《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

159.来ました、来ました、招かれざる客が!『大義のため。』と言って、オレの引き渡しを求めてきました。

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火矢は、何本も飛来した。

離れた場所に待機している使用人が方向を特定していく。

集まった領民の何人かは、火矢が放たれたと見られる方向へ、三々五々に移動していく。

人の壁が、薄くなっていく。

数の力で、追いかけるんだなー。

狙撃手が捕まるといいなー。

狙われながら、生活するのは、オレに合わない。

そんなことを考えていたら、クロードが、素早く動いた。

「見覚えがある顔だ。王家の専属を刺客に寄越したか。国王陛下は、よほど、公爵家とことを構えたいとみえる。」
とクロード。

「大義のためです。閣下。その者をこちらへ。さすれば、閣下の安全は脅かしません。」

え?
オレに、王家の殺し屋を投入?

殺意が明確過ぎて、怖い。

オレが生きていると、国王陛下には、どんな不都合があるんだ?

オレが、国王陛下に狙われるのは、英雄公爵クロードのついでなんかじゃない。

オレ自身が、国王陛下にとって、脅威なんだ。

いつから?

公爵家の屋敷で会ったときは、違った。

婚姻届の提出のときも。

誘拐事件のときだ。

クロードが、オレに真実の愛を捧げた後からだ。

国王陛下の態度が一変したのは。

殺れ、と聞こえたんだ。

クロードの友人、その三、司祭を捕まえて、話を聞くぞ。

王家と、女神様信仰の両方を話せるのは、司祭だ。

まずは、刺客をどうにか、しないと。

クロードは、魔法を使えば簡単にやっつけられそうなのに、なぜか、魔法を使わない。

なぜ?

「閣下、お得意の魔法を使わないとは、いかがされました?
使えなくなりましたか?」

魔法が使えない?

「英雄は、一つの魔法を使っている間、他の魔法は使えないそうですね。」

今使っている、一つの魔法って、オレの尻バリアだぞ!

そんなもの解除して、魔法でやっつけてしまえ、と言いたいけれど。

クロードには、オレの尻バリアは、何ものにも代えがたい守りだから、言えない。

国王陛下に、オレが取り上げられると警戒して対策したクロードを追い詰めたくない。

オレには、何ができる?

オレ、女神様から加護を授かったよな? 

加護の使い方も、効果も、オレは、未だに分からない。

クロードのためになる加護というなら、今、何か、目覚めてくれないかな。
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