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第4章 夫が真実の愛を捧げる相手はどこにいるのでしょうか?名乗り出てください。
36.思い立ったが吉日にならないのは、言葉が足りてなかったからですか?オレは、公爵の伴侶として、働こうとしたわけではなくて、ですね。
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二週間前、オレの人生初のお茶会が終わった。
オレは、公爵家の屋敷で、のんびり生活している。
オレを目の敵にしていた教育係がいなくなったからな。
公爵の友人も、公爵の婚約者候補も来ない。
そして、家主で夫の公爵は全く家に帰ってこない。
公爵は、帰宅拒否症なのか?
仕事が忙し過ぎて、帰宅出来ないって、24歳の国の英雄を働かせ過ぎじゃないか?
国の英雄が、過労死しないか?
オレが、口出しすることじゃないけれど。
公爵が、オレと結婚したのは、留守番が欲しかったのか?
公爵の真意が、分からんままだが、現状に文句をつけに帰ってこないから、文句はないんだろう。
このところ、考えているんだけどさ。
オレ、公爵家の屋敷にいなくても、問題なくない?
夫の公爵は、婚姻届を書いた日以後、屋敷に帰ってこない。
オレの不在を問題視する人はいない。
オレ、公爵家の屋敷で過ごさずに、出歩いて、公爵が真実の愛を捧げる人を探したいんだよ。
最初のお茶会が失敗に終わったせいで、二回目は、開催しようがないし。
人、繋ぎたかったのにさあ。
思い立ったが吉日。
オレは、ぶらぶらっと、外出することにした。
「なりません。」
とヤグルマさん。
「いや、なります、も、なりません、も。」
出かけようとしたオレが、玄関に向かっていたら、使用人に呼び止められ、ヤグルマさんが来て、オレは部屋に戻ることを余儀なくされた。
「ちょっと出かけるだけだから。」
「どちらに?どのような目的で?」
とヤグルマさん。
「外に出たいんだって。」
目的なんて、ヤグルマさんには言えない。
正妻が、夫の愛人探しに行くって、堂々と言っていいのか、オレには判断がつかない。
このミッションをクリアしないと、オレは日本に帰れないから、止める選択肢はないんだよ。
うちに帰りたいから、愛人探してくるわ、とか、言ったら、監禁されそうなんだよな。
人生初の茶会終了から、二週間経つけど、公爵の友人やら、婚約者候補が突撃してこなくなった、と、公爵家の使用人に、オレは、毎日凄く感謝されている。
厄除け以上、拝み倒す勢いなんだ。
うん、余計な刺激はいらないよな。
「どちらへ?ご用意します。」
とヤグルマさん。
「ご用意?なんの?」
オレ、ふらっと出歩くだけなんだけど。
「公爵の伴侶が、いきなり来られては、先様も驚きます。」
とヤグルマさん。
「いや、誰かのところに行くわけじゃ。」
「では、どちらに?」
とヤグルマさん。
「オレ、外に、出たことがないから。外に出て、街中を見て回りたい。」
この時、オレは、言葉が足りていなかった。
オレとしては、ぶらぶら歩き回るくらいを予定していたんだ。
「手配が終わりました。」
とヤグルマさんに言われて、後日、外に出たオレは、気づいた。
『お忍びで!』
とオレは付け足さなくてはいけなかったんだ。
オレは、公爵家の屋敷で、のんびり生活している。
オレを目の敵にしていた教育係がいなくなったからな。
公爵の友人も、公爵の婚約者候補も来ない。
そして、家主で夫の公爵は全く家に帰ってこない。
公爵は、帰宅拒否症なのか?
仕事が忙し過ぎて、帰宅出来ないって、24歳の国の英雄を働かせ過ぎじゃないか?
国の英雄が、過労死しないか?
オレが、口出しすることじゃないけれど。
公爵が、オレと結婚したのは、留守番が欲しかったのか?
公爵の真意が、分からんままだが、現状に文句をつけに帰ってこないから、文句はないんだろう。
このところ、考えているんだけどさ。
オレ、公爵家の屋敷にいなくても、問題なくない?
夫の公爵は、婚姻届を書いた日以後、屋敷に帰ってこない。
オレの不在を問題視する人はいない。
オレ、公爵家の屋敷で過ごさずに、出歩いて、公爵が真実の愛を捧げる人を探したいんだよ。
最初のお茶会が失敗に終わったせいで、二回目は、開催しようがないし。
人、繋ぎたかったのにさあ。
思い立ったが吉日。
オレは、ぶらぶらっと、外出することにした。
「なりません。」
とヤグルマさん。
「いや、なります、も、なりません、も。」
出かけようとしたオレが、玄関に向かっていたら、使用人に呼び止められ、ヤグルマさんが来て、オレは部屋に戻ることを余儀なくされた。
「ちょっと出かけるだけだから。」
「どちらに?どのような目的で?」
とヤグルマさん。
「外に出たいんだって。」
目的なんて、ヤグルマさんには言えない。
正妻が、夫の愛人探しに行くって、堂々と言っていいのか、オレには判断がつかない。
このミッションをクリアしないと、オレは日本に帰れないから、止める選択肢はないんだよ。
うちに帰りたいから、愛人探してくるわ、とか、言ったら、監禁されそうなんだよな。
人生初の茶会終了から、二週間経つけど、公爵の友人やら、婚約者候補が突撃してこなくなった、と、公爵家の使用人に、オレは、毎日凄く感謝されている。
厄除け以上、拝み倒す勢いなんだ。
うん、余計な刺激はいらないよな。
「どちらへ?ご用意します。」
とヤグルマさん。
「ご用意?なんの?」
オレ、ふらっと出歩くだけなんだけど。
「公爵の伴侶が、いきなり来られては、先様も驚きます。」
とヤグルマさん。
「いや、誰かのところに行くわけじゃ。」
「では、どちらに?」
とヤグルマさん。
「オレ、外に、出たことがないから。外に出て、街中を見て回りたい。」
この時、オレは、言葉が足りていなかった。
オレとしては、ぶらぶら歩き回るくらいを予定していたんだ。
「手配が終わりました。」
とヤグルマさんに言われて、後日、外に出たオレは、気づいた。
『お忍びで!』
とオレは付け足さなくてはいけなかったんだ。
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