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第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。
43.宰相の娘は、外でお仕事するのが向いていました。公爵との結婚という縛りがなくなった方が、イキイキしているように見えました。
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次は、侯爵家のご令嬢である宰相の娘とのアポイントがある。
お招きの場所が、宰相の執務室になっているのは、なぜかな?
未婚女性の娘と二人っきりは、お父さんが許さない?
場所は聞いていたので、宰相の執務室に向かう。
国王陛下の姉の執務室へは、王城に着いてから、案内役がついたので、後ろについていった。
宰相の執務室は、国王陛下の姉の執務室より、出入りしやすい場所のようだ。
宰相に用事があるんだろう人が出入りしている。
オレは、執務室の受付に、名前と公爵の伴侶という肩書きを伝えた。
程なく、案内された部屋には、侯爵家のご令嬢がいて、何やら忙しそうにしている。
出直すか?
確認しよう。
「来たけど、どうしてほしい?」
「椅子に座って、五分、待っていなさい。」
と侯爵家のご令嬢。
ご希望通りに、椅子に座って、なんとなく、侯爵家のご令嬢がすることを見ていた。
仕事しているんだ。
オレ、侯爵家のご令嬢は家庭にいたいタイプかと思っていた。
違ったらしい。
オレのお茶会にきたときは、チクチク、カリカリ、イライラしていたけれど、今はイキイキしている。
外で働く方が性にあったのかな。
「待たせましたわね。」
と言って、椅子に座る侯爵家のご令嬢は、お茶会のときのような、けんがとれていて、話しかけやすくなっていた。
「宰相の執務室に入る経験は、なかなかない。オレにしては、珍しい経験が出来たと思う。」
日本に住んでいても、官邸に行く機会なんてなかったからなあ。
異世界でも、宰相の執務室に入るのは、一般人にはない経験じゃないか?
「そう。そういう受け答えをする人だったの。」
と侯爵家のご令嬢。
「さっきまで、楽しそうにしていたのに、急にどうした?」
「わたくし、楽しそうでした?」
と侯爵家のご令嬢は、どことなく沈んでいる。
自信がないのか?
仕事に、じゃないな。
楽しんでいたぞ?
一体、何に不安を覚えているんだ?
オレが、社会人の先輩として、新人の相談にのる流れか?
「オレが比較するのは、お茶会でのあんたの姿になる。
お茶会のときのあんたは、キリキリして、楽しくなさそうだった。」
侯爵家のご令嬢は、すん、とした表情になった。
思い当たることがあるもんな。
オレも、年下の女の子にキツいことを言っていた自覚はある。
「さっきまでのあんたは、違った。
オレの目には、仕事を楽しんでいるように見えた。」
「そう。」
侯爵家のご令嬢の表情は、まだ、すん、から動かない。
仕事を楽しんでいる姿が、ネックなのか?
仕事を楽しんでいない誰かに指摘されたかな?
「肩の力が抜けて、表情にも言葉にも、けんがなくなっている。
お茶会で見た姿よりも、今のあんたの方が、好感が持てる。」
侯爵家のご令嬢は、はっきりと、びっくりした。
仕事をしている姿に好感が持てると言われたことがなかったのか?
正反対の評価を得たか?
「職場環境がいいか、悪いかは、仕事を続ける上で、重要だぞ。
職場環境は、仕事を辞める理由の一つだから。
環境が合っていて、仕事が違法じゃなくて、生活に少しゆとりが出る給料を貰えるなら、オレは続ける。
続けてみて、違うな、と思うときがきたら。
配置換えを希望するとか、
責任あるポストへ挑戦する。
もしくは、勤め先を変える。
その頃のあんたは、今よりも仕事に詳しくなっていて、経験も積めている。
未来のあんたなら、他にも、仕事を楽しくする方法を考えつくことができるんじゃないか?」
オレは、異世界の王城での仕事や職場環境がどんなものか、知らない。
個人的なトラブルがあった相手でも、前向きに仕事に取り組んでいる姿を、貶そうとは思わない。
足を引っ張るのは、違うと思うから。
侯爵家のご令嬢は、明るい表情で、オレに言った。
「今日は、十分です。もう帰りなさい。また、呼びます。」
心のしこりが、とれたらしい。
長居は無用。
「またな。」
公爵と宰相の娘は、幼馴染みだから、仕事を通して、新しい関係を作れたらいいなあとオレは思う。
この国は、魔王の消失により、国王陛下や、公爵のように、急遽、後を継いだ若者が何人もいる。
後を継いだ若者の同世代が、後を継いだ若者と一緒に仕事をする機会があるなら、あった方がいい。
魔王による消失がなかったら、今頃、同世代で力を合わせている顔合わせをしていたかもしれない。
本来の形に戻しながら、足並みを揃えていけたらな。
公爵と宰相の娘は、仕事で信頼を勝ち取り、互いに敬意をはらえる関係になってくれたらいいなー。
そうしたら、さあ。
公爵も、宰相の娘も息がしやすくならないかな?
国を運営するのは、重い責任を伴うから。
オレは、宰相の執務室を出て、近衛騎士団長の執務室に向かう。
次は、近衛騎士団長の甥とのアポイントだ。
お招きの場所が、宰相の執務室になっているのは、なぜかな?
未婚女性の娘と二人っきりは、お父さんが許さない?
場所は聞いていたので、宰相の執務室に向かう。
国王陛下の姉の執務室へは、王城に着いてから、案内役がついたので、後ろについていった。
宰相の執務室は、国王陛下の姉の執務室より、出入りしやすい場所のようだ。
宰相に用事があるんだろう人が出入りしている。
オレは、執務室の受付に、名前と公爵の伴侶という肩書きを伝えた。
程なく、案内された部屋には、侯爵家のご令嬢がいて、何やら忙しそうにしている。
出直すか?
確認しよう。
「来たけど、どうしてほしい?」
「椅子に座って、五分、待っていなさい。」
と侯爵家のご令嬢。
ご希望通りに、椅子に座って、なんとなく、侯爵家のご令嬢がすることを見ていた。
仕事しているんだ。
オレ、侯爵家のご令嬢は家庭にいたいタイプかと思っていた。
違ったらしい。
オレのお茶会にきたときは、チクチク、カリカリ、イライラしていたけれど、今はイキイキしている。
外で働く方が性にあったのかな。
「待たせましたわね。」
と言って、椅子に座る侯爵家のご令嬢は、お茶会のときのような、けんがとれていて、話しかけやすくなっていた。
「宰相の執務室に入る経験は、なかなかない。オレにしては、珍しい経験が出来たと思う。」
日本に住んでいても、官邸に行く機会なんてなかったからなあ。
異世界でも、宰相の執務室に入るのは、一般人にはない経験じゃないか?
「そう。そういう受け答えをする人だったの。」
と侯爵家のご令嬢。
「さっきまで、楽しそうにしていたのに、急にどうした?」
「わたくし、楽しそうでした?」
と侯爵家のご令嬢は、どことなく沈んでいる。
自信がないのか?
仕事に、じゃないな。
楽しんでいたぞ?
一体、何に不安を覚えているんだ?
オレが、社会人の先輩として、新人の相談にのる流れか?
「オレが比較するのは、お茶会でのあんたの姿になる。
お茶会のときのあんたは、キリキリして、楽しくなさそうだった。」
侯爵家のご令嬢は、すん、とした表情になった。
思い当たることがあるもんな。
オレも、年下の女の子にキツいことを言っていた自覚はある。
「さっきまでのあんたは、違った。
オレの目には、仕事を楽しんでいるように見えた。」
「そう。」
侯爵家のご令嬢の表情は、まだ、すん、から動かない。
仕事を楽しんでいる姿が、ネックなのか?
仕事を楽しんでいない誰かに指摘されたかな?
「肩の力が抜けて、表情にも言葉にも、けんがなくなっている。
お茶会で見た姿よりも、今のあんたの方が、好感が持てる。」
侯爵家のご令嬢は、はっきりと、びっくりした。
仕事をしている姿に好感が持てると言われたことがなかったのか?
正反対の評価を得たか?
「職場環境がいいか、悪いかは、仕事を続ける上で、重要だぞ。
職場環境は、仕事を辞める理由の一つだから。
環境が合っていて、仕事が違法じゃなくて、生活に少しゆとりが出る給料を貰えるなら、オレは続ける。
続けてみて、違うな、と思うときがきたら。
配置換えを希望するとか、
責任あるポストへ挑戦する。
もしくは、勤め先を変える。
その頃のあんたは、今よりも仕事に詳しくなっていて、経験も積めている。
未来のあんたなら、他にも、仕事を楽しくする方法を考えつくことができるんじゃないか?」
オレは、異世界の王城での仕事や職場環境がどんなものか、知らない。
個人的なトラブルがあった相手でも、前向きに仕事に取り組んでいる姿を、貶そうとは思わない。
足を引っ張るのは、違うと思うから。
侯爵家のご令嬢は、明るい表情で、オレに言った。
「今日は、十分です。もう帰りなさい。また、呼びます。」
心のしこりが、とれたらしい。
長居は無用。
「またな。」
公爵と宰相の娘は、幼馴染みだから、仕事を通して、新しい関係を作れたらいいなあとオレは思う。
この国は、魔王の消失により、国王陛下や、公爵のように、急遽、後を継いだ若者が何人もいる。
後を継いだ若者の同世代が、後を継いだ若者と一緒に仕事をする機会があるなら、あった方がいい。
魔王による消失がなかったら、今頃、同世代で力を合わせている顔合わせをしていたかもしれない。
本来の形に戻しながら、足並みを揃えていけたらな。
公爵と宰相の娘は、仕事で信頼を勝ち取り、互いに敬意をはらえる関係になってくれたらいいなー。
そうしたら、さあ。
公爵も、宰相の娘も息がしやすくならないかな?
国を運営するのは、重い責任を伴うから。
オレは、宰相の執務室を出て、近衛騎士団長の執務室に向かう。
次は、近衛騎士団長の甥とのアポイントだ。
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