135 / 667
第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
135.優しい英雄公爵クロードは、優しいだけではなくなっていました。どんなクロードでも、オレのクロードです。
しおりを挟む
クロードと神子様は、医者の妹のところから帰ってきた。
収穫はあったかなー。
帰ってきたクロードは、オレを抱きしめて、つむじの匂いを嗅ぎ始めた。
神子様は、げんなりしている。
医者の妹は、神子様を押しのけて、クロードをものにしたいがために、神子様の侍女になったと、神子様は認識している。
医者の反応から推測すると。
医者の妹は、オレのお茶会で、任務に失敗。
謹慎。
神子様の侍女になって、失敗を取り返す予定が、私利私欲に負けて、失敗。
挽回するために、神子様のお忍びに同行するも、神子様にまかれて、失敗。
三回目の失敗の後に、国王陛下からの最終通告があったのかなー。
公爵領での作戦のメインは、医者だと思う。
医者の妹は、医者と公爵領に来て、直接オレを狙ったけれど、失敗。
現在は、医者の妹は、公爵領の襲撃現場にいる。
柵で作った囲いの中で、医者の妹の同行者と一緒に隔離されている。
医者の妹は、自分の感情に振り回される傾向にある。
どんな話が、聞けるかな。
オレは、わくわくと、二人が話すのを待った。
クロードは、オレのつむじから顔を上げない。
げんなりモードの神子様が、話してくれた。
「クロードの姿を見た医者の妹は、公爵と結婚するのは自分だ、と騒いだんだよ。」
元気だなー。
「クロードが
『神子様の侍女とは、結婚しない。』
と言ったら。」
と神子様。
医者の妹は、まだ諦めていないのか。
「『そんなの聞いていない。神子様の侍女は、辞めます。』
と言ったよ。
ぼくは、既に、クビを言い渡しているんだよ?」
と神子様。
「神子様を踏み台にしてました、と暗に告白していないかなー?」
「『国王陛下に任命されたのなら、国王陛下に解任されなくていいの?』
と聞いたら。
『神子様から国王陛下に伝えてください。』
と、ぼくに言うんだよ。」
と神子様。
「『公爵領を出て、自分で国王陛下に会いに行くように。』とクロードが言うと。
『公爵との時間がなくなるから、嫌です。』
とクロードにすり寄ろうとした。」
と神子様。
「斬新なハニートラップかな?」
「うざ絡みが?」
と神子様。
「ハニートラップに適性がないか、本気かな?」
「医者の妹と一緒に柵に入れている連中には、医者の妹と一緒に、公爵領から追放することをクロードが告げたよ。」
と神子様。
「『公爵夫妻の結婚式を妨害した者は、本来、処刑。
医者の妹と一緒に、公爵領から出ていけば、恩赦で、永久追放にとどめる。
今、決めろ。』
と私が言うと。」
とクロード。
「うん。」
「『帰れないから、一緒だ。』
と言う者がいた。」
とクロード。
一緒ではないんだよなー。
「『生きる希望が持てないなら、処刑を早めるのも慈悲か。』
とクロードが言ったら、『え?』という顔をしたんだよね、全員。
医者の妹もだよ。」
と神子様。
哀れを装えば、助けてもらえると聞いていたのかな。
クロードが、国王陛下と対立していなくて、英雄として苦しむ経験もないままだったら。
哀れに見える国民を、救済したかもしれない。
でも。
クロードは、優しさを利用されて、苦しんだ経験から、優しいだけじゃなくなった。
友人の言う事を鵜呑みにしなくなった。
人を疑うことを覚えた。
クロードと公爵家、公爵領のために働く人を頼ることを覚えた。
理不尽な苦労が、クロードを成長させた。
オレは、クロードに、これ以上、理不尽な苦労をしてほしくない。
だから。
足りない部分、綺麗事では済まない部分は、オレが担当するつもりだ。
騙し合いとか。
収穫はあったかなー。
帰ってきたクロードは、オレを抱きしめて、つむじの匂いを嗅ぎ始めた。
神子様は、げんなりしている。
医者の妹は、神子様を押しのけて、クロードをものにしたいがために、神子様の侍女になったと、神子様は認識している。
医者の反応から推測すると。
医者の妹は、オレのお茶会で、任務に失敗。
謹慎。
神子様の侍女になって、失敗を取り返す予定が、私利私欲に負けて、失敗。
挽回するために、神子様のお忍びに同行するも、神子様にまかれて、失敗。
三回目の失敗の後に、国王陛下からの最終通告があったのかなー。
公爵領での作戦のメインは、医者だと思う。
医者の妹は、医者と公爵領に来て、直接オレを狙ったけれど、失敗。
現在は、医者の妹は、公爵領の襲撃現場にいる。
柵で作った囲いの中で、医者の妹の同行者と一緒に隔離されている。
医者の妹は、自分の感情に振り回される傾向にある。
どんな話が、聞けるかな。
オレは、わくわくと、二人が話すのを待った。
クロードは、オレのつむじから顔を上げない。
げんなりモードの神子様が、話してくれた。
「クロードの姿を見た医者の妹は、公爵と結婚するのは自分だ、と騒いだんだよ。」
元気だなー。
「クロードが
『神子様の侍女とは、結婚しない。』
と言ったら。」
と神子様。
医者の妹は、まだ諦めていないのか。
「『そんなの聞いていない。神子様の侍女は、辞めます。』
と言ったよ。
ぼくは、既に、クビを言い渡しているんだよ?」
と神子様。
「神子様を踏み台にしてました、と暗に告白していないかなー?」
「『国王陛下に任命されたのなら、国王陛下に解任されなくていいの?』
と聞いたら。
『神子様から国王陛下に伝えてください。』
と、ぼくに言うんだよ。」
と神子様。
「『公爵領を出て、自分で国王陛下に会いに行くように。』とクロードが言うと。
『公爵との時間がなくなるから、嫌です。』
とクロードにすり寄ろうとした。」
と神子様。
「斬新なハニートラップかな?」
「うざ絡みが?」
と神子様。
「ハニートラップに適性がないか、本気かな?」
「医者の妹と一緒に柵に入れている連中には、医者の妹と一緒に、公爵領から追放することをクロードが告げたよ。」
と神子様。
「『公爵夫妻の結婚式を妨害した者は、本来、処刑。
医者の妹と一緒に、公爵領から出ていけば、恩赦で、永久追放にとどめる。
今、決めろ。』
と私が言うと。」
とクロード。
「うん。」
「『帰れないから、一緒だ。』
と言う者がいた。」
とクロード。
一緒ではないんだよなー。
「『生きる希望が持てないなら、処刑を早めるのも慈悲か。』
とクロードが言ったら、『え?』という顔をしたんだよね、全員。
医者の妹もだよ。」
と神子様。
哀れを装えば、助けてもらえると聞いていたのかな。
クロードが、国王陛下と対立していなくて、英雄として苦しむ経験もないままだったら。
哀れに見える国民を、救済したかもしれない。
でも。
クロードは、優しさを利用されて、苦しんだ経験から、優しいだけじゃなくなった。
友人の言う事を鵜呑みにしなくなった。
人を疑うことを覚えた。
クロードと公爵家、公爵領のために働く人を頼ることを覚えた。
理不尽な苦労が、クロードを成長させた。
オレは、クロードに、これ以上、理不尽な苦労をしてほしくない。
だから。
足りない部分、綺麗事では済まない部分は、オレが担当するつもりだ。
騙し合いとか。
35
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説
皇帝の寵愛
たろう
BL
※後宮小説もどきです。女の人が出てきます。最近BLだけどサスペンス?時代小説?要素が混じってきているような……?
若き皇帝×平民の少年
無力の皇帝と平民の少年が権力者たちの思惑が渦巻く宮中で幸福な結末を目指すお話。
※別サイトにも投稿してます
※R-15です。

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる