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107.改めまして、俺は、金剛ショウタ、よろしく。俺の大学時代の友達、佐竹ハヤトに一年以上連絡がついていない。何か知らないか?
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モエカは、俺の顔をじっと見てから、首を横に振った。
「この人は違う。」
面と向かって、違うと言われると、イラッとする。
「タケハヤプロジェクトというのは、佐竹ハヤトからとったプロジェクト名なのか?
俺は、タケハヤプロジェクトというのは知らない。
佐竹ハヤトとは大学時代の友達で、佐竹ハヤトとモエカが話しているときには、俺もいたんだ。
俺がモエカのことを知っていたから、モエカも俺を知っているものだと思っていた。」
俺は、イラッときたまま、一気に喋っていた。
メグたんは、面倒くさい追っかけを見る目で、俺を見ていた。
我に返って、ごめん、と謝る。
モエカの顔には、覚えていないとは思っていなかったと言われても、思い出せない、と書いてある。
モエカは、俺のことをなんとも思っていなかった。
徹頭徹尾、モエカは、俺のことなんて、眼中になかった。
分かっていたはずだ、と俺は、自分をなだめた。
モエカは、俺の友達しか見ていなかった。
当時を思い出した俺は、気落ちしながらも、落ち着きを取り戻した。
挽回しなければ、せっかく話しかけたモエカとメグたんに気味悪がられたままになってしまう。
俺はモエカと話をしたい。
あわよくば、メグたんとも。
モエカとメグたんの警戒心をとくために、言い訳はしない。
「驚かせて、ごめん。
知らない人ばかりのところに、知り合いに会えて嬉しかったから、気がはやった。
改めて自己紹介すると。
俺は、佐竹ハヤトの大学時代の友達。
大学時代は、だいたい、佐竹ハヤトと一緒にいた。
モエカとは、直接話をしたことはないが、授業はけっこうかぶっていた。
俺の名前は、金剛ショウタ。
よろしく。」
「大学の授業で一緒だったの?
人数が多くて覚えていなかったわ、ごめんね。
金剛くん。」
とモエカは、控えめに笑ってくれたが、どことなく、笑顔がぎこちない。
見ず知らずの男の俺に、大学の授業で一緒だったと言われたせいか?
俺は、そんなに影が薄かったか?
俺の友達は、どれだけインパクトがあることをしていたんだ?
俺は気づかなかった。
人は見かけによらないとはよく言ったものだ。
佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトという名称の何かをしていて、タケハヤプロジェクトにモエカが関わっていた、ということが、今日分かった。
俺は、四年間友達だったが、タケハヤプロジェクトという単語を、佐竹ハヤト自身の口から聞いたことがない。
俺と佐竹ハヤトは、大学を卒業して数年は、連絡し合っていた。
その後、佐竹ハヤトからの連絡は途絶えている。
タケハヤプロジェクトとかいう大きな仕事をやっていて、忙しさのあまり、俺に連絡する暇がなかったのか?
佐竹ハヤトとは、特に遊ぶ約束もしていないから、連絡がなくても、困ることはなかった。
何年も連絡していないが、元気にしているだろうか。
くらいの内容だから、元気だ、と互いに返して終わる。
死んだら、さすがに、訃報連絡が回ってくるはず。
俺が、デスゲームに参加した後に、連絡がきていないといいが。
デスゲームを脱出するまで。
俺は、誰から連絡がきていても返事ができない。
誰からも、ほぼ連絡が来ないから、今まで気にしていなかった。
突然、誰かから連絡がくることもあるか。
何しろ、突然、デスゲームに参加するということが、俺の身に起こっている。
俺のように、デスゲームの参加者になって、連絡が途絶えることもあるだろう。
連絡が途絶える?
佐竹ハヤトからの返事が来なくなったのは、いつからだっただろうか?
一年以上前だったか?
細かい日付は忘れてしまった。
そういえば、佐竹ハヤトは、就職活動をしていなかった。
就職活動はしなくて済んだ、と話していた。
閃きを仕事にした、と。
就職先を聞いて、はぐらかされたとき。
縁故だから言えないのか、と当時は思っていた。
今、何をしているのだろう?
タケハヤプロジェクトというのに取り組んでいるのか?
せっかくだから、タケハヤプロジェクトという名称を知っているモエカに聞いてみるか。
俺の知らない近況を知っているかもしれない。
「佐竹ハヤトには、最近連絡が取れていなかった。
佐竹ハヤトが、元気にしているかどうか、とか何か近況を、二人は、知らないか?」
メグたんは、表情をぴくりとも動かさない。
表情だけではなく、口も動かない。
モエカは、俺が、佐竹ハヤトの友達だと言いながら、友達の近況を聞いたので、訝しんでいる。
「佐竹くんの友達、なのよね?」
「タケハヤプロジェクトという名称を聞いたのは、今日が初めてだ。
佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトというものについて、俺には、話さなかった。」
俺が、ついでのように軽く付け足すと。
モエカは、思い詰めたように、やや俯きながら、聞いてきた。
「佐竹くんと連絡が取れなくなったのは、いつからか覚えている?」
「一年以上前だが、それ以上詳しいことは、スマホを確認しないと分からない。」
「そう。あのね。佐竹くんは、もういないの。」
俯いたまま、顔をあげずにモエカは言った。
俺は、すぐに、モエカの言葉を理解することができなかった。
「いない?佐竹ハヤトは、ここにいたのか?
それで、今はもういないということか?」
「この人は違う。」
面と向かって、違うと言われると、イラッとする。
「タケハヤプロジェクトというのは、佐竹ハヤトからとったプロジェクト名なのか?
俺は、タケハヤプロジェクトというのは知らない。
佐竹ハヤトとは大学時代の友達で、佐竹ハヤトとモエカが話しているときには、俺もいたんだ。
俺がモエカのことを知っていたから、モエカも俺を知っているものだと思っていた。」
俺は、イラッときたまま、一気に喋っていた。
メグたんは、面倒くさい追っかけを見る目で、俺を見ていた。
我に返って、ごめん、と謝る。
モエカの顔には、覚えていないとは思っていなかったと言われても、思い出せない、と書いてある。
モエカは、俺のことをなんとも思っていなかった。
徹頭徹尾、モエカは、俺のことなんて、眼中になかった。
分かっていたはずだ、と俺は、自分をなだめた。
モエカは、俺の友達しか見ていなかった。
当時を思い出した俺は、気落ちしながらも、落ち着きを取り戻した。
挽回しなければ、せっかく話しかけたモエカとメグたんに気味悪がられたままになってしまう。
俺はモエカと話をしたい。
あわよくば、メグたんとも。
モエカとメグたんの警戒心をとくために、言い訳はしない。
「驚かせて、ごめん。
知らない人ばかりのところに、知り合いに会えて嬉しかったから、気がはやった。
改めて自己紹介すると。
俺は、佐竹ハヤトの大学時代の友達。
大学時代は、だいたい、佐竹ハヤトと一緒にいた。
モエカとは、直接話をしたことはないが、授業はけっこうかぶっていた。
俺の名前は、金剛ショウタ。
よろしく。」
「大学の授業で一緒だったの?
人数が多くて覚えていなかったわ、ごめんね。
金剛くん。」
とモエカは、控えめに笑ってくれたが、どことなく、笑顔がぎこちない。
見ず知らずの男の俺に、大学の授業で一緒だったと言われたせいか?
俺は、そんなに影が薄かったか?
俺の友達は、どれだけインパクトがあることをしていたんだ?
俺は気づかなかった。
人は見かけによらないとはよく言ったものだ。
佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトという名称の何かをしていて、タケハヤプロジェクトにモエカが関わっていた、ということが、今日分かった。
俺は、四年間友達だったが、タケハヤプロジェクトという単語を、佐竹ハヤト自身の口から聞いたことがない。
俺と佐竹ハヤトは、大学を卒業して数年は、連絡し合っていた。
その後、佐竹ハヤトからの連絡は途絶えている。
タケハヤプロジェクトとかいう大きな仕事をやっていて、忙しさのあまり、俺に連絡する暇がなかったのか?
佐竹ハヤトとは、特に遊ぶ約束もしていないから、連絡がなくても、困ることはなかった。
何年も連絡していないが、元気にしているだろうか。
くらいの内容だから、元気だ、と互いに返して終わる。
死んだら、さすがに、訃報連絡が回ってくるはず。
俺が、デスゲームに参加した後に、連絡がきていないといいが。
デスゲームを脱出するまで。
俺は、誰から連絡がきていても返事ができない。
誰からも、ほぼ連絡が来ないから、今まで気にしていなかった。
突然、誰かから連絡がくることもあるか。
何しろ、突然、デスゲームに参加するということが、俺の身に起こっている。
俺のように、デスゲームの参加者になって、連絡が途絶えることもあるだろう。
連絡が途絶える?
佐竹ハヤトからの返事が来なくなったのは、いつからだっただろうか?
一年以上前だったか?
細かい日付は忘れてしまった。
そういえば、佐竹ハヤトは、就職活動をしていなかった。
就職活動はしなくて済んだ、と話していた。
閃きを仕事にした、と。
就職先を聞いて、はぐらかされたとき。
縁故だから言えないのか、と当時は思っていた。
今、何をしているのだろう?
タケハヤプロジェクトというのに取り組んでいるのか?
せっかくだから、タケハヤプロジェクトという名称を知っているモエカに聞いてみるか。
俺の知らない近況を知っているかもしれない。
「佐竹ハヤトには、最近連絡が取れていなかった。
佐竹ハヤトが、元気にしているかどうか、とか何か近況を、二人は、知らないか?」
メグたんは、表情をぴくりとも動かさない。
表情だけではなく、口も動かない。
モエカは、俺が、佐竹ハヤトの友達だと言いながら、友達の近況を聞いたので、訝しんでいる。
「佐竹くんの友達、なのよね?」
「タケハヤプロジェクトという名称を聞いたのは、今日が初めてだ。
佐竹ハヤトは、タケハヤプロジェクトというものについて、俺には、話さなかった。」
俺が、ついでのように軽く付け足すと。
モエカは、思い詰めたように、やや俯きながら、聞いてきた。
「佐竹くんと連絡が取れなくなったのは、いつからか覚えている?」
「一年以上前だが、それ以上詳しいことは、スマホを確認しないと分からない。」
「そう。あのね。佐竹くんは、もういないの。」
俯いたまま、顔をあげずにモエカは言った。
俺は、すぐに、モエカの言葉を理解することができなかった。
「いない?佐竹ハヤトは、ここにいたのか?
それで、今はもういないということか?」
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