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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
99.公爵とオレ。オープンカーでお手振り。お互いについて、知りたい。『公爵の名前と年齢は?』『え?』『名乗った記憶は、あるのか?』
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公爵とオレは、オープンカーでお手振りしながら、帰った。
「公爵、オレは、公爵のことを知らない。もっとたくさん知りたい。この世で、一番公爵について、詳しくなりたい。
それから、オレのこともたくさん知ってほしい。
オレの考えも、希望も、得意、不得意も、来し方も。」
オレは、オープンカーの中で、公爵側の手を公爵と繋いでいる。
毎日、ナデナデも抱擁もした仲なのに、手を繋ぐだけで、ドキドキする。
掌の方が、抱擁よりも、くっついている面積が少ないのに。
オープンカーで、お手振りにして良かった。
密室で二人、なんていうシチュエーションになったら、あらぬことを口走りそう。
「公爵の誠意が、神子様に届いて良かったな。」
「私のヒサツグは、可愛い。」
と公爵。
「今は、誤魔化さないで、吐き出したらいい。
喧騒が消してくれる。
公爵は、元神子の魔王に気持ちを持っていかれたんだろう?
神子様に気持ちがなかったわけじゃないだろうけど、決定的に違っていたんだよな?」
オレの優しい夫は、自分を殺す代わりに、不幸な神子の連鎖を止めるように、と言った気高い魂の女性に惚れたんだ。
敵同士なのに。
出会ったら最後なのに。
両親の仇でもあったのに。
魔王になった、元神子の女性も、公爵を憎からず思ったんだと思う。
公爵、苦しかったよな。
思いを共有できる人は、自分自身の手で、葬って、二度と会えない。
「私のヒサツグは、本当に。」
と公爵。
「オレは、公爵の夫、旦那様だからなー。公爵?」
公爵は、微妙そうな顔。
なぜ?ありがとう!では?
「私のヒサツグは、私の妻で、嫁。」
と公爵。
「オレの方が、絶対に年上。頼りがいのある旦那様は、オレだろ?」
「ヒサツグは、一生懸命、私の幸せを追求してくれる可愛い奥様。」
と公爵。
オレ達は、お手振りを終了した。
「公爵、オレ達には、話し合いが必要だと常々思っていた。」
「私のヒサツグから。」
と公爵。
「公爵の名前と年を教えろ。」
「私の?」
と公爵。
「めちゃくちゃ驚いているけどなー?
公爵は、オレに名前を名乗ったこともなければ、誰かに紹介させたこともないんだぞ?
年齢もな。
婚姻届出すときも、オレは、公爵の名前を見ていないぞ。」
公爵は、めちゃくちゃ驚いていた。
そういえば、と思い出したらしい。
「クロード・ケレメイン。24歳。」
と公爵。
「オレの方が年上だなー。オレが旦那様だなー。」
「ヒサツグ。無理は良くない。」
と公爵。
「クロードを甘やかしたり、可愛がったり、守ったりするのは、オレなんだから、オレが旦那様だろう?」
「ヒサツグ。私は、ヒサツグに包まれたい。」
と公爵。
「着いたら、ぎゅうぎゅうしようなー?甘えん坊なクロード。」
「ぎゅうぎゅうも大事だが、私が包まれたいのは、私の分身の話だ。」
と公爵。
「分身?」
分身の術?忍者のかな?
「私の分身をヒサツグの中で温めてほしい。」
と公爵。
「オレの中で。」
温めるもの、なのか?
公爵の手が、オレの腹を愛おしそうにさすってきた。
「この中に、私の分身を余すところ無く、おさめてほしい。」
「公爵、オレは、公爵のことを知らない。もっとたくさん知りたい。この世で、一番公爵について、詳しくなりたい。
それから、オレのこともたくさん知ってほしい。
オレの考えも、希望も、得意、不得意も、来し方も。」
オレは、オープンカーの中で、公爵側の手を公爵と繋いでいる。
毎日、ナデナデも抱擁もした仲なのに、手を繋ぐだけで、ドキドキする。
掌の方が、抱擁よりも、くっついている面積が少ないのに。
オープンカーで、お手振りにして良かった。
密室で二人、なんていうシチュエーションになったら、あらぬことを口走りそう。
「公爵の誠意が、神子様に届いて良かったな。」
「私のヒサツグは、可愛い。」
と公爵。
「今は、誤魔化さないで、吐き出したらいい。
喧騒が消してくれる。
公爵は、元神子の魔王に気持ちを持っていかれたんだろう?
神子様に気持ちがなかったわけじゃないだろうけど、決定的に違っていたんだよな?」
オレの優しい夫は、自分を殺す代わりに、不幸な神子の連鎖を止めるように、と言った気高い魂の女性に惚れたんだ。
敵同士なのに。
出会ったら最後なのに。
両親の仇でもあったのに。
魔王になった、元神子の女性も、公爵を憎からず思ったんだと思う。
公爵、苦しかったよな。
思いを共有できる人は、自分自身の手で、葬って、二度と会えない。
「私のヒサツグは、本当に。」
と公爵。
「オレは、公爵の夫、旦那様だからなー。公爵?」
公爵は、微妙そうな顔。
なぜ?ありがとう!では?
「私のヒサツグは、私の妻で、嫁。」
と公爵。
「オレの方が、絶対に年上。頼りがいのある旦那様は、オレだろ?」
「ヒサツグは、一生懸命、私の幸せを追求してくれる可愛い奥様。」
と公爵。
オレ達は、お手振りを終了した。
「公爵、オレ達には、話し合いが必要だと常々思っていた。」
「私のヒサツグから。」
と公爵。
「公爵の名前と年を教えろ。」
「私の?」
と公爵。
「めちゃくちゃ驚いているけどなー?
公爵は、オレに名前を名乗ったこともなければ、誰かに紹介させたこともないんだぞ?
年齢もな。
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公爵は、めちゃくちゃ驚いていた。
そういえば、と思い出したらしい。
「クロード・ケレメイン。24歳。」
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「オレの方が年上だなー。オレが旦那様だなー。」
「ヒサツグ。無理は良くない。」
と公爵。
「クロードを甘やかしたり、可愛がったり、守ったりするのは、オレなんだから、オレが旦那様だろう?」
「ヒサツグ。私は、ヒサツグに包まれたい。」
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「着いたら、ぎゅうぎゅうしようなー?甘えん坊なクロード。」
「ぎゅうぎゅうも大事だが、私が包まれたいのは、私の分身の話だ。」
と公爵。
「分身?」
分身の術?忍者のかな?
「私の分身をヒサツグの中で温めてほしい。」
と公爵。
「オレの中で。」
温めるもの、なのか?
公爵の手が、オレの腹を愛おしそうにさすってきた。
「この中に、私の分身を余すところ無く、おさめてほしい。」
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