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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

101.『オレと結婚したいと思ったのは、いつから?』捕食者は、狙いを定めたら、動きが早いのです。

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その日の夜は、なんとか、無事だった。

次の日。

朝から使用人が楽しそうにしていた。

オレが元気になったのを喜んでくれている

朝食の席で。

「ヒサツグ。食事が済んだら、デートに行く。」
と公爵に言われて、今日の予定が決まった。

今日は、オープンカーじゃなく、二人用の移動車。

オレは、緊張している。

密室に二人っきり。

家族の会話じゃない話題を選ぶようになったから、終始、甘い雰囲気になっている。

ただいま、オレは、こちらの結婚式について、クロードから話を聞いている。

日本にいたとき、結婚式をするんなら、と考えたことは、なかったからなー。

外を歩いていて、神社での結婚式を見たときに、綺麗だなーとは、思ったけど、他人事だった。

公爵夫妻の結婚式は、王都ではなく、公爵領でする。

王都には、国王陛下という公爵の友人という薄皮を糊付けした、オレの敵がいるからな。

オレも、結婚式で殺されたくない。

女神様に、結婚を報告してから、ご成婚パレード。

まさか、自分がご成婚パレードをする側になる日が来るとは。

今さらだけど、クロードの名前と年齢以外にも、オレは、聞きたいことがある。

オレのクロードへの第一印象は、仕事を持ちかけてきた男。

クロードは、いつから、オレを知っていて、オレと結婚したいと考え出したのか?

「クロード。オレと結婚したいと思ったのは、いつからなんだ?」

「私が、私のヒサツグに話しかけたときには、もう決めていた。」
とクロード。

クロードに声をかけられたときは、初対面で、言葉を交わしたこともなかったぞ?

「オレは、有名人だったのか?」

公爵のクロードが、結婚したいと会いにくるくらいの?

「ヒサツグは、急に現れた真面目にコツコツ働く好青年だと評判だった。」
とクロード。

自分の働きぶりを評価してもらえると嬉しい。

「急に現れたと噂になっていたから、私が見にいった。ヒサツグは、魔王ではなく、私の嫁だった。」
とクロード。

魔王かと怪しまれていたのか、オレ。

怪しまれていたから、英雄が調べに来たのか。

魔王の疑いがはれて良かった。

疑われたまま、魔王として討伐されていたら、オレは死んでいた。

魔王かと怪しまれていたオレをクロードは、保護したということになるのかな?

英雄のクロードには、オレが魔王か、魔王じゃないか、を判別出来てた。

でも、クロードが調べに来たくらいだから、一般人に魔王か否かの判別は難しいんだろう。

オレは、クロードに生かされたのか。

強引に、オレを公爵家の屋敷に連れてきたのは、オレの安全のためだったのか。

「オレは、何にも知らなかった。ずっと説明がほしかった。クロードから。」

当時、クロードに説明されても、オレに理解出来たとは思わないけれど、クロードは、オレに説明する気がさらさらなかった。

「ヒサツグは、私の嫁。他の誰かに、ヒサツグが見つかる前に、私が捕まえて、私のものにした。」
とクロード。

「そんな説明をされたら、逃げるな。」

「逃さない。」
とクロード。

クロードは、嬉しそうにオレの頭から顔から撫で回し始めた。

「クロード。王都の公爵家の屋敷のし掛けは、オレが逃げ出したときのため?」

オレは、クロードに、恐る恐る確認してみる。

「私のヒサツグは、賢いところも魅力。」
とクロード。

うん。

クロードが、オレに説明していたら、オレは、クロードから逃げることしか、考えなかったなー。

クロードを好きになって、オレの覚悟が決まったから、クロードから理由を聞いても、ツッコミで済んでいるんだ。

女神様が、最初から、オレとクロードは、ひんやりした関係じゃない、と言っていたなー。

なるほど納得。


クロードは、オレのナデナデとは、違う撫で方をしてくる。

クロード、オレの太ももに手を置いたら、クロードの手の大きさや体温を、オレが意識しちゃうだろう!

ドキドキで、落ち着かない。

早く、目的地についてくれよ、頼む。


そわそわするオレを落ち着かせると言って、柔らかく撫でてくるクロード。

オレは、余計に落ち着かなくなる。

オレ、年上の余裕がない。

クロードに転がされていないかな?

昨日の話では、オレの中に挿れて出したい、と、はっきり話していたクロード。

オレ、抱きたい、抱かれたい、まで、突き詰めて考えていなかったな。

大人の付き合いには、体もほしい。

オレも、クロードに、もう一歩近くまで寄りたい。

たださ、抱かれる、という発想が、オレになかったから。

クロード、もう少しだけ、時間をくれ。
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