《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

116.神子様と、神子様の侍女になった医者の妹。

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「それだけじゃないけれど。」
と神子様。

「他には?」

「医者の妹を神子様の侍女に、と医者が言ってきて、国王陛下が、任命した。
ぼくは、侍女は不要だと断ったけど、侍女が出来た。」
と神子様。

なんと、医者の妹は、断られていた。

「侍女になった医者の妹は、ぼくの侍女になって、公爵に近付くチャンスを増やすこと、と、ぼくから何かを貰おうとすることには、熱心だったけれど、侍女の仕事をしなかった。」
と神子様。

「コネ入社で、働かないって、やっかいな。」

「医者の妹は、ぼくの持ち物を勝手に貰ったといって、持ち出そうとした。
クビにしようとしたけど、国王陛下が、難色を示した。
だから、次、ぼく以外の人の命令を優先して、ぼくの命令を無視したら、クビにする、と取り決めをしたんだよ。」
と神子様。

「神子様のところで、盗みを働いたのか?」

「ぼくが、糾弾して、未遂になったけどね。」
と神子様。

「クビにならないのが、不思議だ。」

「国王陛下が任命した侍女だから、任命した国王陛下に、人を見る目がない、という印象がついてしまうのを避けたかったんだよ。」
と神子様。

「そんな理由で、罷免しないんだ。」

「ぼくの周りに女性はいない。ぼくの侍女になったら、ちやほやされると考えていたんだよ。

『私は、女の子なのに』が口癖。
女でも男でも、仕事をしない使用人は、いらない。

医者の妹は、宝石とか、小物とか、ぼくのものを何でもかんでも欲しがったよ。

目についたものは、全部、欲しい、と言ってきた。

自分が欲しがったものは、何の労もなく貰える、と、医者の妹は疑っていなかった。

ぼくが拒否したら、驚いた顔をして、ぼくに抗議してきた。

『神子様は、男だから、使わないでしょ?
私が、もっと上手に使ってあげます。
私みたいに、似合う女の子にくれる神子様の方が、感じがいいですよ。

私のお兄ちゃんは、公爵の友人なんです。
国王陛下も私を認めてくれました。

私には、優しくした方が、いいですよ。

公爵は、私と仲良しだから、公爵と仲良くしたいなら、私に良くしないとダメですよ。』
と言ってきた。」
と神子様。

「お勤めしたら、ダメなタイプだなー。」

「ぼく以外の相手には、神子様の侍女という肩書きを使って、好き勝手していた。
ぼくは、医者の妹は、使わない、と宣言したよ。
医者は、妹の本性を知らなかったね。
言い聞かせるから、と妹の名誉回復を頼んできたよ、ぼくに。
恥知らずが。」
と神子様。

神子様の侍女は、名誉職じゃなかったのか。
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