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第3章 結婚しました。公爵閣下と。オレ、歓迎、されてます?
31.異世界に来てみたものの。オレを守りたいのも、オレを守れるのも、一人しかいません、この世界には。
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オレは、ゲストを探すために、外出の計画も立てていた。
日本に帰るまでの間になるけれど、公爵しか好きじゃない人以外の人と繋がりたいと思っていた。
オレは、金魚鉢の金魚になるつもりは、さらさらない。
お茶会をきっかけに、オレは自分の交友関係を築く予定で、先々のことを考えていた。
オレは、お茶会を成功させて、公爵に斡旋する人脈を作ろうと計画していた。
スケジュールを組んで、動くつもりだった。
オレの計画を丸々ぶっ潰したのは、教育係だ。
『公爵家のために、最初に呼ぶゲストです。
公爵の伴侶といえど、勝手なことは、させません。』
教育係は、オレの知らないうちに、オレの人生初のお茶会のゲストと日程を決めてきた。
その上。
『お茶会のホストくらいはうまくやりなさい。』
とオレに言ったにも関わらず。
ゲストと開催日時以外の、お茶会の開催に関わる全てにおいて、教育係は、オレに手を貸さなかった。
ゲストの情報を聞いたオレが、最近の社交界の流行りや、市井の流行りから、全員が満足できるものは、何か、と考えて相談した相手は、教育係じゃない。
ヤグルマさんをはじめとする、公爵家で働く使用人だ。
オレを突き放した教育係は、オレの相談に、一切乗らなかった。
オレが、どんな質問をしても。
『自分で試してみればいいんですよ。』
としか言わない。
オレの教育をする気がないなら、来なければいいのに、教育係は、オレがお茶会の準備をしている期間、毎日、公爵家に来た。
何の授業もしないのに。
授業の準備をしないから、暇になったのか?
教育係は、オレを教育しないのに、授業があったときよりも、公爵家に入浸っていた。
公爵の伴侶であるオレが、初めてホストとしてのお茶会を開く。
公爵家の使用人は、ヤグルマさんを筆頭に一致団結していた。
その横で、オレの教育係は、オレの教育をしないで、ダラダラと無為に過ごしていた。
オレは、ゲストも開催日時も、教育係が勝手に差配したお茶会を主催しなくてはいけないことに苛立っていた。
それでも、オレが投げ出さなかったのは。
お茶会は、オレが、やらなくてはいけないことだと思ったから。
だから、ムカつきをこらえて、今日まで準備をしてきた。
その結果が、この有り様。
オレは、オレを嫌っている誰かが、オレの心を踏みにじるのを良しとしない。
この異世界で、最初から最後までオレの味方でいるのは、オレ一人。
オレを守れるのは、オレしかいない。
負けてたまるか。
日本に帰るまでの間になるけれど、公爵しか好きじゃない人以外の人と繋がりたいと思っていた。
オレは、金魚鉢の金魚になるつもりは、さらさらない。
お茶会をきっかけに、オレは自分の交友関係を築く予定で、先々のことを考えていた。
オレは、お茶会を成功させて、公爵に斡旋する人脈を作ろうと計画していた。
スケジュールを組んで、動くつもりだった。
オレの計画を丸々ぶっ潰したのは、教育係だ。
『公爵家のために、最初に呼ぶゲストです。
公爵の伴侶といえど、勝手なことは、させません。』
教育係は、オレの知らないうちに、オレの人生初のお茶会のゲストと日程を決めてきた。
その上。
『お茶会のホストくらいはうまくやりなさい。』
とオレに言ったにも関わらず。
ゲストと開催日時以外の、お茶会の開催に関わる全てにおいて、教育係は、オレに手を貸さなかった。
ゲストの情報を聞いたオレが、最近の社交界の流行りや、市井の流行りから、全員が満足できるものは、何か、と考えて相談した相手は、教育係じゃない。
ヤグルマさんをはじめとする、公爵家で働く使用人だ。
オレを突き放した教育係は、オレの相談に、一切乗らなかった。
オレが、どんな質問をしても。
『自分で試してみればいいんですよ。』
としか言わない。
オレの教育をする気がないなら、来なければいいのに、教育係は、オレがお茶会の準備をしている期間、毎日、公爵家に来た。
何の授業もしないのに。
授業の準備をしないから、暇になったのか?
教育係は、オレを教育しないのに、授業があったときよりも、公爵家に入浸っていた。
公爵の伴侶であるオレが、初めてホストとしてのお茶会を開く。
公爵家の使用人は、ヤグルマさんを筆頭に一致団結していた。
その横で、オレの教育係は、オレの教育をしないで、ダラダラと無為に過ごしていた。
オレは、ゲストも開催日時も、教育係が勝手に差配したお茶会を主催しなくてはいけないことに苛立っていた。
それでも、オレが投げ出さなかったのは。
お茶会は、オレが、やらなくてはいけないことだと思ったから。
だから、ムカつきをこらえて、今日まで準備をしてきた。
その結果が、この有り様。
オレは、オレを嫌っている誰かが、オレの心を踏みにじるのを良しとしない。
この異世界で、最初から最後までオレの味方でいるのは、オレ一人。
オレを守れるのは、オレしかいない。
負けてたまるか。
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