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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
111.結婚式に飛び入りゲストは、必要ですか?お客様に、招待状を送った心当たりは、ございません。
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次は、オレだ。
今日のオレとクロードは、公爵家の紋章を背中と、胸元と、腕に刺繍した正装だ。
純白の生地にセルリアンブルーの刺繍。
恋人達の広場の草の上に立つオレ達は、目立つ。
ぬけるような青空と、草の色とのコントラスト。
人々の記憶に残るように。
そよ風は、マントと髪をふわりふわりと揺らす。
オレは、オレとクロードの人生のために、この国の国王陛下と争う。
クロードは、公爵。
オレは、公爵の伴侶。
オレ達は、反旗を翻すからには、勝たなくてはならない。
負けて、傷つくのは、オレ達夫婦だけではない。
オレ達の決断は、公爵家と、公爵領、オレとクロードに関わる全部を巻き込む。
オレは、敵にとっては、標的になる。
味方にとっては?
クロードの希望。
クロードの民の光。
もう一声ほしい。
クロードが安心できて、クロードの民が、クロードとオレの民だと思えるように。
だから。
オレは、オレのしてきたことを糧に、オレがこれからすることを間違いで終わらせない。
オレは、話す前に、周りを見回した。
うん?
見たことがあるけれど、見たくない顔がある。
呼んでいないぞ?
公爵家の敷居はまたがせない、と言ったのに、しれっと混ざっているやつがいる。
出禁なのは、公爵家の屋敷だけじゃないんだよ!
オイ!
そこの兄妹!
医者と医者の妹!
いけしゃあしゃあと、公爵領に入ってくるな!
公爵領は、公道じゃない!
そう言えば。
医者の妹は、神子様の侍女になったと言っていたな、医者が。
今さらだけど、神子様に、侍女は、必要だったのか?
神子様は、一人で、公爵領に来たぞ?
お忍び、だから、と納得していたオレ。
よく考えろ、オレ。
貴人のお忍びだぞ。
一人旅、アリか?
お忍びします、と言っても、一人で王城を出してもらえないよなー。
神子様が、お忍びだと言って、王城を出てきたなら、同伴者がいたはず。
神子様、同伴者は、どいたした?
本当に、今さらだけど。
神子様が、飄々と生活しているから、頭からすっぽりぬけていたなー。
神子様、王城からの同伴者をまいてきたのか?
公爵領に来てからの様子しか、オレは、知らないけれど。
神子様は、自分一人で、生活出来ている。
女性に限らず、使用人がいなくても、神子様は、公爵領で、快適にお過ごしだ。
基本的に、神子様は、自分のことは自分で出来る。
使用人アリの生活をしていた人だって、失念していた。
神子様の同伴者は、今、どこにいる?
神子様の同伴者は、どこのどなた?
王都で、神子様と会った時、神子様には、男性の使用人と護衛がいた。
オレが誘拐されたときも、神子様は、使用人と護衛を連れていた。
肩書きは、色々あれど、神子様の周りで、神子様のために働く女性は見たことがない。
神子様の侍女って、名誉職なのか?
医者の妹のための?
うーん。
神子様は、背中を向けているから、妹の視線に気づかない。
『元々、神子は、人目を集めるものだから、見られるのは当たり前。』
と神子様は話していたから、視線を集めても、気にしないようにしているのかな。
医者の妹は、食い入るように、神子様の背中を見ている。
医者は、神子様を見ている妹を見ている。
この兄妹、どーしてくれよー。
今日のオレとクロードは、公爵家の紋章を背中と、胸元と、腕に刺繍した正装だ。
純白の生地にセルリアンブルーの刺繍。
恋人達の広場の草の上に立つオレ達は、目立つ。
ぬけるような青空と、草の色とのコントラスト。
人々の記憶に残るように。
そよ風は、マントと髪をふわりふわりと揺らす。
オレは、オレとクロードの人生のために、この国の国王陛下と争う。
クロードは、公爵。
オレは、公爵の伴侶。
オレ達は、反旗を翻すからには、勝たなくてはならない。
負けて、傷つくのは、オレ達夫婦だけではない。
オレ達の決断は、公爵家と、公爵領、オレとクロードに関わる全部を巻き込む。
オレは、敵にとっては、標的になる。
味方にとっては?
クロードの希望。
クロードの民の光。
もう一声ほしい。
クロードが安心できて、クロードの民が、クロードとオレの民だと思えるように。
だから。
オレは、オレのしてきたことを糧に、オレがこれからすることを間違いで終わらせない。
オレは、話す前に、周りを見回した。
うん?
見たことがあるけれど、見たくない顔がある。
呼んでいないぞ?
公爵家の敷居はまたがせない、と言ったのに、しれっと混ざっているやつがいる。
出禁なのは、公爵家の屋敷だけじゃないんだよ!
オイ!
そこの兄妹!
医者と医者の妹!
いけしゃあしゃあと、公爵領に入ってくるな!
公爵領は、公道じゃない!
そう言えば。
医者の妹は、神子様の侍女になったと言っていたな、医者が。
今さらだけど、神子様に、侍女は、必要だったのか?
神子様は、一人で、公爵領に来たぞ?
お忍び、だから、と納得していたオレ。
よく考えろ、オレ。
貴人のお忍びだぞ。
一人旅、アリか?
お忍びします、と言っても、一人で王城を出してもらえないよなー。
神子様が、お忍びだと言って、王城を出てきたなら、同伴者がいたはず。
神子様、同伴者は、どいたした?
本当に、今さらだけど。
神子様が、飄々と生活しているから、頭からすっぽりぬけていたなー。
神子様、王城からの同伴者をまいてきたのか?
公爵領に来てからの様子しか、オレは、知らないけれど。
神子様は、自分一人で、生活出来ている。
女性に限らず、使用人がいなくても、神子様は、公爵領で、快適にお過ごしだ。
基本的に、神子様は、自分のことは自分で出来る。
使用人アリの生活をしていた人だって、失念していた。
神子様の同伴者は、今、どこにいる?
神子様の同伴者は、どこのどなた?
王都で、神子様と会った時、神子様には、男性の使用人と護衛がいた。
オレが誘拐されたときも、神子様は、使用人と護衛を連れていた。
肩書きは、色々あれど、神子様の周りで、神子様のために働く女性は見たことがない。
神子様の侍女って、名誉職なのか?
医者の妹のための?
うーん。
神子様は、背中を向けているから、妹の視線に気づかない。
『元々、神子は、人目を集めるものだから、見られるのは当たり前。』
と神子様は話していたから、視線を集めても、気にしないようにしているのかな。
医者の妹は、食い入るように、神子様の背中を見ている。
医者は、神子様を見ている妹を見ている。
この兄妹、どーしてくれよー。
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