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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

139.オレの後ろめたい気持ちを悟らせないで、クロードに神託の解釈をしてもらおうと考えました。

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神子様と別れて、クロードと二人きり。

迂闊に何かを話すと、自爆しそうなオレは、物静かな人になっている。

墓場まで持っていこうと思っていた秘密があることを告白する?

人生って、不思議だなー。
なんて、誤魔化したいけれど、難しそう。

どうする?


ひょいと、クロードが、オレをお姫様抱っこした。

「クロード。」

「逃がさない。」
とクロード。

そのまま、オレの寝室へ。

オレのベッドに、二人で腰掛ける。

寝る時間だから、と切り上げられないなー。

「ヒサツグ、神託とは?」
とクロード。

「女神様の。」

「神託は、何に関係してくる?」
とクロード。

仲良くなった夫に、愛人を斡旋して、日本に帰る予定だったと話したくないオレは、今、頭をフル回転しているけれど、名案が出てこない。

「私は、ヒサツグのことを何でも知りたい。」
とクロード。

オレも、クロードのことは世界一知りたい。

「ヒサツグの神託の内容が問題なら、私が、ヒサツグを悩ませる神託を解明する。」
とクロード。

「解明?」
オレの解釈が間違いだったかは、知りたい。

オレの後ろめたい気持ちをクロードに悟らせずに、事実だけを伝えてみる?

「〔元の世界に帰りたいと願う者へ。
その者、この地で結婚し、その者の夫と冷めきった関係になったとき、夫が真実の愛を捧げる者を得れば、帰れる。〕
という神託を授かった。
解釈を教えてほしい。」

「いつ?」
とクロード。

「この世界にいると気づいたとき。」

「私と出会う前か?」
とクロード。

「前。」

「ヒサツグには不要な神託だ。」
とクロード。

クロードは、ゴミ箱にゴミを捨てて、すっきりしたという顔をしている。

「いる、いらない、じゃなく、どんな解釈になるのかなー?」

オレは、オレの解釈が間違っていたかどうか、を知りたい。
女神様は、最初から、神託通りになっていなかった、と話していた。
こちらの人との解釈に違いがあるのか、気になっていた。

結果は、ともかくとして、疑問を解消したい。

「ヒサツグ。使い道のない神託に悩む必要はない。」
とクロードはばっさり。

「オレは、神託を授かったことに悩んだわけじゃない。
神託にそうようにと頑張ったから、結果は違っても、せめて、解釈があっていたかは知りたいんだ。」

オレは、自分が自白していたことにまだ気づいていなかった。

クロードは、腹の底に響きそうな声を出した。

「ヒサツグは、神託にそうように頑張ったのか?」
とクロード。

「うん、まあ。」

オレの体は、一瞬浮いたかと思うと、クロードによって、ベッドに転がされていた。

クロードは、仰向けでベッドに転がるオレの上に乗ってきた。

「ヒサツグは、私と出会う前に神託を授かり、結婚したときは既に神託を知っていて、神託に従って動いていたのか?」
とクロード。

クロード、オレの行動は、考えなくてもいいんだぞ。
「うん。そうだな。」

クロードは、凄絶な笑顔になると、オレの頭の両サイドに手をついてきた。

クロード、オレ、頭を動かせないんだけど?

「ヒサツグは、私から逃げ出すことを諦めていなかったのか?」
とクロード。

オレは、蛇に睨まれた蛙になった。

「ヒサツグは、いつ、私から逃げるのを止めた?」
とクロード。
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