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第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。
48.公爵の浮気相手(仮)?の神子様が押しかけてきました。公爵?例によって、例の如く、帰ってきてません。神子様の相手をするのは、オレですか?
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公爵の顔を見て、
『浮気者。』
と言ってやった次の日。
公爵家の屋敷に、神子様が、押しかけてきた。
医者の妹はいなかった。
いたら、叩き出していた。
それにしても、何をしに来たんだ?
公爵不在で、オレしかいないんだけど?
え?
公爵じゃなくて、オレに会いにきた?
「会いたくないなー。」
と言ったら、神子様を断るのは、無理です、と言われてしまった。
神子様は、魔王討伐の鍵だったそうで。
神子様と公爵が力を合わせて、魔王討伐に成功したそうだ。
オレが来る前の話だから、関係ない、と切り捨てたいけど、公爵家の使用人を困らせたくない。
オレは、公爵とはうまくいっていないが、公爵家の使用人とは、良好な関係を築いている。
日本に帰るまで、このままの関係でいきたい。
はあ。
気が進まない。
オレ、浮気相手より、浮気する自分の恋人が許せないんだよ。
神子様が公爵にベタベタとくっつくのを見て、腹が立ったけれど、神子様に『泥棒猫』と言うつもりはない。
神子様からの謝罪もいらない。
謝罪されなくても、謝罪されても、腹が立つ。
謝罪されない方が、イライラがましな気がする。
押しかけてきた神子様は、オレが部屋に入ると。
オレ以外の人を全員部屋から追い出そうとした。
「護衛も執事も、オレや神子様についているのがこの人達の仕事だ。
この人達の前で出来ない話なら、オレは聞かない。
一言も話さず帰れ。」
オレが拒否すると。
「ぼくにそんな言い方をする?」
とぶりっ子してきた。
カチンと来たので、つい。
「昨日の王城。オレの前で、公爵の腕にしがみついて離れなかったの神子様と向き合っているオレは、聖人様だと思う。」
と言ってしまったオレ。
公爵が、好きとか、そういう感情じゃなくて。
オレと結婚しているだろ!
他所でいちゃこらする前にオレと向き合え!
という思いから、なんだけど。
神子様は、身を乗り出して、オレの耳に囁いた。
「公爵とぼくは、相思相愛なんだよ?
公爵とぼくが愛を育むのを邪魔しないでくれない?
公爵が真実の愛を捧げるのは、ぼくなんだから。
早く、公爵の前から消えて、公爵を解放してよ。」
と神子様。
「公爵が神子様に真実の愛を捧げる?本当に?」
それが、本当なら、オレは神子様と公爵がくっつくのを応援すれば、さっさと日本に帰れるじゃないか!
「本当に決まっている。公爵とぼくは、愛の力で、魔王討伐に成功したんだから。」
オレは、真実の愛という単語を神子様の口から聞いて、神託の話は、神子様に繋がるのか、と思った。
腹に据えかねることばかりだけど、日本に帰るという目的のためなら、目をつむってもいい。
オレは、全員の前で、宣言した。
「公爵が真実の愛を捧げる相手が、神子様なら、神子様と公爵の応援をします。」
オレの胸は、ざわざわしたけれど、神子様は大満足。
すぐに帰った。
神子様と公爵がくっつくのかー。
オレ、神子様は好きになれないなー。
神子様と公爵が並んでいる姿は、もう見たくない。
公爵との仲を応援すると、神子様には言ったけど、具体的に、何をするとも、オレは言っていない。
今のうちに。
オレは、公爵家の屋敷を出ていこう。
ヤグルマさんや他の公爵家の使用人とも仲良くなった。
アポなしで乗り込んでくる神子様に、オレが仲良くなった人との関係をかき回されたら嫌だ。
オレは、日本に帰るから、ヤグルマさんをはじめとする公爵家の使用人に、さようならを言う日は、必ずくる。
オレは、別れの日に、心からありがとうと言って、日本に帰りたい。
オレの自分勝手な気持ちだけど、これは譲れない。
それに。
神子様と公爵の関係を進展させるには、その方が早いだろう。
『浮気者。』
と言ってやった次の日。
公爵家の屋敷に、神子様が、押しかけてきた。
医者の妹はいなかった。
いたら、叩き出していた。
それにしても、何をしに来たんだ?
公爵不在で、オレしかいないんだけど?
え?
公爵じゃなくて、オレに会いにきた?
「会いたくないなー。」
と言ったら、神子様を断るのは、無理です、と言われてしまった。
神子様は、魔王討伐の鍵だったそうで。
神子様と公爵が力を合わせて、魔王討伐に成功したそうだ。
オレが来る前の話だから、関係ない、と切り捨てたいけど、公爵家の使用人を困らせたくない。
オレは、公爵とはうまくいっていないが、公爵家の使用人とは、良好な関係を築いている。
日本に帰るまで、このままの関係でいきたい。
はあ。
気が進まない。
オレ、浮気相手より、浮気する自分の恋人が許せないんだよ。
神子様が公爵にベタベタとくっつくのを見て、腹が立ったけれど、神子様に『泥棒猫』と言うつもりはない。
神子様からの謝罪もいらない。
謝罪されなくても、謝罪されても、腹が立つ。
謝罪されない方が、イライラがましな気がする。
押しかけてきた神子様は、オレが部屋に入ると。
オレ以外の人を全員部屋から追い出そうとした。
「護衛も執事も、オレや神子様についているのがこの人達の仕事だ。
この人達の前で出来ない話なら、オレは聞かない。
一言も話さず帰れ。」
オレが拒否すると。
「ぼくにそんな言い方をする?」
とぶりっ子してきた。
カチンと来たので、つい。
「昨日の王城。オレの前で、公爵の腕にしがみついて離れなかったの神子様と向き合っているオレは、聖人様だと思う。」
と言ってしまったオレ。
公爵が、好きとか、そういう感情じゃなくて。
オレと結婚しているだろ!
他所でいちゃこらする前にオレと向き合え!
という思いから、なんだけど。
神子様は、身を乗り出して、オレの耳に囁いた。
「公爵とぼくは、相思相愛なんだよ?
公爵とぼくが愛を育むのを邪魔しないでくれない?
公爵が真実の愛を捧げるのは、ぼくなんだから。
早く、公爵の前から消えて、公爵を解放してよ。」
と神子様。
「公爵が神子様に真実の愛を捧げる?本当に?」
それが、本当なら、オレは神子様と公爵がくっつくのを応援すれば、さっさと日本に帰れるじゃないか!
「本当に決まっている。公爵とぼくは、愛の力で、魔王討伐に成功したんだから。」
オレは、真実の愛という単語を神子様の口から聞いて、神託の話は、神子様に繋がるのか、と思った。
腹に据えかねることばかりだけど、日本に帰るという目的のためなら、目をつむってもいい。
オレは、全員の前で、宣言した。
「公爵が真実の愛を捧げる相手が、神子様なら、神子様と公爵の応援をします。」
オレの胸は、ざわざわしたけれど、神子様は大満足。
すぐに帰った。
神子様と公爵がくっつくのかー。
オレ、神子様は好きになれないなー。
神子様と公爵が並んでいる姿は、もう見たくない。
公爵との仲を応援すると、神子様には言ったけど、具体的に、何をするとも、オレは言っていない。
今のうちに。
オレは、公爵家の屋敷を出ていこう。
ヤグルマさんや他の公爵家の使用人とも仲良くなった。
アポなしで乗り込んでくる神子様に、オレが仲良くなった人との関係をかき回されたら嫌だ。
オレは、日本に帰るから、ヤグルマさんをはじめとする公爵家の使用人に、さようならを言う日は、必ずくる。
オレは、別れの日に、心からありがとうと言って、日本に帰りたい。
オレの自分勝手な気持ちだけど、これは譲れない。
それに。
神子様と公爵の関係を進展させるには、その方が早いだろう。
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