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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
107.『当て馬』の定義って、何でしょうか?神子様、踏み込んで話しませんか。オレも、異世界転移したんですよ。女神様には会ってませんが。
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昨日は、獰猛な猛禽類の前に置かれた生肉の気分を味わった。
クロードに、年上風を吹かせるのは危険だ。
クロードの方が、上手だった。
玄関から寝室に直行されるかと腰が引けた。
今日は、神子様と話をする。
「派手にやったよね。」
と神子様。
「何が?」
「大通りで、プロポーズ合戦して、キスして、抱っこで退場なんて、ひそひそ話が最高時速を記録したよ。」
と神子様。
「正確だなー。」
「目撃者多数な上に、関係者の割合がね。」
と神子様。
「今日は、腹を割って話しておきたくてなー。オレと神子様が話をする時間は、残り少ないよな?」
「何を話す?」
と神子様。
「神子様が、元の世界に帰ったら、元の世界に帰った初めての神子になるんだよな?」
「そうだよ。」
と神子様。
「女神様と、交渉出来ないのか?」
「ぼくは、こちらに来るときの約束に縛られているから、新しく約束は増やせないよ。」
と神子様。
「神子様。オレも、異世界転移した日本人なんだよ。でも、異世界転移前に女神様に会っていない。
公爵がオレに真実の愛を捧げた後、女神様は、オレの部屋に顕現された。」
「あなたは、ぼくの当て馬として呼ばれたんだよ。」
と神子様。
「当て馬?恋の鞘当ての?」
「そうだよ。多分、神子と英雄の仲が進展しないから、女神様が気を利かせたんだよ、英雄に。」
と神子様。
「クロードの前に、二人並べて、神子様を選ぶように誘導した?」
「女神様の思惑は外れて、当て馬が英雄に選ばれた。英雄が困らないように、当て馬に力を授けたよね?」
と神子様。
「当て馬って。確かに、そんな感じだったな。」
「あなたは、女神様と約束していないんだよね?」
と神子様。
「帰り方を知りたいと願った結果、神託は貰っていたけれどな。」
「条件は?」
と神子様。
「冷めた夫婦関係の中、夫が真実の愛を捧げる人を見つけて、真実の愛を捧げたら、帰れることになっていた。」
「帰りたかったんだ?」
と神子様。
「帰りたかったな。人生がいい感じになってきたところだったんだ。」
「あなたは、帰れたよね?」
と神子様。
「なんで?」
「女神様との約束に縛られていないなら、帰れたよ。」
と神子様。
「そんな。」
鈍器で殴られたようなショックというのかな。
想像していなかった可能性に直面して、頭がびっくりしている。
「まだ、帰りたい?」
と神子様。
「諦めただけで、帰りたい気持ちは、ある。オレは、日本に人生を残してきたから。」
「帰れたら、帰るの?」
と神子様。
「オレは、結婚したことで、こちらの人間になったと、顕現した女神様に聞いた。
こちらの人間は、外の世界には出ていかない、と。
顕現した女神様の加護を与えられた。
オレは、こちらに来て七日目には、クロードや国王陛下に一方的に婚姻手続きを進められている。
七日目にして、既に帰れなくなっていた、と初めて知ったんだ。
今までの、帰るための苦労が全部無駄な努力だと知ったら、心身がやられた。
神子様と会って、クロードとこちらで生きていくと決めたけれど、日本に帰りたい気持ちがなくなったわけじゃない。
手が届かない月は、眺めるしかできないけどな。」
「女神様は、クロードが当て馬の方を気に入ったから、方針転換したね。」
と神子様。
クロードに、年上風を吹かせるのは危険だ。
クロードの方が、上手だった。
玄関から寝室に直行されるかと腰が引けた。
今日は、神子様と話をする。
「派手にやったよね。」
と神子様。
「何が?」
「大通りで、プロポーズ合戦して、キスして、抱っこで退場なんて、ひそひそ話が最高時速を記録したよ。」
と神子様。
「正確だなー。」
「目撃者多数な上に、関係者の割合がね。」
と神子様。
「今日は、腹を割って話しておきたくてなー。オレと神子様が話をする時間は、残り少ないよな?」
「何を話す?」
と神子様。
「神子様が、元の世界に帰ったら、元の世界に帰った初めての神子になるんだよな?」
「そうだよ。」
と神子様。
「女神様と、交渉出来ないのか?」
「ぼくは、こちらに来るときの約束に縛られているから、新しく約束は増やせないよ。」
と神子様。
「神子様。オレも、異世界転移した日本人なんだよ。でも、異世界転移前に女神様に会っていない。
公爵がオレに真実の愛を捧げた後、女神様は、オレの部屋に顕現された。」
「あなたは、ぼくの当て馬として呼ばれたんだよ。」
と神子様。
「当て馬?恋の鞘当ての?」
「そうだよ。多分、神子と英雄の仲が進展しないから、女神様が気を利かせたんだよ、英雄に。」
と神子様。
「クロードの前に、二人並べて、神子様を選ぶように誘導した?」
「女神様の思惑は外れて、当て馬が英雄に選ばれた。英雄が困らないように、当て馬に力を授けたよね?」
と神子様。
「当て馬って。確かに、そんな感じだったな。」
「あなたは、女神様と約束していないんだよね?」
と神子様。
「帰り方を知りたいと願った結果、神託は貰っていたけれどな。」
「条件は?」
と神子様。
「冷めた夫婦関係の中、夫が真実の愛を捧げる人を見つけて、真実の愛を捧げたら、帰れることになっていた。」
「帰りたかったんだ?」
と神子様。
「帰りたかったな。人生がいい感じになってきたところだったんだ。」
「あなたは、帰れたよね?」
と神子様。
「なんで?」
「女神様との約束に縛られていないなら、帰れたよ。」
と神子様。
「そんな。」
鈍器で殴られたようなショックというのかな。
想像していなかった可能性に直面して、頭がびっくりしている。
「まだ、帰りたい?」
と神子様。
「諦めただけで、帰りたい気持ちは、ある。オレは、日本に人生を残してきたから。」
「帰れたら、帰るの?」
と神子様。
「オレは、結婚したことで、こちらの人間になったと、顕現した女神様に聞いた。
こちらの人間は、外の世界には出ていかない、と。
顕現した女神様の加護を与えられた。
オレは、こちらに来て七日目には、クロードや国王陛下に一方的に婚姻手続きを進められている。
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今までの、帰るための苦労が全部無駄な努力だと知ったら、心身がやられた。
神子様と会って、クロードとこちらで生きていくと決めたけれど、日本に帰りたい気持ちがなくなったわけじゃない。
手が届かない月は、眺めるしかできないけどな。」
「女神様は、クロードが当て馬の方を気に入ったから、方針転換したね。」
と神子様。
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