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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

137.クロードとオレの結婚は、反対する人しかいなかったと思っていましたが、違いました。一人、猛プッシュした人がいました。

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オレと神子様は、友達になれはしないけれど、腹を割って話せるようになった。

同じ男を取り合った者同士の友情は、芽生えない。

友情は芽生えないが、話は合う。

オレと神子様は、友達じゃない、何か、な関係になった。

オレと神子様が話をしている間。
クロードは、大人しく、オレのつむじの匂いを嗅いでいた。

クロードを惹きつける、オレのつむじ匂いは、どんな匂いなんだろう。

「神子様は、クロードと交流のあった五人のうち、司祭と会ったことはある?」

「司祭って。司祭の名前も知らないんだ?」
と神子様。

「知らない。結婚前と、婚姻届を出す時に会ったけど、それ以後は、会っていない。」

「ぼくも、司祭でいいか。司祭は、国王陛下と比べたら普通の人。
傍系王族だから、一介の貴族と大差ないと、話していたよ。」
と神子様。

「大差ないとはいえ、差はある。」
とクロード。

「どんな?」

「司祭で、国王陛下や公爵の私と直接話ができるのは、傍系とはいえ王族だからだ。」
とクロード。

「へえ。司祭の仕事は、どんなことなんだ?」

「王家や公爵家の、婚姻の手続きや、式典を司る。」
とクロード。

「オレとクロードの婚姻届を国王陛下に提出するときに、司祭がいたのは、仕事だったのか。」

「貴族の婚姻届は、国王陛下と司祭の承認が必要だ。」
とクロード。

当時、オレが、迷惑料を支払わせて出ていく腹積もりを利用して、婚姻届を提出させたと。

「オレとクロードの結婚が認められた、と教育係がいっていたけど、誰が認めたんだ?」

「司祭だ。」
とクロード。

「司祭。なんで?」
働かせただけだぞ?

「司祭は、ヒサツグは、私に、ぴったりだと後押しした。
その後、ヒサツグが逃げ出す準備をしているから、婚姻手続きを早めるように動いてくれた。」
とクロード。

驚愕するしかない。
オレの敗因は、司祭だったのか。

オレは、国王陛下だと思っていた。

「国王陛下は?」

「陛下は、最終的に、私のしたいように、と許可を出された。」

オレの、日本に帰る予定が未定に終わった理由が、判明した。

「ちょっと、クロードから逃げ出すって、何の話?」
と神子様。
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