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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

150.オレは、クロードに、日本に帰りたい気持ちを正直に打ち明けました。正直に打ち明けない方が良かったのでしょうか?

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オレは、閃きを秘めたまま話を続けた。

確信がないことは、まだ話す時期じゃない。

「誘拐事件の後。
再び来た公爵領。
オレは、日本に帰る予兆が何もないので、女神様にもう一度、神託を願った。
すると。
女神様が、オレの寝室に顕現された。」

「女神様が、私のヒサツグに会いに。」
とクロード。

「英雄クロードと結婚して真実の愛を捧げられたオレに、加護を授けにきた、と女神様は言った。

オレは、結婚して、こちらの住人になったから、日本には、帰れない、と女神様に知らされて、ショックを受けて寝込んだ。」

「ヒサツグは、帰らない。」
クロードは、喜んでいる。

クロード、そういうところ!

申し訳無さ皆無なのは、どうなんだ?と言っても、せんないから、言わないけれど。

オレの無念を汲み取るところは、なかったか?

オイ。

オレは、ショックを受けた、と言ったんだぞ?

「神子様とクロードが仲良くするのが、嫌だと、神子様に張り合っていたら、クロードを好きだと、オレは自覚した。」

クロードは、オレに好きだと言われて、さらに嬉しそうにしている。

「ただ、一度は、日本に帰りたい。
行き来ができれば、ベストだけどな。
ダメなら、一回だけでも。」

「ダメだ。ヒサツグ、私は、ヒサツグの故郷に行くことができない。
私の行けない場所には、ヒサツグを行かせない。」
とクロード。

クロードの言葉も表情も、明確に、オレの帰国拒否、を表していた。

でも、オレは、日本の土を踏める可能性があるなら、諦めたくない。

クロードと逃げないで、向き合うと決めたからな。

「クロード。クロードと生きていく覚悟はできている。でも、一度でいいから、帰りたい。
長い人生なんだ。
ずっと日本にいるわけじゃない。
ほんの少し。」

「ダメだ。帰ったら、ヒサツグは、戻りたくなくなる。ヒサツグは、故郷が好きなのだろう?
こちらよりも。
ヒサツグは、出ていったら、帰ってこなくなる。」
とクロード。

クロードは、頑なだった。

「クロード。どうして。」

「絶対、何があっても、ヒサツグは帰さない。
ヒサツグ、私の手の届かないところに行くことを考えるな。」
とクロード。

「クロード。オレは、クロードから逃げていない。
その証拠に、クロードに話をしているだろう?」

クロードは、素早く立ち上がりながら、オレをお姫様抱っこした。

「クロード、どこに?」

「ヒサツグは、今日から、私と同じ部屋で寝起きする。」
とクロード。

ま、まずい。

このまま、クロードがオレの寝室を出たら、クロードの一言で、決定してしまう。

監視つき、監禁、持ち歩きの危機。

どうする?
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