125 / 673
第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
125.『全部、聞こえていた。』『魔法の攻撃?』国王陛下にやり返したい神子様と神子様に嫉妬してしまうから元の世界に帰ってほしいオレ。
しおりを挟む
オレとクロードは、激しいキスを二回して、離れた。
横たわる神子様を前にするクロードにオレは、声をかける。
「クロード。今日の三回目をする前に、口をゆすげよ。オレは、誰かの残り香や余韻が残る唇じゃ、満足しない。」
「三回目が済んだら。」
とクロード。
「え?」
「四回以降もある。」
とクロード。
「当然だろ。早く神子様を助けろ。オレも、もっとしたい。」
クロードは、ふっと笑うと、神子様にキスをした。
クロードが神子様にキスしている時間は、とても長く感じた。
実際、長かった。
神子様自身は、女神様の力を使えない。
神子様は、女神様の力を使ってくれる誰かがいないと、普通の人だったんだ、と実感した。
クロードが、オレを優先したから、ズキズキ、モヤモヤで、イライラすることはなかった。
ぱちっと、目を覚ました神子様は。
すぐに起き上がった。
「人を使って、盛り上がらないでよ。全部、聞こえていたから。」
と神子様は、言った。
「あ、ごめん。」
オレは謝った。
「今日のヒサツグは、私を好きで、誰かにとられないかと、初めて嫉妬した。
ヒサツグの初めての嫉妬記念日。」
とクロード。
「あー、はいはい。クロードばかりが好きじゃないと分かって良かったね。」
と投げやりな神子様。
「何があった?」
とクロード。
「医者の体がブレた?と思ったら、動けなくなっていた。」
と神子様。
「意識は?」
とクロード。
「ずっとあったよ。」
と神子様。
「魔法の攻撃を受けていた。国王陛下の魔法だろうとは予想できるが、証拠はない。」
とクロード。
「魔法の攻撃ね。」
と神子様は、空を睨んだ。
「神子様を攻撃することがあるなんて。」
神子様は、絶対不可侵だと思っていたぞ。
「禁止されてはいない。罰則もない。」
とクロード。
「神子を攻撃する発想が、なかっただけだよ。今までは。」
と冷静な神子様。
「ぼくを自分の意思で動けなくしてしまいたかったんだよ。ぼくは国王陛下の思い通りにならないからね。」
と神子様。
「神子様は、これ以上、キナ臭くなる前に、元の世界に帰る?」
「ぼくに帰ってほしい?」
と聞いてくる神子様。
「神子様がいると、オレは心強い。でも、クロードが絡むと、嫉妬で自制できなくなる。帰ってもらえると嫉妬に狂わないで済むなー。」
オレは、正直な気持ちを伝えた。
「ぼくは、ただでは帰らない。国王陛下に攻撃されたから。やり返すよ。」
と神子様。
「女神様の力を使うとき、神子様とクロードが、キスしないといけないのは、オレがすり減るから嫌だ。」
「ぼくは攻撃されてすり減ったよ。」
と神子様。
「私は、神子様に嫉妬して、全身全霊で、愛を伝えてくるヒサツグが愛おしい。」
とクロード。
「ノロケは、聞いていないから。」
と神子様。
横たわる神子様を前にするクロードにオレは、声をかける。
「クロード。今日の三回目をする前に、口をゆすげよ。オレは、誰かの残り香や余韻が残る唇じゃ、満足しない。」
「三回目が済んだら。」
とクロード。
「え?」
「四回以降もある。」
とクロード。
「当然だろ。早く神子様を助けろ。オレも、もっとしたい。」
クロードは、ふっと笑うと、神子様にキスをした。
クロードが神子様にキスしている時間は、とても長く感じた。
実際、長かった。
神子様自身は、女神様の力を使えない。
神子様は、女神様の力を使ってくれる誰かがいないと、普通の人だったんだ、と実感した。
クロードが、オレを優先したから、ズキズキ、モヤモヤで、イライラすることはなかった。
ぱちっと、目を覚ました神子様は。
すぐに起き上がった。
「人を使って、盛り上がらないでよ。全部、聞こえていたから。」
と神子様は、言った。
「あ、ごめん。」
オレは謝った。
「今日のヒサツグは、私を好きで、誰かにとられないかと、初めて嫉妬した。
ヒサツグの初めての嫉妬記念日。」
とクロード。
「あー、はいはい。クロードばかりが好きじゃないと分かって良かったね。」
と投げやりな神子様。
「何があった?」
とクロード。
「医者の体がブレた?と思ったら、動けなくなっていた。」
と神子様。
「意識は?」
とクロード。
「ずっとあったよ。」
と神子様。
「魔法の攻撃を受けていた。国王陛下の魔法だろうとは予想できるが、証拠はない。」
とクロード。
「魔法の攻撃ね。」
と神子様は、空を睨んだ。
「神子様を攻撃することがあるなんて。」
神子様は、絶対不可侵だと思っていたぞ。
「禁止されてはいない。罰則もない。」
とクロード。
「神子を攻撃する発想が、なかっただけだよ。今までは。」
と冷静な神子様。
「ぼくを自分の意思で動けなくしてしまいたかったんだよ。ぼくは国王陛下の思い通りにならないからね。」
と神子様。
「神子様は、これ以上、キナ臭くなる前に、元の世界に帰る?」
「ぼくに帰ってほしい?」
と聞いてくる神子様。
「神子様がいると、オレは心強い。でも、クロードが絡むと、嫉妬で自制できなくなる。帰ってもらえると嫉妬に狂わないで済むなー。」
オレは、正直な気持ちを伝えた。
「ぼくは、ただでは帰らない。国王陛下に攻撃されたから。やり返すよ。」
と神子様。
「女神様の力を使うとき、神子様とクロードが、キスしないといけないのは、オレがすり減るから嫌だ。」
「ぼくは攻撃されてすり減ったよ。」
と神子様。
「私は、神子様に嫉妬して、全身全霊で、愛を伝えてくるヒサツグが愛おしい。」
とクロード。
「ノロケは、聞いていないから。」
と神子様。
74
お気に入りに追加
1,813
あなたにおすすめの小説


【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

漆黒の瞳は何を見る
灯璃
BL
記憶を無くした青年が目覚めた世界は、妖、と呼ばれる異形の存在がいる和風の異世界だった
青年は目覚めた時、角を生やした浅黒い肌の端正な顔立ちの男性にイスミ アマネと呼びかけられたが、記憶が無く何も思い出せなかった……自分の名前すらも
男性は慌てたようにすぐに飛び去ってしまい、青年は何も聞けずに困惑する
そんな戸惑っていた青年は役人に捕えられ、都に搬送される事になった。そこで人々を統べるおひい様と呼ばれる女性に会い、あなたはこの世界を救う為に御柱様が遣わされた方だ、と言われても青年は何も思い出せなかった。経緯も、動機も。
ただチート級の能力はちゃんと貰っていたので、青年は仕方なく状況に流されるまま旅立ったのだが、自分を受け入れてくれたのは同じ姿形をしている人ではなく、妖の方だった……。
この世界では不吉だと人に忌み嫌われる漆黒の髪、漆黒の瞳をもった、自己肯定感の低い(容姿は可愛い)主人公が、人や妖と出会い、やがてこの世界を救うお話(になっていけば良いな)
※攻めとの絡みはだいぶ遅いです
※4/9 番外編 朱雀(妖たちの王の前)と終幕(最後)を更新しました。これにて本当に完結です。お読み頂き、ありがとうございました!

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ブラッドフォード卿のお気に召すままに~~腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する~~
ゆうきぼし/優輝星
BL
異世界転移BL。浄化のため召喚された異世界人は二人だった。腹黒宰相と呼ばれるブラッドフォード卿は、モブ扱いのイブキを手元に置く。それは自分の手駒の一つとして利用するためだった。だが、イブキの可愛さと優しさに触れ溺愛していく。しかもイブキには何やら不思議なチカラがあるようで……。
*マークはR回。(後半になります)
・ご都合主義のなーろっぱです。
・攻めは頭の回転が速い魔力強の超人ですがちょっぴりダメンズなところあり。そんな彼の癒しとなるのが受けです。癖のありそうな脇役あり。どうぞよろしくお願いします。
腹黒宰相×獣医の卵(モフモフ癒やし手)
・イラストは青城硝子先生です。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる