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第5章 いつになったら、日本に帰れますか?
86.『日本に帰る方法を再度神託して』と女神様に祈ったら、女神様に会いました。『女神様の祝福?貰っていいものなんですか、それ。』
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オレと神子様は、神子様が元の世界に帰るまでの期間、共闘すると決めた。
神子様は、言った。
『英雄が真実の愛を捧げて結婚した相手を排除するのは、神子と英雄を結婚させようとする、神子と英雄ではないこの世界の人。』
目下のところ。
オレと神子様の共通の敵は、国王陛下なので、双方の利害が一致したから、手を組むことにした。
オレは、神子様と別れてからも、神子様が元の世界に帰るという話がずっと頭の中にあった。
オレは、毎日、寝る前は、必ず考える。
『日本には、いつ帰れるかなー。早く日本に帰れますように。』
日中、活動している間に、日本に帰ることを考えていると、生活が疎かになってしまう。
夜、寝室に一人の時間は、日本に帰ることだけを考える時間にあててきた。
オレは、女神様の神託に添うよう行動していた。
男の公爵と結婚した。
新婚なのに、公爵が、家に帰らないから、ひんやりした夫婦関係も、クリアしている。
公爵が、真実の愛を捧げる人は神子様だと思っていたのに。
なぜか、公爵は、オレに真実の愛を捧げた。
神子様の話を聞いて、オレは思った。
女神様の神託は、神子様と公爵がくっつくのをサポートして、神子様と公爵がくっついたら、仲人をした功績で、オレが日本に帰れるという話だったのでは?
もしも。
オレの推測が当たっていたら。
神子様が、元の世界に帰る条件を満たした今、オレが神託の条件を達成出来ないことは、確実になった。
一向に、日本に帰れる予兆がないのは、オレが神託に則した行動をしていなかったから。
神子様が、元の世界に帰ると聞いたオレは、日本に帰るには、別の方法があるんじゃないか、と考えた。
オレは、夜、寝る前に、女神様にお願いした。
『オレが日本に帰る方法をもう一度、神託してください。』
すると。
オレの目の前に、女の人が出てきた。
「誰?」
「神託が欲しいと聞こえたわ。」
と女の人が言う。
「女神様?」
女の人は、オレと同じくらいの背丈だった。
腰まである長い髪の毛は、柔らかく波打っている。
「いかにも。」
女神様が、オレの寝室にいる!
女神様が顕現されてる!
神棚もないのに。
「お酒とかお菓子とか、いりますか?
供物として、ご用意できるものは、今、手元にはないので、後ほどでよろしければ。」
希望されても、イノシシを丸々一頭とか、夜中には無理だからなー。
「よいよい。元の世界への帰り方なら、既に知っておろう?」
と女神様。
「他の方法を教えて下さい。前に神託で教えていただいた方法で、最初は、うまくいきそうだったんですけれど、失敗しました。」
「そなた、最初から、失敗していただろうに。」
と女神様。
「へ?」
「結婚しても、そなたら夫婦は、ひんやりとした関係などではなかったろう?」
と女神様。
何をおっしゃっているんですか?
「ひんやりしていましたよ?
新婚なのに、夫は帰ってこなくて。
帰ってこないことに、夫からの連絡はないんですよ?」
「帰って来ないが、夫の愛は、そなたにあったろう?」
と女神様。
「愛?愛ですよね?どこにありました?」
公爵の愛が、オレに?
「英雄が真実の愛を捧げて結婚したのは、そなただ。祝福しにきた。」
公爵の愛が、どこにあったか、ご返答がないままです、女神様。
女神様の祝福ですか?
「女神様の祝福って、何ですか?祝福されると、オレはどうなりますか?」
神子様は、女神様と約束して、女神様の力を使い、英雄の魔王討伐に協力した。
魔王討伐した英雄との条件を満たして、結婚まで達成できれば、元の世界に帰りたくないという神子様の願いは、叶う。
でも、神子様は、女神様の出した条件を達成出来なかったから、タダ働きして、願いを叶えてもらえないまま、元の世界へ帰ることになった。
女神様の約束は、条件達成に関して、女神様の神子様への助力はなかったんじゃないかな。
女神様の約束は、神子様の行動を縛るものだったんじゃないか、という気がする。
その女神様の祝福って、オレが受け取っていいもの?
ただより高いものはないの実例、じゃないかなー?
今、厄介な条件の達成を強いられるのは、避けたい。
オレの手に余る。
「英雄と暮らすのに困ることはなくなろう。」
と女神様。
待って、待って。
英雄と暮らすって、この世界で生きるということじゃないかな?
「あの、オレは、日本に帰りますよね?
オレが日本に帰った後。
公爵が新しく伴侶を迎えたときに、日本に帰ったオレに女神様の祝福があったら、困る人は出ませんか?」
神子様は、言った。
『英雄が真実の愛を捧げて結婚した相手を排除するのは、神子と英雄を結婚させようとする、神子と英雄ではないこの世界の人。』
目下のところ。
オレと神子様の共通の敵は、国王陛下なので、双方の利害が一致したから、手を組むことにした。
オレは、神子様と別れてからも、神子様が元の世界に帰るという話がずっと頭の中にあった。
オレは、毎日、寝る前は、必ず考える。
『日本には、いつ帰れるかなー。早く日本に帰れますように。』
日中、活動している間に、日本に帰ることを考えていると、生活が疎かになってしまう。
夜、寝室に一人の時間は、日本に帰ることだけを考える時間にあててきた。
オレは、女神様の神託に添うよう行動していた。
男の公爵と結婚した。
新婚なのに、公爵が、家に帰らないから、ひんやりした夫婦関係も、クリアしている。
公爵が、真実の愛を捧げる人は神子様だと思っていたのに。
なぜか、公爵は、オレに真実の愛を捧げた。
神子様の話を聞いて、オレは思った。
女神様の神託は、神子様と公爵がくっつくのをサポートして、神子様と公爵がくっついたら、仲人をした功績で、オレが日本に帰れるという話だったのでは?
もしも。
オレの推測が当たっていたら。
神子様が、元の世界に帰る条件を満たした今、オレが神託の条件を達成出来ないことは、確実になった。
一向に、日本に帰れる予兆がないのは、オレが神託に則した行動をしていなかったから。
神子様が、元の世界に帰ると聞いたオレは、日本に帰るには、別の方法があるんじゃないか、と考えた。
オレは、夜、寝る前に、女神様にお願いした。
『オレが日本に帰る方法をもう一度、神託してください。』
すると。
オレの目の前に、女の人が出てきた。
「誰?」
「神託が欲しいと聞こえたわ。」
と女の人が言う。
「女神様?」
女の人は、オレと同じくらいの背丈だった。
腰まである長い髪の毛は、柔らかく波打っている。
「いかにも。」
女神様が、オレの寝室にいる!
女神様が顕現されてる!
神棚もないのに。
「お酒とかお菓子とか、いりますか?
供物として、ご用意できるものは、今、手元にはないので、後ほどでよろしければ。」
希望されても、イノシシを丸々一頭とか、夜中には無理だからなー。
「よいよい。元の世界への帰り方なら、既に知っておろう?」
と女神様。
「他の方法を教えて下さい。前に神託で教えていただいた方法で、最初は、うまくいきそうだったんですけれど、失敗しました。」
「そなた、最初から、失敗していただろうに。」
と女神様。
「へ?」
「結婚しても、そなたら夫婦は、ひんやりとした関係などではなかったろう?」
と女神様。
何をおっしゃっているんですか?
「ひんやりしていましたよ?
新婚なのに、夫は帰ってこなくて。
帰ってこないことに、夫からの連絡はないんですよ?」
「帰って来ないが、夫の愛は、そなたにあったろう?」
と女神様。
「愛?愛ですよね?どこにありました?」
公爵の愛が、オレに?
「英雄が真実の愛を捧げて結婚したのは、そなただ。祝福しにきた。」
公爵の愛が、どこにあったか、ご返答がないままです、女神様。
女神様の祝福ですか?
「女神様の祝福って、何ですか?祝福されると、オレはどうなりますか?」
神子様は、女神様と約束して、女神様の力を使い、英雄の魔王討伐に協力した。
魔王討伐した英雄との条件を満たして、結婚まで達成できれば、元の世界に帰りたくないという神子様の願いは、叶う。
でも、神子様は、女神様の出した条件を達成出来なかったから、タダ働きして、願いを叶えてもらえないまま、元の世界へ帰ることになった。
女神様の約束は、条件達成に関して、女神様の神子様への助力はなかったんじゃないかな。
女神様の約束は、神子様の行動を縛るものだったんじゃないか、という気がする。
その女神様の祝福って、オレが受け取っていいもの?
ただより高いものはないの実例、じゃないかなー?
今、厄介な条件の達成を強いられるのは、避けたい。
オレの手に余る。
「英雄と暮らすのに困ることはなくなろう。」
と女神様。
待って、待って。
英雄と暮らすって、この世界で生きるということじゃないかな?
「あの、オレは、日本に帰りますよね?
オレが日本に帰った後。
公爵が新しく伴侶を迎えたときに、日本に帰ったオレに女神様の祝福があったら、困る人は出ませんか?」
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