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第5章 いつになったら、日本に帰れますか?

82.神子様が、公爵領に来ました。お忍び一人旅?いいなあ。国のツートップの一人、神子様を懐柔したいと思います。

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うつらうつらしながら、お姫様抱っこされて帰ってきたオレと抱っこしていた公爵は、国王陛下からの追手がかかる前に、公爵領へ。

王都の公爵家の屋敷は、ヤグルマさんを中心に今後の体制を整える。


オレと公爵は、ひとまず、公爵領に閉じこもる。

国王陛下が、オレを邪魔だと考えていることは、はっきりした。

神子様の考えが、さっぱり分からない。

分からないが、公爵とオレが国王陛下と相容れない以上、国のツートップの片割れである神子様を懐柔したい。

神子様は、この世界の理の中にいるが、神子様自身は、この世界の理では動いていない。

という話し合いをしていたら。

神子様が、公爵領にやってきた。

恒例のアポなしで。

しかも、お忍び一人旅!

オレが一度も出来なかったお忍びで来たのだ。

公爵が、屋敷に仕掛けをしていなければ、オレだって、お忍び経験者だったのに。


神子様の用事を聞きながら、オレの質問に答えて貰おう。

オレは、一人で、神子様が滞在している建物に向かった。

公爵は、公務だ。

「神子様の用事は、何だ?オレは、オレの知らない神子様の真実を聞きたい。」

「あなたは、何者?」
と神子様。

「質問が抽象的過ぎて、何が聞きたいのか、分からん。」

「あなたは、どこの誰?」
と神子様。

「オレの名前か?
オレも神子様の名前を知らないから、聞きたい。」

「ぼくの名前を聞きたいと言った人は、初めてだよ。皆、神子様と呼ぶから。」
と神子様。

オレは、この世界の人じゃないからなー。
この世界に生きている人の常識では、神子様は、神子様以上でもなければ、以下でもない。

神子様は、神子様とお呼びするのが、この世界の常識なんだろう。

オレは、今から、この世界の常識にない話をする。

この世界の常識を取っぱらった方が、オレも神子様も話しやすくなる。

でも、その前に、神子様に確認しておきたいことがいくつかある。

オレに関する情報だ。

神子様とオレは、王城で、神子様と公爵とオレの三人で鉢合わせるまで、互いの存在を認識していなかった。

神子様とオレには、公爵と公爵の友人という共通の知人がいる。

オレは、公爵と公爵の友人の両方から、神子様について聞いたことがない。

神子様はどうなっている?

神子様が知っているオレ情報の種類や多さは、神子様の政治面の立場を示唆するものになるだろう。

「オレは、王城で、神子様に会うまで、神子様の存在を知らなかった。

誰も、オレには、神子様の存在を言わなかったんだ。

神子様は、どうだ?

神子様は、いつオレについて知った?

オレについて、誰に、なんと教えられた?」
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