《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

145.必殺、先送り、を採用しました。オレの明るい未来に、監禁と持ち歩きは、いりません。

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クロードのオレへの信頼がなさすぎるので、話し合いは平行線。

「クロード、逃げる、逃げないについては、後回しだ。先に他の話をしよう。」

オレは、仕切り直した。

このままクロードのペースで話を進めると、決定事項になる。

オレは、自分の寝室は死守するぞ。

今のクロードは、監禁じゃなくて、オレを持ち歩こうとするかもしれない。

オレは、お姫様抱っこを自分からせがむときは、お姫様抱っこをされる覚悟がある。

でも。

クロードの感覚だと、オレの移動手段が、クロードのお姫様抱っこに限定される危険がある。

回避したい。

絶対に。

お姫様抱っこを拒否して、首輪とリードが用意されたりしたら?


まだ見ぬ未来のオレのために、オレは、粘り強さを発揮する。


「話を戻すぞ。

公爵領は楽しかった。
クロードも元気になった。
公爵領がクロードのホームグラウンドなんだと初めて知った。

オレは、ずっと、クロードと神子様は、仲良くなるんだと思っていた。

神子様のことは、好きじゃなかったから、クロードと神子様を応援しないといけないのに、応援出来ない、と思っていた。

でも、オレは、クロードと神子様が仲良くするのが、嫌だったんだと、後になって分かった。

クロードと一緒にいるのが、楽しかった。
クロードが、オレ以外と仲良くなるのは、嫌だと思うようになっていたんだ、オレは。

相手が、神子様じゃなくても。

どんな人でも。

クロードの相手が、オレじゃないなんて、嫌だ、と思うようになっていた。

その時、クロードのことを好きかどうかまでは、自分で気づいていなかった。

クロードと神子様が仲良くなったときに、公爵家の屋敷に、正妻のオレがいるのは、居づらいから、オレは、公爵領に残るつもりだった。

クロードと神子様が仲良くなったら、公爵領にいるオレは、公爵領から日本に帰る予定でいた。

誰も、オレが公爵領に残ると本気にしていなかったから、王都の公爵家に戻ってきたけどなー。」

「ヒサツグは、いつも、私の見ていないところで、私から逃げ出す予定を。」
とクロード。

クロード、確信した、みたいな響きになっているぞ?

クロード、オレが逃げ出す、という発想を一回、捨てろ。

このまま、話を続けるのが、オレは、怖くて仕方がないぞ?

クロードが、オレ専用の首輪を用意する前に、本気で逃げることを考えた方がいいかもなー。

頭の中で思考を働かせていると。

「ヒサツグ。私の腕の中にいながら、私から逃げ出す算段か?」
とクロード。

鋭いなー。

「いや、そんなことはない。まだ、オレの話は続いているぞ。」

油断すると、危ないな。

クロードの嗅覚が、猟犬並みだ。

オレは、平静を装う。

「王都に戻ってきてからはなー。」
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