47 / 667
第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。
47.『この浮気者!』神子様は公爵と一緒に魔王討伐したそうです。神子様は公爵の腕に絡みついています。公爵?神子様にされるがままですよ?
しおりを挟む
医者の妹が勝ち誇ったように言った。
『私は毎日、公爵と会っているわ。あなたなんて、忘れられているわよ!』
医者の妹が言い終わる前に、妹をかかえた医者は、オレの前からいなくなった。
言い逃げか?
おい!説明していけ!
医者の妹のせいで、新婚家庭が崩壊の危機だぞ!
婚姻届を出しただけで、別居しているオレと公爵が、新婚家庭を築けているとは言い切れないけど。
あと、純粋に、オレを巻き込んだ公爵が、オレを放置しているのは、腹が立つ。
説明だけはしろよ!
遅くなってもいいから。
それにしても、医者の妹は、気になることを言っていた。
オレと公爵は、ひんやりした夫婦関係。
これは、クリアしている。
公爵が真実の愛を捧げる相手が、医者の妹なら、オレは、もう日本に帰っているんじゃないか?
つまり、医者の妹は、公爵が真実の愛を捧げる相手からは除外していい。
帰ったら、神子様が、何のことか、ヤグルマさんに聞こう。
会いたくない二人もいなくなった。
ケチがついたまま終わるのは嫌だなー。
もう少しぶらぶらしよう。
知らない人と遭遇した。
20歳くらいの男性。
大学生かなー?
雰囲気からして、社会人じゃなさそうだ。
オレは、公爵の伴侶として王城に来て、国王陛下の姉や、宰相の娘と会っているから、オーダーメイドの良い服を着ている。
知らない若者は、オレと同じくらいに、良い服を着ていた。
金持ちか良いお家の若様なんだろう。
会釈して立ち去ろうとしたら、怒られた。
「なんですか、あなた!」
29歳になって、人前で怒られることがまだ、あったんだなー。
会釈して、怒られるとは、異世界の常識は、難しい。
「観光にきただけなんで、お気になさらず。」
そのまま立ち去ろうとすると。
「この国の国民でありながら、ぼくに対してよくもそんな態度がとれるよね!」
もっと怒られた。
オレは、この国の国民か?
公爵の伴侶だから、一応は、この国の国民になるのか?
出生地で決まるなら、オレは日本国籍のままだけど。
異世界の戸籍法は、どうなっているんだろうな。
そして。
国王陛下でもないのに、
『ぼくのことを知らないなんて!』
と非難してくる若様は、どこの誰なんだ?
知らない、と、正直に言わない方が良さそう。
その時。
「神子様、神子様。どちらですか?」
と言う声が聞こえてきた。
聞き覚えがあるんだが?
物凄く久しぶりに聞くぞ。
何ヶ月ぶりに聞く声だわ。
オレは、毎日聞いていてもおかしくないはずなんだけどなー。
不思議だなー。
声の主は、神子様、と呼びかけながら、歩いている。
姿が見えた。
間違いない!
おい!公爵!
オレの夫!
紙面上のだけどな!
王城にいたのかよ!
オレが、公爵に呼びかけるより前に、目の前の男が、公爵に走り寄っていった。
男は、公爵の腕にしがみついた。
公爵は、振り払わない。
オレは、何を見せられているんだ?
浮気の現場か?
イラッとしたぞ、おい!
「公爵。聞いてくれる?凄く失礼な人がいたんだよ。」
公爵の腕にしがみついている若者の口調が、急に舌っ足らずになった。
さっきまで、ハキハキ喋っていただろう!
ぶりっ子か?
可愛くないぞ!
「神子のぼくを知らんぷりするなんて、どういう神経しているのかなあ。
ぼく、公爵と一緒に、魔王討伐を頑張ったのに。
公爵から、ちゃんと言ってよ。」
と若者。
20歳くらいの若者は、自身を神子って言ったぞ!
しかも、魔王討伐を?
公爵と一緒に頑張った、だあ?
未知の情報が多すぎる。
帰ったら、ヤグルマさんに確認しよう。
若者は、公爵に腕を絡ませながら歩いてくる。
公爵は、若者をなだめながら、若者にされるがまま。
公爵!覚えていろよ!
王城で、堂々と浮気しやがって!
「あの人!」
と若者は、オレを指差した。
失礼だな!
人を指差すんじゃない!
公爵は、若者に向けていた視線を、若者の指差す方に流した。
オレ、自分で分かるくらい、しかめっ面している自信がある。
オレは、公爵と若者が、オレを責める前に、大声で言ってやった。
「この浮気者!」
『私は毎日、公爵と会っているわ。あなたなんて、忘れられているわよ!』
医者の妹が言い終わる前に、妹をかかえた医者は、オレの前からいなくなった。
言い逃げか?
おい!説明していけ!
医者の妹のせいで、新婚家庭が崩壊の危機だぞ!
婚姻届を出しただけで、別居しているオレと公爵が、新婚家庭を築けているとは言い切れないけど。
あと、純粋に、オレを巻き込んだ公爵が、オレを放置しているのは、腹が立つ。
説明だけはしろよ!
遅くなってもいいから。
それにしても、医者の妹は、気になることを言っていた。
オレと公爵は、ひんやりした夫婦関係。
これは、クリアしている。
公爵が真実の愛を捧げる相手が、医者の妹なら、オレは、もう日本に帰っているんじゃないか?
つまり、医者の妹は、公爵が真実の愛を捧げる相手からは除外していい。
帰ったら、神子様が、何のことか、ヤグルマさんに聞こう。
会いたくない二人もいなくなった。
ケチがついたまま終わるのは嫌だなー。
もう少しぶらぶらしよう。
知らない人と遭遇した。
20歳くらいの男性。
大学生かなー?
雰囲気からして、社会人じゃなさそうだ。
オレは、公爵の伴侶として王城に来て、国王陛下の姉や、宰相の娘と会っているから、オーダーメイドの良い服を着ている。
知らない若者は、オレと同じくらいに、良い服を着ていた。
金持ちか良いお家の若様なんだろう。
会釈して立ち去ろうとしたら、怒られた。
「なんですか、あなた!」
29歳になって、人前で怒られることがまだ、あったんだなー。
会釈して、怒られるとは、異世界の常識は、難しい。
「観光にきただけなんで、お気になさらず。」
そのまま立ち去ろうとすると。
「この国の国民でありながら、ぼくに対してよくもそんな態度がとれるよね!」
もっと怒られた。
オレは、この国の国民か?
公爵の伴侶だから、一応は、この国の国民になるのか?
出生地で決まるなら、オレは日本国籍のままだけど。
異世界の戸籍法は、どうなっているんだろうな。
そして。
国王陛下でもないのに、
『ぼくのことを知らないなんて!』
と非難してくる若様は、どこの誰なんだ?
知らない、と、正直に言わない方が良さそう。
その時。
「神子様、神子様。どちらですか?」
と言う声が聞こえてきた。
聞き覚えがあるんだが?
物凄く久しぶりに聞くぞ。
何ヶ月ぶりに聞く声だわ。
オレは、毎日聞いていてもおかしくないはずなんだけどなー。
不思議だなー。
声の主は、神子様、と呼びかけながら、歩いている。
姿が見えた。
間違いない!
おい!公爵!
オレの夫!
紙面上のだけどな!
王城にいたのかよ!
オレが、公爵に呼びかけるより前に、目の前の男が、公爵に走り寄っていった。
男は、公爵の腕にしがみついた。
公爵は、振り払わない。
オレは、何を見せられているんだ?
浮気の現場か?
イラッとしたぞ、おい!
「公爵。聞いてくれる?凄く失礼な人がいたんだよ。」
公爵の腕にしがみついている若者の口調が、急に舌っ足らずになった。
さっきまで、ハキハキ喋っていただろう!
ぶりっ子か?
可愛くないぞ!
「神子のぼくを知らんぷりするなんて、どういう神経しているのかなあ。
ぼく、公爵と一緒に、魔王討伐を頑張ったのに。
公爵から、ちゃんと言ってよ。」
と若者。
20歳くらいの若者は、自身を神子って言ったぞ!
しかも、魔王討伐を?
公爵と一緒に頑張った、だあ?
未知の情報が多すぎる。
帰ったら、ヤグルマさんに確認しよう。
若者は、公爵に腕を絡ませながら歩いてくる。
公爵は、若者をなだめながら、若者にされるがまま。
公爵!覚えていろよ!
王城で、堂々と浮気しやがって!
「あの人!」
と若者は、オレを指差した。
失礼だな!
人を指差すんじゃない!
公爵は、若者に向けていた視線を、若者の指差す方に流した。
オレ、自分で分かるくらい、しかめっ面している自信がある。
オレは、公爵と若者が、オレを責める前に、大声で言ってやった。
「この浮気者!」
89
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説
皇帝の寵愛
たろう
BL
※後宮小説もどきです。女の人が出てきます。最近BLだけどサスペンス?時代小説?要素が混じってきているような……?
若き皇帝×平民の少年
無力の皇帝と平民の少年が権力者たちの思惑が渦巻く宮中で幸福な結末を目指すお話。
※別サイトにも投稿してます
※R-15です。

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる