《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

149.オレは、尻は暖かくして過ごしたいと話したはずが、なぜか？オレに真実の愛を捧げた理由を教えてください。

クロードは、オレの丸出しの尻に、ズボンとパンツをはかせる決心がつかずに、迷っている。

せっかく、触れたから、堪能したい、的な、流れは、今はいらない。

「オレは、尻がすうすうするのは、嫌だ。尻は暖かくしたい。」

「ヒサツグは、後背位と騎乗位が好きか？正常位でするときは、暖かい場所でする。」
とクロード。

クロード。
オレは、体位の話はしていない。
オレは、尻を丸出しにする生活には慣れていないんだ。

早く、はかせろ！

オレがじっと見ていると、クロードは、未練たらたらながら、オレの尻にズボンと下着をはかせた。


気を取り直して、話を続けよう。


「クロードが、オレに真実の愛を捧げたのは、オレに捧げたかったのか？
神子様に、真実の愛を捧げる状況になるのを避けるためじゃなく。」

「ヒサツグにこそ、相応しい。」
とクロード。

「オレは、クロードがオレを選んだ理由を聞きたい。
真実の愛を捧げる、という言葉は、神託で知っているだけで、オレには無縁だと思っていた。
プロポーズとは違うよな？
真実の愛を捧げる意味も聞きたい。」

女神様が、オレに加護を与える決定打になったのは、クロードが、オレに真実の愛を捧げたから。

神子様なら、理由は、分かる。
でも、オレは。
クロードから、説明されたい。

「英雄は、その人生で、ただ一人にだけ、真実の愛を捧げることができる。
真実の愛を捧げた相手と英雄は、決して引き離されない。
だから、ヒサツグだ。」
とクロード。

「クロードは、オレと引き離されたくないのに、オレと引き離されそうだったからか？
国王陛下達によって、引き離されないように、クロードは、一人で頑張ったんだな？」

クロードは可愛いことを言っているけれど、決して引き離されない、の部分が、気になる。

「引き離されないとは、どういう状況になったときかなー？」

「たとえ召し上げられそうになっても、英雄の力の及ばない範囲には連れていけない。」
とクロード。

クロードは、国王陛下がオレをクロードから取り上げることを警戒したのかー。

英雄クロードが、オレに真実の愛を捧げたことで、英雄の力の及ばない範囲に、オレが行けなくなったのなら。

女神様がオレを英雄クロードの伴侶に認め、日本に帰りたがるオレに、どこに帰るつもりか、と尋ねた理由も分かる。

クロードは、こちらの住人だから、こちらから出られない。

クロードの魔法は、日本で使える力ではない。

オレは、クロードと結婚して、こちらの戸籍を得た上に、クロードの力の及ばない範囲には出られないという制約がついたのか。


以前のオレなら、浮上できずに何日か経ったと思う。

日本に帰れないと女神様に知らされて、落ち込みまくったオレは、一味違う。

歴代の英雄が、今まで選んできた相手とオレは、条件が同じじゃない。

里帰りとか、一時帰国くらい、やろうとしたら、できるんじゃないかな？