《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第3章 結婚しました。公爵閣下と。オレ、歓迎、されてます?

25.お茶会とは、元カノと元カレになり損なった婚約者候補が新婚家庭に来て、選ばれた伴侶に対する不満を面と向かってぶつける会ですか?

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オレが開いた初めてのお茶会。

お茶とお菓子で、お客様をおもてなし。

ギスギスしている。

オレと全ゲストの間には、深くて広い溝がある。

お客様にもてなされる気がない場合、どうするのが正解?

オレは、帰れ、と言いたい。

呼んだということになっているが、今日のお茶会の参加者は全員、呼ばされたからだ。

教育係を含めて、公爵の伴侶になったオレが嫌いなんだけど、公爵の伴侶だから、仕方なく来てやった、というのが、ダダ漏れ。

公爵のために来たの、お前のためじゃないの。

とか、わざわざ、オレに言う必要ある?

招かせておきながら。

ホスト側が、弱いお茶会ってアリ?

帰りたい、日本に帰りたい。

そんなオレの胸中なんて、ものともしないゲスト達。

ゲストその一。
国王陛下の姉。
公爵より年上かな。

ゲストその二。
宰相の娘さん。
侯爵家のご令嬢。

ゲストその三。
司祭の従兄弟。

ゲストその四。
医者の妹。

ゲストその五。
近衛騎士団長の甥。

身内枠で、呼ばされたの、よく分かるよねー?

はあ。

全員、公爵閣下の婚約者候補でした、と、教育係から聞かされてもさー。

元カノと元カレになり損なった人達が、好きな人の結婚相手に文句をつけるために、新婚家庭に乗り込んできたも同然じゃない?

誰も幸せにならないアクティブさだと思う。

公爵閣下の伴侶として、ゲスト全員と仲良くなってください、と教育係から言われてるオレ。

オレは、仲良くする気がないゲストの相手をしたくない。

しかしながら。

『オレは、結婚した。あんた達とは違う。』
と言うほど、公爵と結婚したことに対する自負は、オレにはない。

かといって。

『ふつつか者ですが、仲良くしてください。』
と下手に出る気にもなれない。

どうでもいい、とか思っちゃう。

どうせ、オレは、日本に帰るんだ。
最後まで嫌われたままで、良くない?

オレは、嫌われたままでいることにした。

オレが、ゲストに好いてもらえる努力をして、自分を削る必要ある?

ないよね?

オレには、そんな義理も、義務もないよ。

衣食住の生活は保証されていても、自分の資産を作れない仕事なんか、やる気にならない。

給料とか、お手当もない。

仕事をしても、嫌味とダメ出し。

職場環境が劣悪過ぎる。

公爵の伴侶というお仕事を早期退職したいなあ。

切実に、日本に復帰したいよ、オレ。
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