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228.『死ぬ理由が思いつかない。私もそういうことを言ってみたかった。』とドッジボールの女リーダー。

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ドッジボールの女リーダーは、絶望しているドッジボールでふーくんにトレードを申し入れた女を相手にする気はないようだ。

「前がどうであれ。
今いる場所は、正義が勝たないデスゲーム。

割り切ればいいのに。

私は、割り切ることにしたわ。

あんたの鈍い思考に私が気づかなかったのは、私が鈍いわけではなく、あんたが自身の鈍さを自覚していなかったせいだけど、今さら、あんたを責めたりはしない。

責めても仕方ないから、水に流すことにした。

あんたも、私をみならって、恨みに凝り固まるのやめたら?

恨みにばかり気を取られていたら、大事なものを見失う。」
とドッジボールの女リーダー。

「大事なもの?
ここへ来て、大事なものが、とか、あんたが私に言う?

私の大切なものを全部奪って捨てさせた、あんたが!」
とドッジボールでふーくんにトレードを申し入れた女。

「済んだことをいつまでもぐちゃぐちゃと言って、何になる?

サバイバルゲームは、まだ終わりの合図がない。

死なないで済むにはどうすればよいかを考えるのが、先よ。

既に取り返しのつかないことを思い出して、頭の中をぐちゃぐちゃにしていて生き延びられるほど、正義が勝たないデスゲームは、甘くない。

あんたが、賢くないのは、よくわかったから、もう、あんたに賢くあることは求めない。

頭を使うのは、私がやるから、あんたは、私についてきたら?

現実の対応を考えていれば、恨みから気がそれて、前向きになってくる。

お勧めよ。」
とドッジボールの女リーダー。

ドッジボールでふーくんにトレードを申し入れた女は、うるさい、と呻いた後は静かになった。

俺は、これ幸いと、ドッジボールの女リーダーに聞いていく。

「まとめにあがっていた、調べたら良くない人達とは、誰のことを指している?

今も正義が勝たないデスゲームに参加しているのか?」

「たくさんいたわ。

あんたの仲良しのサナもその一人。

他にも、正義が勝たないデスゲームの参加者を、まとめは網羅していたわよ?

私が作ったまとめの解説もね。」
とドッジボールの女リーダー。

「炎上ネタのまとめ、とまとめの解説は、正義が勝たないデスゲームの参加者を網羅しているというなら。

ラキちゃんと、北白川サナがそれぞれ対峙している二人も炎上したのか?」

「サナについて、聞かないの?

サナが気にならないの?」
とドッジボールの女リーダー。

「正義が勝たないデスゲームの中にいる時点で、誰がどんな炎上した経験持ちだろうが、関係なくなっていないか?

炎上した社会とは隔離されている。

サナの何が炎上したかを聞いたところで、俺が生き延びる役に立つか?

炎上していようが、していまいが、俺に言わせれば、うまみのない過去話。

正義が勝たないデスゲームで、命を賭けて、体を張っている今。

北白川サナの炎上ネタに価値はない。

北白川サナを脅す必要がない俺は、倒さないといけない相手の情報の方が知りたい。」

「性格と趣味趣向は、おかしいけれど、思考はまとも。

下手打たなければ、あんたは生き延びられる。」
とドッジボールの女リーダー。

「俺は、生き延びるが。

ラキちゃんと北白川サナが対峙している男二人について、何か知らないか?」

「いきなり、生き延びると断言された。自信過剰?」
とドッジボールの女リーダー。

「俺が死にそうになる理由が思いつかないからだが?」

「死ぬ理由が思いつかない、ね。
私も言ってみたかった。」
とドッジボールの女リーダーは、しんみりとする。

「済んだ話を聞く気はない。」

俺は、ドッジボールの女リーダーの悔恨などに興味はない。

「どれだけ経っても、私の生活が元に戻ることはないのは、私が一般人だから。」
とドッジボールの女リーダー。

「一般人かそうでないか、が重要か?」

「一般人であることが、注目を浴びるための必須のステータスよ?」
とドッジボールの女リーダー。

「そうか。」

「一般人だから、高評価がつく。

一般人が、一般人の成功して失敗する瞬間を見逃さないように、待っている。

失敗でなくてもいい。

ケチをつけられることがあれば、楽しめる。」

「そうか。」

「他人事のように聞き流しているあんたは、一般人でないとでも?」
とドッジボールの女リーダー。

「いや、俺は、一般人だが。
今の一般人論は、俺に関係する話か?」

「あんたは、一般人として、正義が勝たないデスゲームを生き延びる。

生き延びて、その後は、どうする気?」
とドッジボールの女リーダー。

「どう、と言っても、生き延びた後のことは、まだ何も決まっていない。」

「あんたは、何のために、生き延びようとしている?」
とドッジボールの女リーダー。

「死にたくないからだが。」

それと。

正義が勝たないデスゲームから出られなくなったラキちゃんが、正義が勝たないデスゲームから脱出するための交渉をデスゲーム運営とする。

他には。

野村レオの供養。

俺の思考が感傷に染まりかけたのを遮ったのは、ドッジボールの女リーダーだった。

「死にたくないから、だけ?

正義が勝たないデスゲームを脱出することを考えているからではないの?」
と話すドッジボールの女リーダーは、今まで話してきたのが別人のように真剣に聞いてきた。
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