《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

114.美徳になるか、蛮勇と呼ばれるか?『オレが、驕っていました。ごめんなさい。』オレが、公爵の友人を職業と肩書きで呼ぶ理由。

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神子様は、なんと言っていた?

医者の妹は、国王陛下が任命した。

医者の妹は、国王陛下の意思で動いている?

じゃあ、医者は?

医者は、誰の意思で動いている?

オレは、見える情報と見えない情報を処理するのに必死になっていた。



オレは、突然後方に引きずられた。

「そこの。ぼくの侍女だと言っていたね?止まれ。動くなよ。神子の命令だよ。」

神子様が、後ろからオレの腕を引っ張っていた。

オレは、すぐに神子様に並んだ。

「あなた、ぼくは、無視しろって言っていたよね?
わざわざ、立ち止まって、狙われにいくの止めてよ。

そこの、は、ぼくの侍女と名乗るんだから、ぼくが動くな、と命令をしたら、動かないんだよ。」

神子様のお怒りは、ごもっとも。

何でもかんでも、オレがやろうとしては、ダメだ。

「ごめん。間違えた。」

オレは、神子様に謝った。

神子様が、オレの側にいるのは、神子様自身とオレのため。

オレは、殺されないようにしないと。

でも、医者の妹は止まらない。

「医者の妹、神子様の命令に従わないぞ?」

「逃さない!神子様が逃げたせいで、大変だったんだから。責任とって!」
と医者の妹。

医者の妹の暴論が、突き抜けている。

「ぼくより、国王陛下の命令をとったね。今から、クビ。」
と神子様。

神子様は、
『神子様のせいで国王陛下から責められた』
と言った医者の妹をクビにしたのか。

オレは、神子様に引っ張られるのに合わせて、走る。

走ると言っても、衣装が、走る用に出来ていないから、小走りだ。

「さっき、オレは狙われていた?」

「公爵が動いたよ。」
と神子様。

「重ね重ね、申し訳ない。神子様がダメなら、オレが、と思ってしまった。」

「美徳と蛮勇の違いは?」
と神子様。

「ごめん、ごめんなさい。」
オレは、繰り返し謝った。

今の状況は、オレの驕りが招いた。

「あなたは、周りが見ずに、自分の価値観で暴走しすぎるよ。迷惑。」
と神子様。

「本当に、すみません。反省しています。」

オレは、反省してから、神子様に報告する。

「神子様、最初、医者の妹の隣には医者がいた。
医者の妹が騒ぎ出して以降、医者の姿が見えない。

後、医者の妹の周りに、弱い人が集まり過ぎている。」

神子様は、医者って誰、という顔をした。

その後、オレの説明に、したり顔になった神子様は、
「侍女の兄を医者呼びするのは、いい考え。ぼくも、そう呼ぼう。医者と仲良くする気はないから。」
と言った。

「いい考え、というか、オレは、医者の名前を知らないからな。」

「知らない?公爵の友達だよね。会ったこと、あるよね?」
と神子様。

「オレが、公爵家の敷居はまたがせない、と決めて、出禁する前には、公爵家の屋敷で会っている。

王城でも、出禁を告げた日に、会ったなー。

名乗られなかったし、紹介もされなかったから、職業以外、オレは知らない。

公爵の友人は、全員、職業か肩書きしか知らないぞ、オレは。

オレも、公爵の友人の名前を覚える気がなかった。

知らなくても、困らなかったなー。

いまだに、困ったことはないぞ。」

「ぼくも、名前を呼ばない方が、困らない。」
と神子様。

「オレは、神子様が公爵の友人と仲良しだと、医者に聞いたぞ。」

「公爵と仲良くしようとしたら、ついてきたんだよ、金魚のフンが。」
と神子様。

「金魚のフンか。」

「公爵と仲良くしたいから、公爵の友人に、愛想良くしていただけだよ。公爵の友人じゃないなら、相手にしない。」
と神子様。

「医者は、金魚のフンだったのか。」

「医者は、公爵と友人になったから、国王陛下、宰相補佐、近衛騎士団の副団長と仲良く出来ていただけだよ?」
と神子様。

「じゃ、今の医者は、どんな立ち位置?かなり、お先真っ暗?」
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