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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
89.公爵に会いたいけど、会う勇気が出ません。『神子様に会いたい。』神子様は、オレと同じ異邦人なんです。たった二人だけ。正反対の立場ですが。
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最近、オレは、ほぼ寝たきりになっている。
起き上がる気力もない。
起き上がりたくもない。
ずっとベッドで寝ていたい。
朝も昼も夜も。
こちらに来てから、張り詰めていた何かが、ぷつんと切れた。
話すのも億劫。
食べるのも、疲れる。
トイレは、漏らしたくないから行くけど。
公爵は、来るなと言っても、何回も部屋に入ってこようとした。
今のオレは、体を動かさないから、肉体が疲れない。うつらうつらしていても、物音を聞いたら、目を覚ましてしまう。
「目が覚めるから、公爵は、入ってくるな。」
オレの部屋は、公爵を出禁にした。
オレは、日の出も日の入りも無視して、寝室にいる。
食事をとるのも億劫で、飲み物を飲んで、消化の良いおかゆのようなものをスプーンですくって、口に運んでもらうようにしている。
希望は、人の活力なんだ。
オレは、生きていく芯となる部分を、永遠に失った。
公爵は、しょっちゅう、オレの部屋の前をうろうろしている。
公爵に気にかけられるのが、嬉しくて、得意な気分になる。
いつも、公爵は、オレの腰に腕を巻き付けてくるから、オレの腰に公爵の腕があるのは、すっかり当たり前になっていた。
寂しいなー。
公爵と過ごした時間が、オレの中では大きくなっていたんだ。
会いたいな。
公爵は、いつもオレの側にいるものだと思うようになっていたんだ、オレ。
「気配がうるさい。」
公爵の様子を想像したら、心配かけているのに、なぜか、くすぐったい気持ちになる。
心配されているんだ、と思ったら、嬉しくて、気持ちが浮上する。
公爵に会いたい気持ちもある。
けれど、顔を見たら、罵らないでいられる自信がない。
公爵を傷つけたくない。
公爵は、十分傷ついてきたんだから。
他の誰でもなく、家族の、伴侶の、保護者のオレは、公爵を傷つけたらダメだっ。
公爵を出禁にした日から。
オレは、公爵とは会っていない。
でも、このままでいいわけがない。
いつまでも、このままではいられない。
オレは、寝たきりだけど、周囲の会話には敏感だ。
公爵領は、神子様がお忍びと言いながら、歩き回っている。
神子様の存在が、公爵領に国王陛下が来るのをおさえている。
公爵は、公爵領の統治に身を入れ始めた。
公爵が、頑張っている。
オレの言葉は、きっかけ。
公爵は、自分で考えて動き始めた。
もう出会ったばかりの笑顔を忘れた公爵じゃない。
誰かの悪意に振り回されてきた公爵じゃない。
今の公爵は、覚悟のある公爵領の統治者だ。
公爵のことを思うと、オレはいつも涙が出る。
公爵を遠ざけたのは、オレなのに。
漏れ聞こえる公爵の話を集めてしまう。
出会ったときは、考える力を失っていたのに、今の公爵は、公爵領の文官や武官に、自分から聞いたり、相談したり出来るようになったって聞いたらさ。
公爵は、オレがいなくて、困っていないかな?
働き過ぎて、疲れていないかな?
オレの頭の中は、公爵のことばかり考えてしまう。
オレがいなくて、寂しさに枕を濡らしていないかな。
そんな後ろめたい期待もしてしまう。
オレは、自分の感情が、安定しなくて苦しい。
公爵に会いたい、会いたい。
オレの感情が公爵を呼びたがっている。
でも、会えない。
止めておけ、と理性が止める。
会うのが怖い。
公爵と会った途端、理性をなくしてしまったら?
荒れ狂う感情のままに、公爵を傷つけない自信が、オレにはない。
現状打破には、どこかで吐き出さないと。
オレの中で渦巻く嵐を抱え込んだまま、公爵とは会えない。
オレの感情だ。
オレが、自分で、けじめをつけないと、オレはいつまでも、立ちすくんだまま。
公爵と結婚していなかったら?
最初は、そればかり考えて、恨んだけれど。
オレの中で、公爵といることが日常になっていて。
公爵と結婚していなかったら?と考えてみても。
公爵のいない暮らしなんて、思いつかないくらいに、オレの中は、公爵がいっぱいになっている。
なんだよ、もう。
こんなの。
こんなの。
絶対、アレじゃん。
好きじゃん。
オレ、公爵のことを好きになっているじゃん。
オレ、これから、どうするんだよ?
「神子様に相談したい。神子様を呼んでくれ。」
オレは、声を出した。
オレの声は、弱々しかった。
声帯も使ってないと、衰えるのかな?
オレは、神子様を呼んでもらった。
オレの気持ちを吐き出して、相談できる相手。
そう考えたら、全然好きになれない神子様しか思いつかなかったんだなー。
我ながら、びっくりだ。
神子様は、オレと同じ異邦人。
こちらで、たった二人の余所者。
立場は、正反対だけど。
神子様は、オレの味方になってはくれなくても、オレの感情に理解を示してくれる。
多分。
そんな気がする。
起き上がる気力もない。
起き上がりたくもない。
ずっとベッドで寝ていたい。
朝も昼も夜も。
こちらに来てから、張り詰めていた何かが、ぷつんと切れた。
話すのも億劫。
食べるのも、疲れる。
トイレは、漏らしたくないから行くけど。
公爵は、来るなと言っても、何回も部屋に入ってこようとした。
今のオレは、体を動かさないから、肉体が疲れない。うつらうつらしていても、物音を聞いたら、目を覚ましてしまう。
「目が覚めるから、公爵は、入ってくるな。」
オレの部屋は、公爵を出禁にした。
オレは、日の出も日の入りも無視して、寝室にいる。
食事をとるのも億劫で、飲み物を飲んで、消化の良いおかゆのようなものをスプーンですくって、口に運んでもらうようにしている。
希望は、人の活力なんだ。
オレは、生きていく芯となる部分を、永遠に失った。
公爵は、しょっちゅう、オレの部屋の前をうろうろしている。
公爵に気にかけられるのが、嬉しくて、得意な気分になる。
いつも、公爵は、オレの腰に腕を巻き付けてくるから、オレの腰に公爵の腕があるのは、すっかり当たり前になっていた。
寂しいなー。
公爵と過ごした時間が、オレの中では大きくなっていたんだ。
会いたいな。
公爵は、いつもオレの側にいるものだと思うようになっていたんだ、オレ。
「気配がうるさい。」
公爵の様子を想像したら、心配かけているのに、なぜか、くすぐったい気持ちになる。
心配されているんだ、と思ったら、嬉しくて、気持ちが浮上する。
公爵に会いたい気持ちもある。
けれど、顔を見たら、罵らないでいられる自信がない。
公爵を傷つけたくない。
公爵は、十分傷ついてきたんだから。
他の誰でもなく、家族の、伴侶の、保護者のオレは、公爵を傷つけたらダメだっ。
公爵を出禁にした日から。
オレは、公爵とは会っていない。
でも、このままでいいわけがない。
いつまでも、このままではいられない。
オレは、寝たきりだけど、周囲の会話には敏感だ。
公爵領は、神子様がお忍びと言いながら、歩き回っている。
神子様の存在が、公爵領に国王陛下が来るのをおさえている。
公爵は、公爵領の統治に身を入れ始めた。
公爵が、頑張っている。
オレの言葉は、きっかけ。
公爵は、自分で考えて動き始めた。
もう出会ったばかりの笑顔を忘れた公爵じゃない。
誰かの悪意に振り回されてきた公爵じゃない。
今の公爵は、覚悟のある公爵領の統治者だ。
公爵のことを思うと、オレはいつも涙が出る。
公爵を遠ざけたのは、オレなのに。
漏れ聞こえる公爵の話を集めてしまう。
出会ったときは、考える力を失っていたのに、今の公爵は、公爵領の文官や武官に、自分から聞いたり、相談したり出来るようになったって聞いたらさ。
公爵は、オレがいなくて、困っていないかな?
働き過ぎて、疲れていないかな?
オレの頭の中は、公爵のことばかり考えてしまう。
オレがいなくて、寂しさに枕を濡らしていないかな。
そんな後ろめたい期待もしてしまう。
オレは、自分の感情が、安定しなくて苦しい。
公爵に会いたい、会いたい。
オレの感情が公爵を呼びたがっている。
でも、会えない。
止めておけ、と理性が止める。
会うのが怖い。
公爵と会った途端、理性をなくしてしまったら?
荒れ狂う感情のままに、公爵を傷つけない自信が、オレにはない。
現状打破には、どこかで吐き出さないと。
オレの中で渦巻く嵐を抱え込んだまま、公爵とは会えない。
オレの感情だ。
オレが、自分で、けじめをつけないと、オレはいつまでも、立ちすくんだまま。
公爵と結婚していなかったら?
最初は、そればかり考えて、恨んだけれど。
オレの中で、公爵といることが日常になっていて。
公爵と結婚していなかったら?と考えてみても。
公爵のいない暮らしなんて、思いつかないくらいに、オレの中は、公爵がいっぱいになっている。
なんだよ、もう。
こんなの。
こんなの。
絶対、アレじゃん。
好きじゃん。
オレ、公爵のことを好きになっているじゃん。
オレ、これから、どうするんだよ?
「神子様に相談したい。神子様を呼んでくれ。」
オレは、声を出した。
オレの声は、弱々しかった。
声帯も使ってないと、衰えるのかな?
オレは、神子様を呼んでもらった。
オレの気持ちを吐き出して、相談できる相手。
そう考えたら、全然好きになれない神子様しか思いつかなかったんだなー。
我ながら、びっくりだ。
神子様は、オレと同じ異邦人。
こちらで、たった二人の余所者。
立場は、正反対だけど。
神子様は、オレの味方になってはくれなくても、オレの感情に理解を示してくれる。
多分。
そんな気がする。
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