87 / 667
第5章 いつになったら、日本に帰れますか?
87.『公爵を幸せにしたら、日本に帰れますか?』女神様は、英雄の幸せが喜ばしい。『そなたは、妾の民ぞ。』オレ、涙が止まりません。
しおりを挟む
「英雄は、そなたに真実の愛を捧げて結婚しておる。」
「オレと公爵は、結婚が先でした。順番は関係ないんですか?」
順番が、逆なら、ダメになるよなー?
ダメと言ってくれ!
「妾は、英雄の幸せが喜ばしい。」
と女神様。
英雄?
ああ、公爵のことか。
公爵、女神様に愛されていて、良かったなー。
オレは、公爵に心の中で、語りかけていた。
「そなたに祝福を授ける。」
いや、だから、公爵の幸せを望んで、オレに祝福を与える流れに?
ひょっとして?
「オレが、女神様の祝福を授かるのは、公爵が、オレに真実の愛を捧げて結婚しているから、ですか?
オレに女神様の祝福があることで、公爵は幸せになるんですか?」
「ふむ。」
「オレが日本に帰った後に公爵と結婚する人が、女神様の祝福を授かるのは、公爵の幸せに効果がありませんか?」
「そなた。帰る、帰ると話しておるが、そなたはどこに帰ろうとしておる?」
と女神様。
「元の世界のオレが暮らしていた国に、です。」
「そなたは、妾の民であろうに。」
と女神様。
「オレは、生まれも育ちも日本です。
いつの間にか、こちらにおりましたが。
女神様。オレがこちらにいることは、女神様に関係しますか?」
「ふむ。」
「オレは、こちらに来る前に、女神様とお会いした記憶はありません。
女神様は、何かをオレに期待されていますか?
神子様は、こちらに来る前に、女神様と会っていますよね?」
「ふむ。英雄の幸せをな。」
と女神様。
「オレが、日本に帰る条件は、公爵の幸せ、ですか?」
それを達成したら、オレは、日本に帰れる?
公爵を幸せにするのは、オレも願ったりかなったり。
公爵を幸せにすることが条件なら、やる気アップ!
「公爵を幸せ判定する条件は、なんですか?」
曖昧さ回避で、聞いておかないと。
「妾の民は、妾の世界から出ていかぬ。」
と女神様。
「そうですか。」
なんだろうな?
「そなたは、妾の民。」
と女神様。
「オレは、こちらの生まれではありません。」
「そなたは、英雄と結婚して、妾の民となった。」
と女神様。
え?結婚?
異世界人でも、結婚したら、女神様の民になる?
女神様の民は、世界を越えて、行き来しない、と女神様がさっき話をしていた。
だとすれば。
公爵と結婚した時点で、オレは、女神様の民。
オレと日本との縁は切れていることになる。
オレが日本に帰る日は、二度とこない。
知ってしまった事実は、オレには衝撃的過ぎた。
だって、オレが結婚してから、半年。
オレは、日本に帰りたいという目的を胸に、一心不乱に生きてきた。
それが全部、オレの空回りだったんだ?
オレの両目から、涙が溢れてきた。
涙は、次々に溢れてきて、オレの頬と寝間着を濡らしていく。
オレは、ただ突っ立ったまま、静かに涙を流している。
泣くことでしか、今は、もう。
女神様が目の前にいるにも関わらず、オレは、女神様と会話する気力を完全に失った。
女神様は、話さなくなったオレの心臓の上らへんに手を置く。
「そなたに祝福を授ける。」
「オレと公爵は、結婚が先でした。順番は関係ないんですか?」
順番が、逆なら、ダメになるよなー?
ダメと言ってくれ!
「妾は、英雄の幸せが喜ばしい。」
と女神様。
英雄?
ああ、公爵のことか。
公爵、女神様に愛されていて、良かったなー。
オレは、公爵に心の中で、語りかけていた。
「そなたに祝福を授ける。」
いや、だから、公爵の幸せを望んで、オレに祝福を与える流れに?
ひょっとして?
「オレが、女神様の祝福を授かるのは、公爵が、オレに真実の愛を捧げて結婚しているから、ですか?
オレに女神様の祝福があることで、公爵は幸せになるんですか?」
「ふむ。」
「オレが日本に帰った後に公爵と結婚する人が、女神様の祝福を授かるのは、公爵の幸せに効果がありませんか?」
「そなた。帰る、帰ると話しておるが、そなたはどこに帰ろうとしておる?」
と女神様。
「元の世界のオレが暮らしていた国に、です。」
「そなたは、妾の民であろうに。」
と女神様。
「オレは、生まれも育ちも日本です。
いつの間にか、こちらにおりましたが。
女神様。オレがこちらにいることは、女神様に関係しますか?」
「ふむ。」
「オレは、こちらに来る前に、女神様とお会いした記憶はありません。
女神様は、何かをオレに期待されていますか?
神子様は、こちらに来る前に、女神様と会っていますよね?」
「ふむ。英雄の幸せをな。」
と女神様。
「オレが、日本に帰る条件は、公爵の幸せ、ですか?」
それを達成したら、オレは、日本に帰れる?
公爵を幸せにするのは、オレも願ったりかなったり。
公爵を幸せにすることが条件なら、やる気アップ!
「公爵を幸せ判定する条件は、なんですか?」
曖昧さ回避で、聞いておかないと。
「妾の民は、妾の世界から出ていかぬ。」
と女神様。
「そうですか。」
なんだろうな?
「そなたは、妾の民。」
と女神様。
「オレは、こちらの生まれではありません。」
「そなたは、英雄と結婚して、妾の民となった。」
と女神様。
え?結婚?
異世界人でも、結婚したら、女神様の民になる?
女神様の民は、世界を越えて、行き来しない、と女神様がさっき話をしていた。
だとすれば。
公爵と結婚した時点で、オレは、女神様の民。
オレと日本との縁は切れていることになる。
オレが日本に帰る日は、二度とこない。
知ってしまった事実は、オレには衝撃的過ぎた。
だって、オレが結婚してから、半年。
オレは、日本に帰りたいという目的を胸に、一心不乱に生きてきた。
それが全部、オレの空回りだったんだ?
オレの両目から、涙が溢れてきた。
涙は、次々に溢れてきて、オレの頬と寝間着を濡らしていく。
オレは、ただ突っ立ったまま、静かに涙を流している。
泣くことでしか、今は、もう。
女神様が目の前にいるにも関わらず、オレは、女神様と会話する気力を完全に失った。
女神様は、話さなくなったオレの心臓の上らへんに手を置く。
「そなたに祝福を授ける。」
79
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

前世である母国の召喚に巻き込まれた俺
るい
BL
国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる