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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
161.神子様は、オレの誘拐に、どう関わっていますか?
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王家専属の殺し屋の取り調べをするクロードと別れたオレは、神子様と話をすることにした。
神子様は、ソファにどっかりと座り。
オレは、ソファーにぐでんぐでんしている。
座るよりも、寝転がりたい。
「神子様に確認したいことがあったから。」
オレは、単刀直入に聞くことにした。
「神子様は、オレの誘拐にどう関わっている?」
「ふーん。あなたは、ぼくが関わっていると思っているんだ?」
と神子様は、素っ気ない。
「神子様の手足になって動く人がいないことは、神子様のしたいことを阻害することにはならないよな?」
神子様は、オレを見て、こともなげに言った。
「ただ浮かれていただけじゃないんだ?」
と神子様。
「浮かれていた面は、否定しないけどな。
オレが、誘拐されて、男に襲われる理由になるかな?」
オレも切り込んでいく。
クロードの前では、神子様は口を割らない。
本音は言わない。
オレが、神子様の真意に迫ることができるタイミングは、今しかない。
クロードは、神子様を信用している。
オレが神子様と二人きりでいても、クロードは、心配しない。
神子様は、クロードが、神子様を信用しているのを知っていて、信用を失わないように動いている。
二十歳前後の神子様は、世間知らずな若者ではない。
駆け引きに長けていて、自分の望む方向へ、事態を転がすためなら、ためらいを感じない幅が広い人物だ。
面倒見が良く、好青年の一面だけじゃない。
本人が、かつて話していた通り、魑魅魍魎溢れる王城に一年間ほど暮らしていた神子様は、魑魅魍魎に翻弄されて疲弊するどころか、自分の欲求を曲げることなく生きて来た。
「誘拐?
あなたは、クロードの目を盗んで、自分から、行方をくらませたんだよ?
ぼくが見たのは、男をまとわりつかせた全裸のあなただからね。」
と神子様。
「そういう方向に誘導したかったんだろうけど、失敗しているからな。」
「クロードは、あなたを伴侶だと言ったけど。
誰も本気にしていなかったよ。
本当に、知らなかった?
あなたが、クロードを独占して恨まれていたこと。
クロードを愚か者に成り下がらせた挙げ句、二人して後ろ指を指されていたことも。
英雄の伴侶は神子。
自明の理だよ。」
と神子様。
「周りの思惑の中に、クロードの意思は、ない。オレは、オレとクロードの意思を貫くだけだ。」
「英雄公爵の遠縁の居候は、英雄公爵を惑わし、男を食い散らかす無節操な男好き。
公爵の伴侶を名乗る男は、ずる賢くて、英雄公爵を絡め取り、離さない。
英雄公爵を安全に、真っ当な道に戻すためには、荒療治しかない。
公爵の伴侶に、男を何人も与えて、伴侶が言い訳できない現場を英雄公爵に目撃させて、英雄公爵に目を覚まさせる。
ショックを受けた英雄公爵は、黙って支え続けてくれた神子の愛を知り、神子への愛に目覚める。」
と神子様。
「その台本を書いたやつは、大義名分で人は動かせても、シナリオライターの才能はなかったな。」
オレは、神子様に問いかける。
「神子様が、噛んでいたのは、どの部分だ?」
神子様は、ソファにどっかりと座り。
オレは、ソファーにぐでんぐでんしている。
座るよりも、寝転がりたい。
「神子様に確認したいことがあったから。」
オレは、単刀直入に聞くことにした。
「神子様は、オレの誘拐にどう関わっている?」
「ふーん。あなたは、ぼくが関わっていると思っているんだ?」
と神子様は、素っ気ない。
「神子様の手足になって動く人がいないことは、神子様のしたいことを阻害することにはならないよな?」
神子様は、オレを見て、こともなげに言った。
「ただ浮かれていただけじゃないんだ?」
と神子様。
「浮かれていた面は、否定しないけどな。
オレが、誘拐されて、男に襲われる理由になるかな?」
オレも切り込んでいく。
クロードの前では、神子様は口を割らない。
本音は言わない。
オレが、神子様の真意に迫ることができるタイミングは、今しかない。
クロードは、神子様を信用している。
オレが神子様と二人きりでいても、クロードは、心配しない。
神子様は、クロードが、神子様を信用しているのを知っていて、信用を失わないように動いている。
二十歳前後の神子様は、世間知らずな若者ではない。
駆け引きに長けていて、自分の望む方向へ、事態を転がすためなら、ためらいを感じない幅が広い人物だ。
面倒見が良く、好青年の一面だけじゃない。
本人が、かつて話していた通り、魑魅魍魎溢れる王城に一年間ほど暮らしていた神子様は、魑魅魍魎に翻弄されて疲弊するどころか、自分の欲求を曲げることなく生きて来た。
「誘拐?
あなたは、クロードの目を盗んで、自分から、行方をくらませたんだよ?
ぼくが見たのは、男をまとわりつかせた全裸のあなただからね。」
と神子様。
「そういう方向に誘導したかったんだろうけど、失敗しているからな。」
「クロードは、あなたを伴侶だと言ったけど。
誰も本気にしていなかったよ。
本当に、知らなかった?
あなたが、クロードを独占して恨まれていたこと。
クロードを愚か者に成り下がらせた挙げ句、二人して後ろ指を指されていたことも。
英雄の伴侶は神子。
自明の理だよ。」
と神子様。
「周りの思惑の中に、クロードの意思は、ない。オレは、オレとクロードの意思を貫くだけだ。」
「英雄公爵の遠縁の居候は、英雄公爵を惑わし、男を食い散らかす無節操な男好き。
公爵の伴侶を名乗る男は、ずる賢くて、英雄公爵を絡め取り、離さない。
英雄公爵を安全に、真っ当な道に戻すためには、荒療治しかない。
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ショックを受けた英雄公爵は、黙って支え続けてくれた神子の愛を知り、神子への愛に目覚める。」
と神子様。
「その台本を書いたやつは、大義名分で人は動かせても、シナリオライターの才能はなかったな。」
オレは、神子様に問いかける。
「神子様が、噛んでいたのは、どの部分だ?」
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