《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第3章 結婚しました。公爵閣下と。オレ、歓迎、されてます?

27.三番手は、司祭の従兄弟。四番手は、医者の妹。五番手は、近衛騎士団長の甥。公爵は、なぜ、この五人から選ばずにオレを伴侶にしたんでしょう?

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ゲストその三。
司祭の従兄弟。

五人の中で一番若い。
16歳。

「ぼくは、公爵に寄り添い、公爵の疲れを癒やしてさしあげることができる。あなたには、何ができるわけ?」

顔を斜めにして、ふんっと鼻を鳴らしながら睨まれた。

オレ?
オレは、何もする予定はないなあ。

あ、あった。

1つだけ。

「公爵に、公爵が真実の愛を捧げたい人を用意します。」

オレが、答えると、目をむかれた。

「はん。」
と、そっぽを向かれて、司祭の従兄弟との会話は終了。

弾まない会話って、辛い。

会話しないで済むように、黙食のお茶会にしたい。


ゲストその四。
医者の妹。

20歳。
医者の妹は、医者ではない。

妹の職業は、家事手伝いだそうだ。

「私がお嫁さんになっていたら、公爵閣下のために、私が家を切り盛りして、公爵家は、ますます栄えることになったのに。」

返事に困ることを言わないでもらいたい。

「そうですか。公爵家の繁栄のために、頑張ってくださるお気持ちがあったと、公爵に伝えて。」

『みては、どうでしょうか?』
と続けたかったが、オレは、続けられなかった。

「馬鹿にして!」
とめちゃくちゃ怒られた。

「してません。公爵家を盛り立てるお気持ちは、尊いです。」

オレには、ないんで。

あー。日本に帰りたい。

「やっぱり馬鹿にしているじゃない!サイテー。」
と言ったきり、医者の妹は、口を開かなくなった。


ゲストその五。
近衛騎士団長の甥。

甥も、近衛騎士団の騎士。

役職にはついていない。

22歳。

「公爵が背中を預けられるのは、俺しかいない。
俺は公爵と一緒に戦える。公爵の隣に立つのに相応しいのは、俺だ。
お前は、戦えないくせに、なんで、公爵に並んでいるんだ?」

騎士団長の甥は、ムキムキマッチョ。

オレは、29歳の日本人。

外見も能力も才能も、日本で暮らしていた頃と何一つ変わっていないオレ。

戦場に着く前に疲労で倒れる自信ある。

オレ、なんで、異世界にいるんだろう?

オレを呼んだ人がいるなら、人選を間違い過ぎだと言ってやりたい。

誰も呼んでいないっぽいから、苦情の入れ先がないのが、尚、辛い。

神様の神託だけが、今のオレの心の支え。

絶対に日本に帰るんだ。
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