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第3章 結婚しました。公爵閣下と。オレ、歓迎、されてます?

28.オレが公爵の伴侶として主催する初めてのお茶会。失敗で終わらせないために足掻いています。

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始まりから、ギスギスしていたお茶会。

オレの人生初のお茶会。

しかも、人生初ホスト。

おもてなしをしなくちゃいけないのに、つかみから、全ゲストに総スカンを食らったオレ。

ゲストと仲良くなる気は、なくなったから、総スカンでも、オレは構いやしない。

ただ、オレには、お茶会のホストとしての立場がある。
最低限、オレの初めてのお茶会を失敗させるわけにはいかない。

初めてのお茶会の失敗の評判は、一生ついて回るらしい。

日本に帰るまで、お茶会の失敗の影響が続くのは御免だ。

開始から30分も経たないうちに、ゲストに帰れというのは、マナー上、ダメ。

気に食わないホストの顔を見るくらいなら、ゲストは家に帰してやろう、という思考は、思いやりではない。

オレさー。

甘く見ていたわ、公爵の好かれっぷりを。

今日は、目の当たりにした。

そして、気づいた。

公爵とオレへの感情って、反比例しているんだ。

公爵を好きな人ほど、オレが嫌い。

もっと早くに、それを知っていたらなあ。

『お茶会を開きます。』
と教育係に課題を出されたときに。
『喜んでくるやつしか呼びたくないけれど、いないから、無理だろ?』
と断ったぞ。

一人で、お茶を飲んで、おやつを食べる方が、味がする。

嫌われ者として、周りからのお前なんか嫌い光線を浴びながら、飲食することになるとは。
同じゲストで二回目は、ないな。

次回も開催することになったら、断固NOを突きつけてやる。

だから。

今回は、失敗に終わらせるわけにはいかない。

せめて、トントンで。


オレと話をしたくないなら、オレ以外で話をしたらいいんじゃないかな。

例えば、ゲスト全員が大好きな、公爵の話題なんて、どうだろう?

オレは、話題を提供することにした。

「皆さん、公爵をお好きな方々なので、公爵のどんなところが素敵かを語り合うのはいかがですか?」

「どうして、貴方にそんなことを言われなくてはならないの?」
と侯爵家のご令嬢。

そーれーはーなー。
オレが、お茶会のホストだからだよ。

オレが、ホストじゃなく、ゲストなら、黙って、飲食に勤しんでいるわ。

とは、口に出せない。

「皆さん、公爵のお好きで、公爵の素敵なところをたくさんご存知なんですよね?」

「私が一番よ。」
と医者の妹。

「皆さんは、言ってみれば、同志ではないのでしょうか?」

同じ穴のムジナとも言い換えられるかな?

「同志?」
と司祭の従兄弟。

「公爵を好きだと思う気持ちは、お一方、お一方が心を込めて、育んでこられたもの。
とても尊いものです。」

「だから、何だ?」
と近衛騎士団長の甥。

「尊いお心を育んだ方々がお並びいただいたこの佳き日。尊いものの尊さを称え合ってはいかがでしょうか?」

公爵って、素敵ね!と五人で盛り上がってくれないかなー?
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