《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
78 / 667
第5章 いつになったら、日本に帰れますか?

78.考える時間だな、公爵。公爵を意のままにしたいやつらに翻弄される時間から、抜け出してみないか?

しおりを挟む
「公爵の伴侶に不貞は働けぬ。」
と国王陛下。

「はい。国王陛下。私は、私の伴侶に狼藉を働いた者を処罰します。」
と公爵。

「認めよう。」
と国王陛下。

「そんな!陛下!神子様、お助けください。」

「命乞いなら、公爵にせよ。」
と国王陛下。

「なぜですか?私達は、国王陛下に忠誠を捧げました!公爵などに!」

「神子様!神子様もどうか。」

「公爵が、ぼくに、真実の愛を捧げなかったのは、あなた達のせいだよ。」
神子様は、冷たい。

「私達は、お望み通りに。」

「ぼくの望みは叶わなかった。国王陛下は?」
と神子様。

「無念。」
と国王陛下。

「ぼくと国王陛下に失望されたよね?諦めたら?」
と神子様。


国王陛下と神子様が、公爵と一緒にきた理由がなんとなく分かってきた。

国王陛下は、オレの不貞の証人になり、不貞の事実を承認するためにきたんだと思う。

オレは、国のツートップ、国王陛下と神子様の二人が実行犯を切り捨てる現場にいる。


だから。

オレは、公爵に働きかけた。

オレは、公爵の家族。

オレは、国王陛下と神子様の思惑に乗らない。

国王陛下と神子様の思惑が、公爵の意思に反するから。

オレが、優先するのは、公爵だ。

当たり前だなー。

「公爵。オレの話を聞け。

オレは、公爵と秘書二人と離れた後、たくさんの人に、城の外の道に押し出された。

城の中に戻ろうとしたが、門番は、門を開けず、オレは締め出された。

公爵家の屋敷に向かって歩きだしたところ、箱に詰められて誘拐された。

この部屋で、箱から出された。
誘拐犯の顔は見ていないけど、手慣れていたな。」

公爵は、オレの話を聞いて、体を震わせた後、オレを抱きしめている腕に力をこめた。

「体感時間で三時間後。
昨日付けで、オレの配下になった七人が入ってきた。仕組んだのは、別にいると公爵の分家のクズが話していた。

『オレを殺してもダメ、傷つけてもダメ。オレを可愛がるのはヨシ。オレと歓迎会をするように。』
と指示されていた、と、
公爵家の分家のクズは言った。

『クズが、公爵の伴侶を公爵より前にいただけるのは神子様のお陰。

神子様は、公爵がいい。

公爵と神子様が結婚すれば、すべてうまくいったのに、そうならなかったから、国王陛下は苦労する。』

公爵と国王陛下と神子様が来る前に、公爵家の分家のクズが話していた。


オレは、国王陛下と神子様のここでの言動が気にかかる。

国王陛下と神子様が、公爵と一緒に、ここに来た理由はなんだろうな?」

さあ、公爵。

考えろ。

今、クズの命を握っているのは、公爵だ。

考える時間はある。

事態に流されるな。

公爵を意のままにしたいやつらに翻弄されているばかりの時間は、もう終わりに出来るんじゃないか?
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)

エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。 魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。 若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。 *以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。 お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。 なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。 こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

堕とされた悪役令息

SEKISUI
BL
 転生したら恋い焦がれたあの人がいるゲームの世界だった  王子ルートのシナリオを成立させてあの人を確実手に入れる  それまであの人との関係を楽しむ主人公  

嫌われものの僕について…

相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。 だか、ある日事態は急変する 主人公が暗いです

どうも、卵から生まれた魔人です。

べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。 太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...