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第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。
40.お忍びで、工房見学しにきたオレ。技術の継承って、大事なんだと痛感しました。ベテランと中堅がいなくなった工房の方向性を決めていきます。
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オレは、ひやかしの一見さんになりきっている。
棚に飾られた商品を見ていく。
一目瞭然。
「昔の品と最近の品を両方見たいから、年代バラバラで、いくつも見せてくれるかい?」
オレは、工房の昔の作品と、若手の作品を見比べる。
昔の作品は、ベテラン、中堅、若手の全員が関わったんだろうなあ、というのが分かった。
絵皿なんだけど。
若手は、簡単な部分。
中堅は重要な部分。
ベテランは、最終調整。
三段階で仕上げてきた工房だから、中堅とベテランがいなくて、立ち行かなくなっている。
在庫を売り切った後、どうするか?
中堅とベテランの技は、失伝している。
他の工房も、似た状況なら、似た状況の工房をあつめて、新しい事業を始められないかな。
技術を登録制にして、技術が使われたら、発案者に使用料が支払われる仕組みにしたらどうだろう?
魔王の出現が、この先もないとは、言い難いわけだし。
属人性が高い産業は、魔王がいないときはいいけど、キーパーソンが消失したら、残っている人は、路頭に迷う。
新しい事業は、アイディアを見本にすることが大事。
アイディアが売れたら、
アイディア管理料、
アイディア担当の取り分、
見本製作担当の取り分、
の三分割。
割合は、アイディアによって、決めよう。
アイディアの質や、需要もある。
高く設定しても、売れなければ現金が手に入らない。
オレは、大まかな指示をする。
細かい取り決めは、各部署の担当が、これから頑張ってくれる。
よし、二つ目の工房に行こう。
二つ目は、木工細工だった。
木工細工は、受注生産の工房だった。
消失した親方が、趣味から始めた工房で、残された職人は、見習いだけで、職人同士の横の繋がりがない。
他所にお願いにいくか、受注した分をキャンセルするか、だが、キャンセルしてしまうと、工房を畳むしかない。
この工房は、見習いを大量に採用していた。
職を失う見習いの数が多すぎて、他で引き取りきれない。
何人もの見習いに、オレの目の前で、実演してもらった。
図工の教科書に載せられるレベルは一人もいなかった。
下手の横好きにもならない。
「見習いは、木工細工でお客様から、お金をもらうレベルじゃないぞ。
他の職で生活しながら、毎日、5分ずつ練習を続けていっては?
まずは、自分の食い扶持を稼げるようになってみようか。」
オレも、説明を聞きながら、一つ、試してみたけど、木工細工を売り物レベルに仕上げるのは、難しかった。
見習いの製作物が、売り物レベルになるには、良い指導者の指導を受けて、何年も練習が必要だ。
そこまでしても、全ての見習いが、ものになるか?
オレには分からない。
オレに分かるのは、見習いの面倒をみる余裕は、国も含めて、今は、どこにもないということ。
見習いが、自分で、自活の道を探さなければ、見習い自身が飢えて、路頭に迷う。
完全に突き放すと暴動が起きる。
最終的には、自活させる方向へ舵をきる。
そのための、ソフトランディングを探らせよう。
棚に飾られた商品を見ていく。
一目瞭然。
「昔の品と最近の品を両方見たいから、年代バラバラで、いくつも見せてくれるかい?」
オレは、工房の昔の作品と、若手の作品を見比べる。
昔の作品は、ベテラン、中堅、若手の全員が関わったんだろうなあ、というのが分かった。
絵皿なんだけど。
若手は、簡単な部分。
中堅は重要な部分。
ベテランは、最終調整。
三段階で仕上げてきた工房だから、中堅とベテランがいなくて、立ち行かなくなっている。
在庫を売り切った後、どうするか?
中堅とベテランの技は、失伝している。
他の工房も、似た状況なら、似た状況の工房をあつめて、新しい事業を始められないかな。
技術を登録制にして、技術が使われたら、発案者に使用料が支払われる仕組みにしたらどうだろう?
魔王の出現が、この先もないとは、言い難いわけだし。
属人性が高い産業は、魔王がいないときはいいけど、キーパーソンが消失したら、残っている人は、路頭に迷う。
新しい事業は、アイディアを見本にすることが大事。
アイディアが売れたら、
アイディア管理料、
アイディア担当の取り分、
見本製作担当の取り分、
の三分割。
割合は、アイディアによって、決めよう。
アイディアの質や、需要もある。
高く設定しても、売れなければ現金が手に入らない。
オレは、大まかな指示をする。
細かい取り決めは、各部署の担当が、これから頑張ってくれる。
よし、二つ目の工房に行こう。
二つ目は、木工細工だった。
木工細工は、受注生産の工房だった。
消失した親方が、趣味から始めた工房で、残された職人は、見習いだけで、職人同士の横の繋がりがない。
他所にお願いにいくか、受注した分をキャンセルするか、だが、キャンセルしてしまうと、工房を畳むしかない。
この工房は、見習いを大量に採用していた。
職を失う見習いの数が多すぎて、他で引き取りきれない。
何人もの見習いに、オレの目の前で、実演してもらった。
図工の教科書に載せられるレベルは一人もいなかった。
下手の横好きにもならない。
「見習いは、木工細工でお客様から、お金をもらうレベルじゃないぞ。
他の職で生活しながら、毎日、5分ずつ練習を続けていっては?
まずは、自分の食い扶持を稼げるようになってみようか。」
オレも、説明を聞きながら、一つ、試してみたけど、木工細工を売り物レベルに仕上げるのは、難しかった。
見習いの製作物が、売り物レベルになるには、良い指導者の指導を受けて、何年も練習が必要だ。
そこまでしても、全ての見習いが、ものになるか?
オレには分からない。
オレに分かるのは、見習いの面倒をみる余裕は、国も含めて、今は、どこにもないということ。
見習いが、自分で、自活の道を探さなければ、見習い自身が飢えて、路頭に迷う。
完全に突き放すと暴動が起きる。
最終的には、自活させる方向へ舵をきる。
そのための、ソフトランディングを探らせよう。
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