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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

93.神子様が、公爵とどうにかなる前に、オレが公爵を捕まえます!

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「浮気がダメなら、本気にさせるから、別に。」
と神子様。

なんちゅうことを言い出すんだ、神子様は!

「公爵は、オレの夫。神子様の夫にはさせない。」

「公爵は、ぼくの夫には、ならない。
あなたのせいで。

初めて会ったときのお疲れ公爵も良かったけど、今の精力的な公爵もいいよね。

絶対、いい気分が味わえる。

ぼく、とんじゃうよ。

ぼくが元の世界に帰るまで、公爵を借りてあげる。

ぼくが帰ったら、二人で、お子ちゃまな家族ごっこを楽しめば?

公爵は、ぼくが色々試した後で、返してあげる。」
と神子様。

ぬおー。

神子様とオレじゃ話し合いにならない。

神子様より先に、公爵を捕まえるぞ!

公爵が、神子様に捕まらないように。

「失礼する!」

オレは、神子様をおいて、部屋から飛び出した。

オレの部屋の周りにはいなかった。

どこだ、オレの夫は、どこにいる?

「公爵、公爵、どこにいる?
オレが会いたがっている!
出禁は、終わったから!
今すぐ、オレに会いにこい!」

歩き回っても、公爵は、見当たらない。

オレは、焦り始めた。

神子様を部屋においてきたけれど、神子様の方が先に公爵を見つけたら?

いーやーだー!

オレ、神子様を嫌いな理由が分かったなー。

オレの公爵にべたべたしてきて、オレの公爵を平気で盗ろうとしてくるからだ!

公爵も、神子様に拒否しないから、余計に、オレは、どうしようもなくなって。

オレは、不安になったんだ。

公爵は、オレに構わないのに、神子様の言いなりになっているから。

当時のオレも、公爵のことをどうこう言えないくらいに、公爵のことを見ていなかったのに。

恥ずかしい。

反省しよう。

いち、に。

よし、反省した。

今のオレは、捕まっていない。

女神様の力の影響か、寝こんでいたはずの体が軽い。

今日は、待たないぞ。

公爵が来ないなら、オレが探しにいく。

オレは、公爵、公爵と呼びながら、建物内を移動する。

なかなか、見つからない。

どこかで、会ってもいいのに。

建物内にいると思っていたけど、出かけた?

建物内の使用人が少ないのは、お見送りの時間だから?

お見送りの時間なら、まだ、公爵は、出かけていない。

運動神経が残念なオレが、階段を飛び下りて、無事に着地出来た。

足が、ぐにってならないって、最高。

公爵は、玄関ホールにいた。

姿を見つけたんだ、逃がすか!

「公爵。会いに来た。オレのオレの夫。」

オレは、使用人のお見送りの列の後ろから、叫んだ。

公爵が、オレの方を見る。

「ヒサツグ!」
公爵の声。

オレの名前を呼ぶ公爵の声が聞きたかった。

オレが余韻に浸る前に。

「何?何をしにきたの。」
と神子様の声がした。

不機嫌全開の神子様は、公爵と腕を組んでいる。

オイ!
その腕は、オレのだぞ。
返せ!

「神子様、公爵は、オレの夫だ!神子様には貸さない!」

「ぼくは、あなたじゃなくて、公爵に聞くよ。
公爵、ぼくとデートに行くよね?」
と神子様。

はあああ?

ふーざーけーるーなー!

オレ、公爵とデートなんて、したことがないぞ!

「公爵とのデートは、オレが行く!
神子様、公爵とのお出かけも何もかも、オレの目が黒い内は、公爵と二人きりになれると思うなよ!」
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