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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

143.答え合わせをしています。クロードの番です。オレとクロードの婚姻届提出までの道のり。

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クロードは、はあ、とため息をついた。

「ヒサツグが、何も知らないとは、想定していなかった。」
とクロード。

「説明されなきゃ、分からんことばかりだぞ?」

「ヒサツグを気球に乗せて、公爵家の屋敷に連れてきたときにいた、私の友人が、説明を引き受けて、残る、と。
翌日、説明は終えたという報告を聞いていたから、安心した。」
とクロード。

「二人いたぞ。
友人その一、宰相補佐。
友人その二、近衛騎士団の副団長。

公爵家の使用人のフリをしていて、客人のオレに失礼を働いたから、二人とも、オレが追い出したなー。」

懐かしいなー。

「ヒサツグに説明するはずだったのは、宰相補佐だ。
彼は、何の説明もしなかったのか。
ヒサツグ、彼らの名前を知らないのか?」
とクロード。

「クロードの友人と婚約者候補、教育係の名前は知らない。
紹介されなかった。
名乗られなかった。

日本に帰る予定だから、すぐに会わなくなる。
名前を覚えなくても困らないと思ったオレも、聞かなかったなー。

安心しろ。
公爵家の使用人の名前は、全員、知っている。」

クロードは、ショックを受けていた。

信用していた友人に騙されていたんだからな。

「ヒサツグと私の結婚に、婚約期間をもうけると国王陛下がおっしゃったから、ヒサツグを、連れてきた日に、婚姻届は出せなかった。」
とクロード。

「オレを連れてきた日に婚姻届?
ろくに知らない間柄なのに?
結婚は、ギャンブルじゃないぞ。」

「宰相補佐と近衛騎士団の副団長は、説明したときのヒサツグに態度が良くなかった、と私の伴侶にすることに難色を示した。」
とクロード。

「え!
真実がないのに、まことしやかに語られている。
これが、貴族の政治か。」

「司祭が、確かめると言って、確かめた結果、ヒサツグしかいない、と太鼓判を押した。
国王陛下が最終確認をして、
『反対する理由はない。』と、結婚の許可が出た。」
とクロード。

「結婚の許可が出なかったら、オレは、どうなっていた?」

「結婚の許可がおりるまで、確認を続けるように頼んでいた。」
とクロード。

「許可が順調におりたんだなー。」

「許可はおりたが、フジツボという名前の人物は、いなかった。」
とクロード。

「偽名だからなー。長居する予定もなかったしな。」

迷惑料を貰って、あばよ、する予定が、結婚。

「私は、結婚の許可が取り消されないか、心配したが、無事に結婚できた。」
とクロード。

「無事に?オレは、結婚しないと主張していたぞ?」

クロードは、ちょいちょい、現状認識がズレるよな。

「直前になって、結婚しないと言いたくなる現象をマリッジブルーというそうだ。」
とクロード。

マリッジブルーの使い方がおかしいぞ?

「オレは、あの日、だれであろうと、結婚する気はなかったんだ、本当に。」

オレは、仕事と家がないままで、誰かと結婚する男になるつもりはなかった。

オレは、仕事と家を探そうとしていた。

「ヒサツグ。
私とヒサツグが結婚しないことなど起こり得なかった。
私が、ヒサツグと結婚すると決めていたのだ。」
とクロード。

クロードは、オレに、安心しろと言いたいようだ。

どのへんに、安心する要素を見い出したらいいんだろうな?

「クロード、会話しているのに、理解が及ばないときもあるんだなー。」
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