《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
46 / 667
第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。

46.王城には異世界転移者の神子様がいるそうです。医者の妹は、神子様の侍女に就職していました。神子様は、公爵と公爵の友人と仲良しらしいです。

しおりを挟む
一度目の王城へのご招待の後も、国王陛下の姉と宰相の娘とは、ちょくちょく、王城に呼ばれて話をするようになった。

司祭の従兄弟は、互いに、話したくなったら、呼び出すことにしている。

近衛騎士団長の甥とも、一度会った。

立ち話だけど。

「公爵の伴侶にならない未来を考えたことがなかったから、これから考えることにした。」
と近衛騎士団長の甥。

「自分の人生に、自分で納得できるところが、あると楽だ。
自分の人生に納得できなくて、恨み言を吐き続けていたら、人がいなくなって、余計に苦しくなる。」

近衛騎士団長の甥は、頷いて去っていった。


オレは、異世界で、色々な人と関わるようになった。

結婚した夫よりも、関わり合いが出来ている。

何でだ?

公爵が、本当に、全然、帰ってこないせいだ。

婚姻届を書いた日以後、オレは、夫の顔を見ていない。

ひんやりした関係の夫がいることが、オレが日本に帰る条件の第一歩だから、オレにとったら、好都合だけど。

恋愛結婚だったら、破綻しているんじゃないかな?

婚姻届を出した後、嫁に連絡しない、家に帰ってこない夫。

新婚で、やるか?

公爵の考えることは、本気で分からない。


今日は、王城で、会いたくない人のうちの二人に会ってしまった。

異世界の王城なんて、そうそう来ることもない。

日本に帰る前に、探検しておこうと思い立ったんだけど、思い立たなければ良かったなー。

オレの目の前には、公爵の友人その四の医者と、医者の妹がいる。

向こうも、こっちも、会おうとして、会ったわけじゃない。

たまたま、ばったり。

道端で。
『あ、知り合いがいる。』
となってしまった。

会釈で済まそうとしたら、その四の医者に話しかけられたので、立ち話。

「妹は、神子様の侍女になった。」
とその四。

妹は、家事手伝いを止めて、外に働きに出たんだな?

神子様という肩書きが何を意味しているのか、オレは知らないけれど。
就職先としては、花形なんだな。
わざわざ話題に出すくらいだから。

オレは、妹を祝福した。
「就職、おめでとう。」

「異世界転移されてきた神子様とは、友人一同付き合いがあるんだ。家にこもり気味の妹に神子様の侍女を勧めてみたら、神子様も妹も乗り気になってね。」
と医者。

医者は、凄くいい話風に話しているけれどなー。

神子様も、妹も、断れない提案だよな?

神子様にしたら、友達の妹。

妹にすれば、兄の友達。

兄の友人一同と付き合いがあるということは、神子様は、権力者と付き合いがある。

『相性悪いんで、無理です』
とは、どちらも言えなくないか?

医者の妹は、権力者の近くに行きたいタイプだから、問題ないのか?

オレは、就職おめでとう、を言って、立ち去ろうとした。

オレから話すことは、何もない。

すると。

「妹は、立派に国へ貢献している。
公爵家への妹の出入り禁止を解除してくれないか?」
と医者。

医者よ、血迷ったのか?

国が、どうとか、が問題じゃない。

「論外だ。今から、妹に加えて、医者の出入りも禁止する。」

医者は、はっとした。

医者の妹は、医者より前に出てきて、オレを睨んだ。

「横暴過ぎ。お兄ちゃんは、あなたなんかより、公爵との付き合いも長いし、信頼されているの。

あなたなんか、何を言っても、お兄ちゃんを出入り禁止になんか、できっこない。

お兄ちゃんと私の方が公爵と仲が良いんだから。

後から来たくせに、偉そうにしないで!」
と医者の妹。

オレは、医者の妹に関わらない。

医者に畳み掛ける。

「医者、オレの決定の理由が分からないなら、あんたは公爵の友人じゃない。」

医者は、しまった、という顔をした。

「後、医者の妹が、オレより公爵と親しいとは、どういう意味だ?」
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)

エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。 魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。 若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。 *以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。 お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。 なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。 こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。

べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。 太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

処理中です...