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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

144.クロードとオレは、お互いを理解したい、お互いに理解されたいと考えています。クロードに、『オレは逃げる』と覚えられています。

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「ヒサツグは、私に隠れて、逃げ出すことに迷いがない。私は、ヒサツグの側にいることにした。」
とクロード。

「クロード。
嫌なことばかり起きたら、その場所から逃げてもおかしくないぞ?」

「ヒサツグは、最初に会ったときも、私から逃げ出した。
その次の日は、私から逃げ出そうとして、私に捕まった。
ヒサツグ、忘れたか?」
とクロード。

「最初?
気球に乗る前日の話かなー?
仕事の斡旋かと思って話をしたけど、違ったから、クロードとは、バイバイしたんだ。
初対面だったし、求職中だったから、用事が終わったら、バイバイしてもおかしくなかったぞ?」

「私は、初日、私のヒサツグが、私の前からいなくなるとは考えていなかった。
翌日は、私の前からいなくならないように、細心の注意を払った。」
とクロード。

「細心の注意って。待ち伏せ、お姫様抱っこ、気球での移動、お姫様抱っこで、友人その二、近衛騎士団の副団長に手渡したことかなー?」

「ヒサツグに、私の熱意が伝わっていて、嬉しい。やって良かった。」
とクロード。

頑張れ、オレ。

クロードと認識のすり合わせをするんだ。

クロードの感覚だと、
『クロードが一生懸命捕まえにきてくれて感動しちゃった、オレ、嬉しい。』
になっている。

逃げるな、オレ。

めげるな、オレ。

早めに訂正しておかないと、監禁が、この先の人生にちらつくぞ!

オレは、奮起した。

「クロード。オレは、移動するときは、自分の意思でしたい。
危険が迫ったときは、別だけどな。
二日目のオレは、クロードとの移動を拒んだよな?
オレは、移動する気がなかったんだ。
今後の移動は、オレの意思を尊重してほしいなー。」

「ヒサツグの意思尊重すると、私から逃げる。」
とクロード。

「逃げない。逃げていない。今も、ほら、一緒にいる。」

さっき、クロードから逃げなかったオレ、偉い。

このまま、乗り切ろう。

「ヒサツグが、私の手の届く範囲に、私といる限り、ヒサツグの意思を尊重してもいい。」
とクロード。

どうしよう、乗り切れていない。

しかも、尊重してもいい、だと、理由をつけて、尊重されない。

はっきり、伝えてみるか。

「オレも、これからは、一人で動くことが出てくるから。」

いつも、二人というわけではない。

「ヒサツグを一人にしない。」
とクロード。

一人にしてほしいな?

たまには、さ。

「たまに、一人でいるのも、いいんじゃないかなー。広い世界に出発して、帰ってくれば。」

クロードの声が、急に低くなる。

「ヒサツグ。私から、堂々と逃げ出す気になったか?」
とクロード。

ノーだよ、ノー。

「逃げ出さないから、安心しろ。」

「安心できない。ヒサツグは、逃げる。私は、逃がしたくない。」
とクロード。

ひぃ。

「逃げない、と、クロードに信頼されるには、どうすればいい?」

オレは、恐る恐る聞いてみる。

「今日から毎日、ヒサツグは、私と一緒に寝起きする。
ヒサツグの懸念は、一緒にいる私が解決する。
ヒサツグが悩むことはない。」
とクロード。

クロードは、ナチュラルに、一緒にいる時間を増やしてきたぞ?

今、寝室は、別だから、別行動する機会は、楽。

「クロード、時間が解決するのを待つのはどうかなー?」
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