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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
96.宝飾品店での勝負は、オレの勝ちでいいですよね?
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神子様は、指輪を一つ指さした。
すかさず、店主がオレにアシスト。
店主、分かっているなー。
財布を握っているのが、誰か、理解したんだな?
決断が早くて、オレは、嬉しい。
商売は、商機をみるのも大事だよな。
「ちょっと!そっちに渡さないで。公爵に渡して!」
と神子様。
オレは、とても気遣いのできる公爵の伴侶。
「神子様。今日は、見るだけにしますか?」
オレに向ける神子様の形相が、外に出してはいけないものになった。
公爵には見えない角度なんだろうなー。
店主のこめかみが、ぴくぴくしている。
「本日の予定は、全て中止にする代わりに、日を改めて、本日と同じコースをオレと二人きりでまわりましょう。
公爵は、公務がありますので、本日以外は、困難ですから。
オレは、誠心誠意、公爵の伴侶として、神子様がオレと二人きりでお楽しみいただけるように、取り計らいます。」
神子様は、公爵の手前、声を出さず、口パクでオレを罵っている。
はっはっはっ。
聞ーこーえーなーい。
口の動きで、神子様の罵詈雑言は、読み取れる。
読み取れるが、オレは、にこにこしながら、聞いて差し上げよう。
「神子様。お口をぱくぱくされていらっしゃいますが、いかがなさいましたか?
申し訳ありませんが、ご要望を聞き取れませんでした。
こちらの店主は、この道のプロ、こちらの宝飾品店は、公爵領内屈指の名店と評判です。
神子様の御希望は、はっきりとおっしゃっていただけたほうが、オレも、夫の公爵も動きようがございます。
どうぞ、ご遠慮なく。」
公爵領が活性化するきっかけに繋がるからなー。
神子様の経済効果が楽しみだなー。
オレは、公爵の伴侶として神子様の接待に勤しんでいる。
神子様は、作戦を変えた。
「公爵。ぼく、選べないかも。公爵は、どれがぼくに似合うと思う?
ぼく、公爵に選んでほしいなあ。
公爵がぼくを思って選んでくれた指輪をつけたいよ。」
神子様は、公爵にしなだれかかりながら、公爵に強請っている。
演技派俳優顔負けだな、オイ。
公爵が、何かを口走る前に。
「公爵のセンスで、神子様にお見立てすると、どれになる?一つ選ぶとしたら。」
オレは、にこにこと、夫の公爵をたてる。
公爵は、オレと神子様の沈黙のバトルに気づかない。
店員が、一つ、一つ、これですか?こちらはいかがですか?と見せてくる指輪を確認していく公爵。
店員が、最後から二つ目を持ち上げたときに、公爵は頷いた。
「それだ。
神子様の繊細な指に映えながら、馴染む。」
と公爵。
「嬉しい。ぼく、公爵の選んでくれたこれにする。ねえ、公爵が決めたんだから、公爵が、ぼくの指にはめてくれる?」
と神子様。
神子様は、公爵に手を差し出した。
公爵が、店員から指輪を受け取ろうとする。
「店主。神子様がお選びになった指輪と同じものを至急、二個追加しなさい。
サイズは、オレと公爵とで、一つずつ。
神子様と公爵家の有効の証として、オレと公爵は、神子様とお揃いの指輪を持つことにする。
二本追加が、完了したら、四つ目以降の製作に取り掛かっても構わない。
見本として、一つ、見えるように展示するのも良いかな。」
神子様は、勢いよく振り向いた。
「あなた、どういうつもり?
ぼくは、あなたとお揃いなんて、嫌なんだけど!」
と神子様。
「神子様。お揃いは、オレとだけではございません。
公爵の選んだ指輪が、神子様のお手元を飾るのに合わせて、神子様がおつけになるものと同じデザインの指輪を一般販売いたします。
公爵領は、神子様に憧れを抱く層に、神子様と同モデルの指輪という、非日常を日常に落とし込めるアイデアを提供するのです。」
神子様人気が、どのくらいか、オレは分からない。
好評なら、第二弾も。
公爵家は、神子様を、公爵領の広告塔として接しているというイメージを刷り込むことが大事。
公爵が、神子様に買う指輪を伴侶に隠れて、神子様と見に来ていた、という図式は根付かせない。
公爵家が、広告塔の神子様を接待しているように見せるのだ。
公爵が、オレに反対しなかったため、オレの案は採用。
詳細は、担当を決めて調整することにした。
神子様VSオレ。
一回戦。
宝飾品店、指輪の部。
オレの勝ち。
神子様に、公爵から、指輪のプレゼントなんて、させないぞー。
すかさず、店主がオレにアシスト。
店主、分かっているなー。
財布を握っているのが、誰か、理解したんだな?
決断が早くて、オレは、嬉しい。
商売は、商機をみるのも大事だよな。
「ちょっと!そっちに渡さないで。公爵に渡して!」
と神子様。
オレは、とても気遣いのできる公爵の伴侶。
「神子様。今日は、見るだけにしますか?」
オレに向ける神子様の形相が、外に出してはいけないものになった。
公爵には見えない角度なんだろうなー。
店主のこめかみが、ぴくぴくしている。
「本日の予定は、全て中止にする代わりに、日を改めて、本日と同じコースをオレと二人きりでまわりましょう。
公爵は、公務がありますので、本日以外は、困難ですから。
オレは、誠心誠意、公爵の伴侶として、神子様がオレと二人きりでお楽しみいただけるように、取り計らいます。」
神子様は、公爵の手前、声を出さず、口パクでオレを罵っている。
はっはっはっ。
聞ーこーえーなーい。
口の動きで、神子様の罵詈雑言は、読み取れる。
読み取れるが、オレは、にこにこしながら、聞いて差し上げよう。
「神子様。お口をぱくぱくされていらっしゃいますが、いかがなさいましたか?
申し訳ありませんが、ご要望を聞き取れませんでした。
こちらの店主は、この道のプロ、こちらの宝飾品店は、公爵領内屈指の名店と評判です。
神子様の御希望は、はっきりとおっしゃっていただけたほうが、オレも、夫の公爵も動きようがございます。
どうぞ、ご遠慮なく。」
公爵領が活性化するきっかけに繋がるからなー。
神子様の経済効果が楽しみだなー。
オレは、公爵の伴侶として神子様の接待に勤しんでいる。
神子様は、作戦を変えた。
「公爵。ぼく、選べないかも。公爵は、どれがぼくに似合うと思う?
ぼく、公爵に選んでほしいなあ。
公爵がぼくを思って選んでくれた指輪をつけたいよ。」
神子様は、公爵にしなだれかかりながら、公爵に強請っている。
演技派俳優顔負けだな、オイ。
公爵が、何かを口走る前に。
「公爵のセンスで、神子様にお見立てすると、どれになる?一つ選ぶとしたら。」
オレは、にこにこと、夫の公爵をたてる。
公爵は、オレと神子様の沈黙のバトルに気づかない。
店員が、一つ、一つ、これですか?こちらはいかがですか?と見せてくる指輪を確認していく公爵。
店員が、最後から二つ目を持ち上げたときに、公爵は頷いた。
「それだ。
神子様の繊細な指に映えながら、馴染む。」
と公爵。
「嬉しい。ぼく、公爵の選んでくれたこれにする。ねえ、公爵が決めたんだから、公爵が、ぼくの指にはめてくれる?」
と神子様。
神子様は、公爵に手を差し出した。
公爵が、店員から指輪を受け取ろうとする。
「店主。神子様がお選びになった指輪と同じものを至急、二個追加しなさい。
サイズは、オレと公爵とで、一つずつ。
神子様と公爵家の有効の証として、オレと公爵は、神子様とお揃いの指輪を持つことにする。
二本追加が、完了したら、四つ目以降の製作に取り掛かっても構わない。
見本として、一つ、見えるように展示するのも良いかな。」
神子様は、勢いよく振り向いた。
「あなた、どういうつもり?
ぼくは、あなたとお揃いなんて、嫌なんだけど!」
と神子様。
「神子様。お揃いは、オレとだけではございません。
公爵の選んだ指輪が、神子様のお手元を飾るのに合わせて、神子様がおつけになるものと同じデザインの指輪を一般販売いたします。
公爵領は、神子様に憧れを抱く層に、神子様と同モデルの指輪という、非日常を日常に落とし込めるアイデアを提供するのです。」
神子様人気が、どのくらいか、オレは分からない。
好評なら、第二弾も。
公爵家は、神子様を、公爵領の広告塔として接しているというイメージを刷り込むことが大事。
公爵が、神子様に買う指輪を伴侶に隠れて、神子様と見に来ていた、という図式は根付かせない。
公爵家が、広告塔の神子様を接待しているように見せるのだ。
公爵が、オレに反対しなかったため、オレの案は採用。
詳細は、担当を決めて調整することにした。
神子様VSオレ。
一回戦。
宝飾品店、指輪の部。
オレの勝ち。
神子様に、公爵から、指輪のプレゼントなんて、させないぞー。
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