《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第5章 いつになったら、日本に帰れますか?

80.国王陛下の手勢が潜んでいます。神子様に聞いてみました。神子様とは、会話が成立するでしょうか?

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公爵は、思考のお時間。

国王陛下の手勢が、建物のそこかしこに潜んでいることは、把握した。

国王陛下は、刺激しないでおく。

オレは、神子様にターゲットを絞った。

神子様に、なんと切り出すか、が、最大の難問。

オレと神子様って、言いたいことを言い合うけれど、意思疎通、出来ないんだよなー。

神子様の地雷源は、オレの存在そのもの。

オレが何を言おうと、ダメかなー?

聞いてみないよりは、いいかな。

オレは、神子様に聞いてみた。
「神子様は、どうして、公爵から真実の愛を捧げられたかったんだ?」

神子様に、めちゃくちゃ睨まれた。

呪い殺さんばかりの視線が突き刺さる。

神子様にしたら、トンビに油揚げをさらわれた後。

お怒りは、ごもっとも。

でも、オレは、オレを襲うよう命令したのが、神子様だと知っているから、怯まない。

公爵が、オレに真実の愛を捧げたのも、オレには謎。

推測するなら。

神子様に真実の愛を捧げるように強要された公爵は、神子様に、真実の愛を捧げるのが嫌で、オレに捧げたのかな?

真実の愛を捧げるのは、先着順、ということになるよな?

真実の愛、というくらいだから、先着順が正しいのか?

「オレは、神子様と違って、何にも知らない。
さっき、公爵が、オレに捧げた真実の愛というフレーズ。
神子様にとって、真実の愛を捧げられることは、何を意味したんだ?

神子様が公爵との結婚を計画した理由は何だ?

公爵と結婚することで、何が叶えられたんだ?」

「公爵と別れる?」
と神子様。

極端だなー。

公爵が、『別れる』と聞いて、敏感に反応している。

公爵は、心配症だな。

オレが日本に帰るまでは、オレが伴侶だからな?

「あのさ。オレが、公爵と別れても、神子様の順番が来るとは限らないぞ?」

オレの口からは、老婆心さながらの本音が、こぼれてしまった。

「オレと別れたら、公爵は、別の人とくっつくぞ?

神子様は、オレより早く公爵に会っていた。

オレと公爵が会うより前に、神子様と公爵が結婚する展開になっていない。

そんなのさあ。

神子様と公爵の結婚の可能性は、今後、さらに低くなる一方だろう?

オレの排除に成功していたら、神子様は余計に公爵に避けられたとは考えないのか?」

神子様は、表情をどこかに落としたのかな。

神子様は、真顔だ。

神子様の目は、オレから外れない。

「あなたが、全部ダメにした。
ぼくの何もかもを台無しにした!
ぼくは神子で、公爵は英雄なのに。」
と神子様。
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