《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
46 / 673
第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。

46.王城には異世界転移者の神子様がいるそうです。医者の妹は、神子様の侍女に就職していました。神子様は、公爵と公爵の友人と仲良しらしいです。

しおりを挟む
一度目の王城へのご招待の後も、国王陛下の姉と宰相の娘とは、ちょくちょく、王城に呼ばれて話をするようになった。

司祭の従兄弟は、互いに、話したくなったら、呼び出すことにしている。

近衛騎士団長の甥とも、一度会った。

立ち話だけど。

「公爵の伴侶にならない未来を考えたことがなかったから、これから考えることにした。」
と近衛騎士団長の甥。

「自分の人生に、自分で納得できるところが、あると楽だ。
自分の人生に納得できなくて、恨み言を吐き続けていたら、人がいなくなって、余計に苦しくなる。」

近衛騎士団長の甥は、頷いて去っていった。


オレは、異世界で、色々な人と関わるようになった。

結婚した夫よりも、関わり合いが出来ている。

何でだ?

公爵が、本当に、全然、帰ってこないせいだ。

婚姻届を書いた日以後、オレは、夫の顔を見ていない。

ひんやりした関係の夫がいることが、オレが日本に帰る条件の第一歩だから、オレにとったら、好都合だけど。

恋愛結婚だったら、破綻しているんじゃないかな?

婚姻届を出した後、嫁に連絡しない、家に帰ってこない夫。

新婚で、やるか?

公爵の考えることは、本気で分からない。


今日は、王城で、会いたくない人のうちの二人に会ってしまった。

異世界の王城なんて、そうそう来ることもない。

日本に帰る前に、探検しておこうと思い立ったんだけど、思い立たなければ良かったなー。

オレの目の前には、公爵の友人その四の医者と、医者の妹がいる。

向こうも、こっちも、会おうとして、会ったわけじゃない。

たまたま、ばったり。

道端で。
『あ、知り合いがいる。』
となってしまった。

会釈で済まそうとしたら、その四の医者に話しかけられたので、立ち話。

「妹は、神子様の侍女になった。」
とその四。

妹は、家事手伝いを止めて、外に働きに出たんだな?

神子様という肩書きが何を意味しているのか、オレは知らないけれど。
就職先としては、花形なんだな。
わざわざ話題に出すくらいだから。

オレは、妹を祝福した。
「就職、おめでとう。」

「異世界転移されてきた神子様とは、友人一同付き合いがあるんだ。家にこもり気味の妹に神子様の侍女を勧めてみたら、神子様も妹も乗り気になってね。」
と医者。

医者は、凄くいい話風に話しているけれどなー。

神子様も、妹も、断れない提案だよな?

神子様にしたら、友達の妹。

妹にすれば、兄の友達。

兄の友人一同と付き合いがあるということは、神子様は、権力者と付き合いがある。

『相性悪いんで、無理です』
とは、どちらも言えなくないか?

医者の妹は、権力者の近くに行きたいタイプだから、問題ないのか?

オレは、就職おめでとう、を言って、立ち去ろうとした。

オレから話すことは、何もない。

すると。

「妹は、立派に国へ貢献している。
公爵家への妹の出入り禁止を解除してくれないか?」
と医者。

医者よ、血迷ったのか?

国が、どうとか、が問題じゃない。

「論外だ。今から、妹に加えて、医者の出入りも禁止する。」

医者は、はっとした。

医者の妹は、医者より前に出てきて、オレを睨んだ。

「横暴過ぎ。お兄ちゃんは、あなたなんかより、公爵との付き合いも長いし、信頼されているの。

あなたなんか、何を言っても、お兄ちゃんを出入り禁止になんか、できっこない。

お兄ちゃんと私の方が公爵と仲が良いんだから。

後から来たくせに、偉そうにしないで!」
と医者の妹。

オレは、医者の妹に関わらない。

医者に畳み掛ける。

「医者、オレの決定の理由が分からないなら、あんたは公爵の友人じゃない。」

医者は、しまった、という顔をした。

「後、医者の妹が、オレより公爵と親しいとは、どういう意味だ?」
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

将軍の宝玉

なか
BL
国内外に怖れられる将軍が、いよいよ結婚するらしい。 強面の不器用将軍と箱入り息子の結婚生活のはじまり。 一部修正再アップになります

【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する

SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので) ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

漆黒の瞳は何を見る

灯璃
BL
記憶を無くした青年が目覚めた世界は、妖、と呼ばれる異形の存在がいる和風の異世界だった 青年は目覚めた時、角を生やした浅黒い肌の端正な顔立ちの男性にイスミ アマネと呼びかけられたが、記憶が無く何も思い出せなかった……自分の名前すらも 男性は慌てたようにすぐに飛び去ってしまい、青年は何も聞けずに困惑する そんな戸惑っていた青年は役人に捕えられ、都に搬送される事になった。そこで人々を統べるおひい様と呼ばれる女性に会い、あなたはこの世界を救う為に御柱様が遣わされた方だ、と言われても青年は何も思い出せなかった。経緯も、動機も。 ただチート級の能力はちゃんと貰っていたので、青年は仕方なく状況に流されるまま旅立ったのだが、自分を受け入れてくれたのは同じ姿形をしている人ではなく、妖の方だった……。 この世界では不吉だと人に忌み嫌われる漆黒の髪、漆黒の瞳をもった、自己肯定感の低い(容姿は可愛い)主人公が、人や妖と出会い、やがてこの世界を救うお話(になっていけば良いな) ※攻めとの絡みはだいぶ遅いです ※4/9 番外編 朱雀(妖たちの王の前)と終幕(最後)を更新しました。これにて本当に完結です。お読み頂き、ありがとうございました!

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。 そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。 アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。 公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。 アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。 一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。 これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。 小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

ブラッドフォード卿のお気に召すままに~~腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する~~

ゆうきぼし/優輝星
BL
異世界転移BL。浄化のため召喚された異世界人は二人だった。腹黒宰相と呼ばれるブラッドフォード卿は、モブ扱いのイブキを手元に置く。それは自分の手駒の一つとして利用するためだった。だが、イブキの可愛さと優しさに触れ溺愛していく。しかもイブキには何やら不思議なチカラがあるようで……。 *マークはR回。(後半になります) ・ご都合主義のなーろっぱです。 ・攻めは頭の回転が速い魔力強の超人ですがちょっぴりダメンズなところあり。そんな彼の癒しとなるのが受けです。癖のありそうな脇役あり。どうぞよろしくお願いします。 腹黒宰相×獣医の卵(モフモフ癒やし手) ・イラストは青城硝子先生です。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

処理中です...