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第1章 異世界人になっていました。早く日本に帰りたいです。どうやったら、帰れますか。
1.出会いと堅実な人生設計のために転職希望。
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気がつけば、異世界の人になっていた。
昨日まで、日本で生きていたのに、今日は、当たり前に異世界で出勤し、異世界の部屋に帰ってきた。
異世界のオレの住まいは、大きな家の一室を借りている。
風呂・トイレは、共用。
食事は大家さん提供。
下宿である。
仕事は、近所の店の配達。
台車に乗せたり、手で持ち運んだり。
毎日、仕事はあるけれど、稼ぎは多くない。
体を壊したら、どうしよう?という不安が常にある。
この世界は、神様にお祈りすると、たまに、ヒントをもらえる。
元の世界に帰りたいオレも、神様にお願いしてみた。
翌朝、枕元に、神様からのお便りがきていた。
〔元の世界に帰りたいと願う者へ。
その者、この地で結婚し、その者の夫と冷めきった関係になったとき、夫が真実の愛を捧げる者を得れば、帰れる。〕
え?
結婚して、夫婦関係が冷めきったから、真実の愛を見つける相手を夫が見つける?
不倫は、嫌だな。
真実の愛を見つけたら、日本に戻るってことは。
オレに好意を寄せてくれる女の人を2人も犠牲にするのか?
クズすぎる。
俺には、無理だなー。
オレは、日本に帰る方法は、他にもあるはず。
諦めないで探すぞ。
この世界では、2人も、好意を持ってくれる異性に出会える!とオレは、るんるんしていた。
一ヶ月後。
オレは、異世界の人生をナメていたと気づいた。
下宿先と職場と近距離の配達では、新しい出会いがない。
このあたりの住人は、一通り顔見知り。
このコミュニティでのオレは、配達する人。
オレの住んでいる場所は、人の出入りが、多くなかった。
配達する人としか認識されていないオレは、なんとなく余所者扱いを感じていた。
踏み込めない壁がある。
オレは、体を壊す前に転職して、違う街へ行くことを真剣に考え始めた。
しかーし。
転職サイトなんてない世界。
斡旋と紹介がナンボ。
今している配達だけでは、斡旋も紹介も期待できない。
仕事ないかなー。
伝手、ほしいなー。
オレは、全身から、求職中のオーラを出していた。
そんなオレに。
なんと!
お仕事のお話が飛び込んできた!
街で見たことがない男だ。
「モノを運ばないか?」
と仕事を持ちかけてきた男は言った。
「目的地まで、運んだら、後は好きにしていい。」
と。
男は、報酬の話を自分からしようとしなかった。
オレは、必要経費は先払いだと言って、
交通費とか移動時の食費や宿泊費、
モノを渡すときに、人に会うなら、身だしなみを整える費用と、
配達料金の前払いを要求した。
モノを運んでいったはいいけど、届け先がどんな人か知らなければ、誰に支払ってもらうんだ、て話。
知らない人しかいない土地に1人になったら、金がないと生きていけない。
下宿には、毎朝、宿泊費と食事代を払うから、遠出するオレは、下宿を引き払う。
寝泊まりするところがなくなるのだ。
しっかり、お金は確保しておかねば。
そう思って、意気込んでいたら。
「一緒に行くから、支払いの必要はない。」
と男に言われた。
「何それ。必要ない、なんてことはない。
オレに仕事を頼むんだから、仕事を依頼する側は、必要経費と報酬を支払えよ。」
オレが言うと。
「仕事?いつ仕事をしている?毎日、遊んでいるではないか、と。」
と男は、のたまった。
男にとって、オレは、毎日ほうぼうに出没する暇人に見えたらしい。
若いのに、うろうろして、暇そうだから、何かさせるか、と考えたと言われた。
フザケンナ。
「仕事じゃないなら、この話は受けない。本当に暇なやつに付き合ってもらえばいい。」
オレが断ると。
「受けていながら、断るのか!」
と男は言い出した。
「話を聞いただけで、承諾前に物別れに終わっただろう。条件が合わなかったんだから。」
と、オレが冷静に話しても、聞きやしない。
男にとって、男の話を聞いたら、受けたことになるらしい。
そんな、面倒なやつ、仕事でも、お断りだ!
オレは、男を置いて、下宿に帰った。
翌朝、出勤しようと下宿を出ると、昨日の男が立っていた。
「行くぞ。」
昨日まで、日本で生きていたのに、今日は、当たり前に異世界で出勤し、異世界の部屋に帰ってきた。
異世界のオレの住まいは、大きな家の一室を借りている。
風呂・トイレは、共用。
食事は大家さん提供。
下宿である。
仕事は、近所の店の配達。
台車に乗せたり、手で持ち運んだり。
毎日、仕事はあるけれど、稼ぎは多くない。
体を壊したら、どうしよう?という不安が常にある。
この世界は、神様にお祈りすると、たまに、ヒントをもらえる。
元の世界に帰りたいオレも、神様にお願いしてみた。
翌朝、枕元に、神様からのお便りがきていた。
〔元の世界に帰りたいと願う者へ。
その者、この地で結婚し、その者の夫と冷めきった関係になったとき、夫が真実の愛を捧げる者を得れば、帰れる。〕
え?
結婚して、夫婦関係が冷めきったから、真実の愛を見つける相手を夫が見つける?
不倫は、嫌だな。
真実の愛を見つけたら、日本に戻るってことは。
オレに好意を寄せてくれる女の人を2人も犠牲にするのか?
クズすぎる。
俺には、無理だなー。
オレは、日本に帰る方法は、他にもあるはず。
諦めないで探すぞ。
この世界では、2人も、好意を持ってくれる異性に出会える!とオレは、るんるんしていた。
一ヶ月後。
オレは、異世界の人生をナメていたと気づいた。
下宿先と職場と近距離の配達では、新しい出会いがない。
このあたりの住人は、一通り顔見知り。
このコミュニティでのオレは、配達する人。
オレの住んでいる場所は、人の出入りが、多くなかった。
配達する人としか認識されていないオレは、なんとなく余所者扱いを感じていた。
踏み込めない壁がある。
オレは、体を壊す前に転職して、違う街へ行くことを真剣に考え始めた。
しかーし。
転職サイトなんてない世界。
斡旋と紹介がナンボ。
今している配達だけでは、斡旋も紹介も期待できない。
仕事ないかなー。
伝手、ほしいなー。
オレは、全身から、求職中のオーラを出していた。
そんなオレに。
なんと!
お仕事のお話が飛び込んできた!
街で見たことがない男だ。
「モノを運ばないか?」
と仕事を持ちかけてきた男は言った。
「目的地まで、運んだら、後は好きにしていい。」
と。
男は、報酬の話を自分からしようとしなかった。
オレは、必要経費は先払いだと言って、
交通費とか移動時の食費や宿泊費、
モノを渡すときに、人に会うなら、身だしなみを整える費用と、
配達料金の前払いを要求した。
モノを運んでいったはいいけど、届け先がどんな人か知らなければ、誰に支払ってもらうんだ、て話。
知らない人しかいない土地に1人になったら、金がないと生きていけない。
下宿には、毎朝、宿泊費と食事代を払うから、遠出するオレは、下宿を引き払う。
寝泊まりするところがなくなるのだ。
しっかり、お金は確保しておかねば。
そう思って、意気込んでいたら。
「一緒に行くから、支払いの必要はない。」
と男に言われた。
「何それ。必要ない、なんてことはない。
オレに仕事を頼むんだから、仕事を依頼する側は、必要経費と報酬を支払えよ。」
オレが言うと。
「仕事?いつ仕事をしている?毎日、遊んでいるではないか、と。」
と男は、のたまった。
男にとって、オレは、毎日ほうぼうに出没する暇人に見えたらしい。
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「仕事じゃないなら、この話は受けない。本当に暇なやつに付き合ってもらえばいい。」
オレが断ると。
「受けていながら、断るのか!」
と男は言い出した。
「話を聞いただけで、承諾前に物別れに終わっただろう。条件が合わなかったんだから。」
と、オレが冷静に話しても、聞きやしない。
男にとって、男の話を聞いたら、受けたことになるらしい。
そんな、面倒なやつ、仕事でも、お断りだ!
オレは、男を置いて、下宿に帰った。
翌朝、出勤しようと下宿を出ると、昨日の男が立っていた。
「行くぞ。」
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