《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第3章 結婚しました。公爵閣下と。オレ、歓迎、されてます?

21.オレに、教育係がつきました。公爵の伴侶として、振る舞うために。

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公爵の伴侶になったオレは、毎日、伴侶のための教育を受けている。

公爵は、オレと結婚した日に、屋敷の使用人を集めて、結婚したと宣言して、出ていこうとした。

ふざけんな、と思ったオレは。

『話は何も終わっていない。出ていく前に、オレと話をしていけ。』
と公爵を追いかけた。

「仲睦まじいご夫婦で。」
と宰相補佐。

「新婚だから、当然だ。」
と公爵。

六人は、オレを置いて、公爵邸から出ていった。

本気で、意味がわからないオレを公爵の屋敷に残して。


その日から。

オレは、公爵の伴侶としての生活することになった。

この国の歴史から、王侯貴族と、作法や文化について習得しなくてはいけないらしい、オレが。

公爵の伴侶だから、知っていて当然だとさ。

なんでだよ?

オレは、いつか、日本に帰るためだと、自分で、自分をなだめながら、覚えた。

「公爵の伴侶たるもの。
このくらいは、出来て当然です。」

「物を知らなすぎです。
よく、今まで、恥もかかずに生きてきましたね。」

オレの教育係とやらが、とにかくうるさい。

「私が来たからには、公爵の伴侶として、心ゆくまで、公爵を支える人間に生まれ変えさせます。」

オレは、そんな人生、望んでいないんだけど。

「なんで、そんなに、公爵のことが皆好きなんだ?」

めちゃくちゃ不思議。

「好きにならない人はいません。」
と教育係。

「いるわ、ここに。」
オレのツッコミは、スルー。

何でだよ。

「公爵の偉大さを理解しない人が我が国にいたとは。」
やれやれ、と頭を振る教育係。

「知らんもんは、知らん。」

「仕方ありません。公爵の伴侶が、無知をさらせば、公爵が恥をかきます。
私が教えます。」
と教育係。

あをたは、教育係と違うのか?

一言居士か?

教えてもらうのは、シャクだけど、知らないままも困る。

日本に帰るまで、この世界で生きていかないと。

「公爵は、何をしたんだよ。」

「この国は、公爵に救われたんです。」
と教育係。

「国の財政が悪化して、私財でも投じたのか?」

「違います。」
と教育係。

「じゃあ、何?」

「本当に知らないんですか?魔王を倒したんですよ。」
と教育係。

魔王?

シューベルトの魔王?

あの魔王?

あだ名が魔王じゃなく。
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