《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

131.オレVS医者。『オレは、あんたの本性を知っている。国王陛下の狗さん?奇妙奇天烈な芝居は、オレ向けじゃないよな?』

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オレは、クロードと神子様を部屋から追い出すことにした。

医者がいる限り、神子様が国王陛下から、魔法の攻撃を受ける機会が増える。

クロードには、友人という言葉で、縛ろうとしている。

医者は、国王陛下の言葉を再生しているくらいに考えよう。

「オレは、一人で医者と話す。」

クロードと神子様は、反対したが、あることを頼んで、退席させた。




医者と二人っきりになった部屋で。

「ヤワヤワした話し方、医者の素じゃないよな?」

オレは、医者に投げた。

医者は、クロードと神子様が部屋を出ると、雰囲気が変わった。

執拗に友情を誇示するダメ男の印象は、急激に薄れていく。

背中が丸まらない。

下手、下手に出ながら、要求を通そうとしていた医者ではない。

ああ、こっちが、本性だなー。

「クロードと神子様がいないときは、尊大だった。
公爵家の屋敷での初対面の日、医者は、今より断定的に話していた。」

オレは、ニヤリと医者に笑ってやる。

「オレには、最初から本性を見せていたよな?
司祭がオレと医者を引き合わせた日だ。」

「クロードと神子様に見せている奇妙奇天烈な振る舞いは、誰に対する、何のカムフラージュだ?」

クロードの友人その三、司祭が、連れてきたその四、医者と会話したときの会話は、事情通としか思えないものだった。

医者は、オレが、クロードとの婚姻届を出す前に、オレと会った時点で、オレの今後を知っていた。

オレが、公爵家の屋敷から出ていき、クロードとクロードの友人との縁切りなど出来ない、ことを医者は、最初から知っていた。

クロード不在中の公爵家に、堂々と出入りしていた医者。

医者の主張するように、妹のやらかしや、クロードに会えずにいたことや、神子様に同行しようとして、まかれてから、国王陛下の言いなりになったんじゃない。

医者が、国王陛下の言いなりになったのは、もっと前。

オレが、クロードに公爵家の屋敷に連れて来られて、公爵家の屋敷で、医者と顔を合わせた日より前。

医者が、公爵家の屋敷に自由に出入りしているから、国王陛下にスカウトされたのか。

国王陛下の命令で、クロードに近付いて、公爵家に出入りするようになったのか。

医者の方から、自分自身を国王陛下に売り込んだのか。

オレは、医者と医者の妹の振る舞いから、医者は、自分から、医者自身を国王陛下に売り込みにいった、と考えている。

医者は、国王陛下サイドの人間で、国王陛下の懐に深く入り込んでいる。

少なくとも、医者は、国王陛下が事情を知らせないまま、使い捨てにする駒ではない。

医者は、国王陛下から、ある程度の裁量を持たされている。

オレは、そう見ている。

医者が、クロードと神子様の前で、仮面を被っているのは、クロードと神子様は、なんのかんの言いながら素直な性格だから。

腹芸をしないクロードと神子様の前では、医者は、本性が露見しないようにしている。

「クロードと神子様がいなければ、繰り言を繰り返さなくても話できるだろ?」

オレは、医者に畳み掛けた。

「医者が、国王陛下の狗になったのは、最近じゃないだろう?」

「妹は、いつからだ?
医者は、国王陛下に脅されて、言いなりになったんじゃない。
医者じゃなく、国王陛下の狗が本職だろ?」
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