたかったんだろ?」
「神子様は、元の世界に戻ろうとすれば、戻れる。
でも、戻ろうとしないよな。」
「オレに男を襲わせた件については、オレが、元の世界に戻れというタイミングに素直に従えば、取り沙汰しない。」
「クロードの側にいたいなら、神子様のやることは一つだな。
神子様自身で落とし前をつけろ。
誰かにやらせると失敗するぞ。
失敗したら、神子様は、二度と、クロードの側にいられない。」
と神子様。
今度は、オレがふーんと言う番だなー。
「ぼくは、女神様と約束してこちらに来たよ。
女神様の思いつきで来た、あなたは、何も欲しくないという顔を見せながら、ぼくが手にするはずのものを根こそぎ奪っていく。
罪悪感なんて、感じていないよね?
ぼくに対して、悪いことをしたなんて、考えたこともないよね?」
と、オレを睨む神子様。
「逆恨みだなー。」
「あなたは、いいよね。クロードに守られている。」
と神子様。
オレとクロードは、互いに守り合う関係だからなー。
「ぼくはね、誰にも守ってもらえないんだよ。」
神子様の待遇に関して、オレに言えることは、何もない。
オレと神子様じゃ、始まりが違いすぎる。
「公爵領に来るのが、お忍び?
医者と医者の妹をまいて、一人で来た?
神子のぼくが?
そんなわけないじゃない。
ぼくが、一人で、王城を出てこれるわけがない。
クロードのいるところに行くには、こうするしかなかった。
あなたと違って、ぼくは、『かごの鳥』なんだよ。」
と神子様。
神子様は、かごめかごめの歌の、『かごの鳥』の歌詞に反応していた。
「神子様は、クロードの弱点を漏らしたよな?クロードは危ない目に遭った。」
「クロードは、英雄だよ?こちらの住人は、英雄には傷つけない。」
神子様は、オレを馬鹿にしているかように話している。
「神子様の考えであって、刺客と刺客の主人の考えじゃないよな?」
「あなたは、本当に、なんなの!」
と神子様。
「クロードは、オレを手放したり、オレを犠牲にすることはしない。
オレが傷つくよりも前に、クロードが傷つくぞ。」
神子様は、オレを見た。
哀しみと憤りが、神子様の瞳からほとばしっている。
「ぼくが公爵領に来るには、ぼくの護衛として、あいつらを連れて来るしかなかった。
国王陛下が、ぼくを公爵領に送り出すための条件だったんだよ。」
と神子様。
オレが、クロードに守られながら、公爵領にたどり着いたと知っているから、神子様は、自身の待遇とオレとの差が惨めに感じるんだな。
「神子様が公爵領に入ったとき、同時に王家専属の暗殺者が、公爵領に入ったわけだ。」
「ぼくは、国王陛下の指示は無視していたよ。公爵領に入ったら、こっちのものだと思っていたから。
でも。
医者を媒介にして、国王陛下は、ぼくに攻撃をしてきた。
ぼくが、国王陛下の指示を無視していたから。
あんな攻撃、反則だよ。
あんな攻撃されたら、無視できない。
恐怖しかないよ。
国王陛下は、ぼくを監視していて、いつでも殺せると言ってきたようなものなんだよ?
クロードに守られているあなたには、絶対に理解できないよ。」
と神子様。
神子様は、オレに対する憎しみをはっきりと表に出してきた。
今までのやりとりが、不自然だったんだ。
神子様は、神子様の置かれた立場からは、考えられないほどの寛容さとフレンドリーさをオレに見せてきた。
神子様は、渦巻く感情に蓋をして、自身の行動をコントロールしていた。
何のために?
「神子様から、王家の専属に連絡して、情報を流したんだな。
神子様は、王家の専属を全員把握しているな?
神子様の情報を元に、王家専属を一人残らず、捕まえる。」
「王家の専属を捕まえるなんて、正気?勝てるわけないじゃない。」
と神子様は、吐き捨てる。
「勝てるかどうかは、神子様次第だなー。神子様が、捕まえるんだから。」
「ぼくに何をさせる気?」
と神子様。
「神子様は、クロードの敵として裁かれたいのかな?
クロードの弱点を国王陛下サイドに伝え、国王陛下の手勢を引き連れて、公爵領に来た。
公爵領に来てからは、国王陛下に催促されたのが怖くて、初夜おめでとうに合わせて、国王陛下の手勢を引き入れて、襲わせた。
神子様は、これからも、クロードの味方の顔をしていたいよな?」
神子様は、たじろいだ。
オレは、神子様に畳み掛ける。
「神子様は、何をしてでも、クロードの側に来たかった。
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でも、戻ろうとしないよな。」
「オレに男を襲わせた件については、オレが、元の世界に戻れというタイミングに素直に従えば、取り沙汰しない。」
「クロードの側にいたいなら、神子様のやることは一つだな。
神子様自身で落とし前をつけろ。
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