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第5章 いつになったら、日本に帰れますか?

63.出仕拒否しています、公爵が。公爵に、仕事に行かないのか?と聞いたら、仕事より大事なものに気づいたそうです。

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王都の公爵の屋敷に戻ってきた途端に、問題勃発。

公爵が、仕事に行かない。

出仕拒否。

公爵の秘書も、ヤグルマさんもお手上げ。

軟禁継続中のオレが、公爵に理由を聞いてみた。

「私は、仕事より大事なことに気づいたんだ。」

なんだよ、それは?

「私は、仕事に励むあまり、家庭をかえりみなさすぎた。」

それは、否定しない。

「その結果。私は、私の愛するヒサツグを不安にさせてしまった。
私は、夫としてヒサツグの不安を取り除く。」

出仕拒否の理由が、オレ?

オレの不安は、公爵が側にいても解消されないよ?

公爵が、神子様の情報をリークしてくれた方がよほど安心できる。

オレは問題ないから、仕事にいけと言っても、公爵は頑として、仕事に行こうとしない。

仕事に行くように、と言えば、言うほど、行かないと主張するようになった。

背中を押したり、発破をかけるのは、逆効果か。

オレは、公爵の変化を見ながら考えた。

公爵は、オレを出仕拒否の理由にしているが、本質的な原因は別にある。

オレのことは、一番話しやすい理由だから、使っているだけ。

公爵は、出仕したくない。

原因は何だ?

仕事の内容か、職場環境か?
人間関係か?

屋敷の中にいるだけじゃ、見当もつかない。

よし。

一人でだめなら、二人で、の法則。

今回も適用できるかなー?

オレは、公爵を誘った。
「公爵、オレと一緒に、公爵の職場に行こう。

オレと一緒に職場に行って、オレと同じ部屋で、公爵にはどんな仕事があるかを確認したら、オレと一緒に、屋敷に帰ってくるんだ。

オレは、公爵の伴侶だから、公爵の仕事を一緒に出来るよな?

公爵領では、一人より、二人の方が、仕事が早く終わっただろ?

公爵と公爵の伴侶、二人で働いたら、いいじゃないか。

公爵が、公爵家の屋敷で出来る仕事は、公爵家の屋敷で終わらせてから、結果だけ引き渡せるように、交渉してみよう。」


公爵は、オレに話しかけられたときは、小難しい顔をしていたが、オレの話を聞いているうちに、段々と表情を取り戻していった。


どんな、職場環境か、楽しみだなー。

「とりあえず、今日は、準備して、早めに寝る。

まず、準備だ。

公爵と、公爵の秘書から話を聞きたい。

屋敷で仕事をする環境があるかの確認に、ヤグルマさんも同席。

明日と明後日のスケジュールも、今、話しておく。

明日は、早朝から、仕事に行って、昼までには、屋敷でしていい仕事の許可を国王陛下からもぎとる。

午後は、オレと公爵は二人で、屋敷で仕事をする。

明後日に、二人で出来た仕事を引き渡したら、屋敷で仕事ができた、という実績を作れる。

明日、持って帰る仕事は、少しでいい。
屋敷にいて、確実に終わらせられる分だけ。

他の仕事は、実績を作ってから、交渉する。」
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