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第3章 結婚しました。公爵閣下と。オレ、歓迎、されてます?

23.公爵の周りにいる人って。オレのことを好きじゃありませんよね?

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「公爵が、魔王を倒したって分かるのは、何か仕掛けがあるん?」

「魔王が倒されると、魔王を倒した者の名前が、空に浮かび上がります。」
と教育係。

「空?板か、何か?」
電光掲示板みたいなもん?

「雲が、文字を作ります。雲の文字は、一週間以上、そのままです。」
と教育係。

ファンタジーなのか?

オレ、ファンタジー要素、まだ見たことがないんだけど。

「公爵が、国の英雄なら、お姫様と結婚する話は出なかった?」

一番、めでたしめでたしになるパターンだよな?

「公爵閣下は、ご自身で、伴侶を探すことを褒美に求められたのです。」
と教育係。

「そうなんだ。」

オレ、探されたの?伴侶として。

全然、探された感じがしないよ?

何が良くて、オレを探したのか、とても知りたい。

だって。

オレ、そのポイントを押さえた相手を斡旋するから。

オレは、苦労話をきいても同情したり、感情移入したりして、助けてあげたいと思うような流される性格じゃないからね。

そうなんだ、で終わるよ?

というわけで、聞こう。

「公爵がオレを伴侶に決めた条件って、何だったん?」

さあ、教えろ。

「知りません。」
と教育係。

「えー。でも、現在、伴侶なんだけど。」

「伴侶になられたのは、公爵閣下のご一存だけではなく、公爵閣下のご友人が全員、お認めになり、国王陛下と司祭が承認されたためです。」
と教育係。

「なんで、承認されたの、オレ。」

オレが認められる要素、どこにあった?

承認されなければ、オレは、詰め込み教育をしなくて済んだんだよ。

オレの学生時代は、終わっているんだ。

「公爵閣下の伴侶として相応しいと認められたから、です。」
と教育係。

相応しいとは、オレのどのへんが?

しがない一般人だよ?

「オレが、相応しいと評価されたのは、どのあたり?」

「知りません。」
と教育係。

「オレに関して、知らないで済ませ過ぎじゃない?」

「私は、教育係を拝命しました。」
と教育係。

うん。
生徒について、知らなすぎだろ?

「どんな人物でも、既に伴侶になられている以上は、伴侶たりえるように教育をするのです。」
と教育係。

あー、はい。

教育係さんは、オレの人となりを認めたわけではない、と。

そんなやつしか、いないのか、公爵の周りは。
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