104 / 312
104.デスゲーム初戦クリア後に案内された部屋。新人歓迎会は、誰を歓迎していた?
しおりを挟む
スマホの案内に従って着いた部屋は、ワンルームマンションのつくりになっていた。
風呂、トイレ、洗面所、ベッド。
食事ができる簡易テーブルと椅子が一脚。
台所はない。
飲水用の蛇口がテーブルの近くについていた。
テーブルの上には、割れにくい素材のコップが一つ。
洗面所には、歯磨きセットとペーパータオル。
ベッド脇の壁には、ティッシュとゴミ箱がセットされている。
部屋のテーブルとセットの椅子は、風呂椅子ではなかった。
風呂場を見てみると。
シャワーがついていて、浴槽もある。
シャンプーやボディーソープは、浴室の壁にセットされている。
風呂場に、風呂椅子と洗面器はなかった。
今日は、飽きるほど見たので、風呂椅子はもう見たくない。
俺は、水をがぶ飲みして、椅子に腰をおろす。
初戦、俺は、生き延びた。
生き延びたから、寝泊まりする部屋の案内がきた。
もしかしたら、と考える。
白組の人達は、デスゲーム運営から、スマホを貸与されていなかったのでは?
新人歓迎会は、俺の歓迎会だったという可能性はないか?
スマホが震える。
メッセージがきていた。
「食事の用意ができています。
受け渡し口から食事を受け取り、食べ終わったら受け渡し口に食器を戻します。
食事の時間は、今から一時間とします。
一時間後、食器はお盆ごと受け渡し口に戻します。
食事後は、入浴時間、その後、就寝時間となります。
健康な心身を維持して、明日に備えます。」
受け渡し口というのを探すと、テーブルの近くにあるスライド式の窓が、それだった。
窓だと思っていたら、窓に見せかけた引き戸。
引き戸をあけると、サバの塩焼き定食だった。
けんちん汁、漬物、ご飯、サバの塩焼き、サラダ、りんごが三切れ。
俺が大人になってから、ここまで健康的な食事をしたことを思い出せないくらいに、健康的な食事。
けんちん汁もサバの塩焼きもご飯も温かい。
刑務所にいるとご飯に困らない、という誰かの発言が脳裏をよぎる。
誰が話していたのだったか?
俺は、その声を近くで聞いていた気がする。
どこで、誰が話していたのだろうか?
思い出せないが、重要なことだったら、そのうち思い出すだろう。
俺は、頭を切り替えた。
デスゲーム運営から貸与されたスマホは、デスゲーム参加者用のアプリ以外に何か入っていないのか?
俺は、スマホをいじってみたが、デスゲーム参加者用アプリ以外は、入っていなかった。
ネットもできない。
俺は、何年ぶりくらいに、スマホを見ないで食事を終えた。
スマホを見ないと、時間が余る。
食事を終えた俺は、お盆と食器を受け渡し口に戻そうと、引き戸を開けた。
受け渡し口には、下着とパジャマが置いてある。
至れり尽くせりだ。
スマホが振動する。
「用意されている下着とパジャマは、入浴を済ませたら、着替えます。
下着とパジャマを出して、お盆と食器を受け渡し口に置きます。」
スマホのメッセージに従って、パジャマと下着を取り出し、食器とお盆を置いて、引き戸を閉める。
スマホが、また震えた。
「部屋の出入り口にロックがかかりました。
入浴して汚れを落としたら、睡眠を確保します。」
メッセージには、タオルについての記載がない。
ペーパータオルで拭くのか、と思ったが、違った。
浴室内で、洗い終わると、浴室内に温風が流れ込んできた。
全自動洗濯機の乾燥コースまでセットされた洗濯物になった気分だ。
俺は、今日着ていたシャツや靴下やらを浴室に持ち込んで洗い、浴槽の縁に置いてみた。
俺が濡れている間は、温風が吹くが、俺が乾くと温風は止まる。
人間専用の洗濯機か。
俺は、濡れた靴下を絞って、テーブルの上に並べ、濡れたシャツは、絞って、椅子の背にかけた。
一日待てば、乾くだろう。
今日は、濃い一日だった。
俺は、歯磨きをして、ベッドに横になる。
今日のデスゲームは、俺に甘い仕様だったのかもしれない。
新人歓迎会用のデスゲーム。
俺は、野村レオに一撃を入れたが、野村レオを直接死に至らしめたのは、北白川サナだ。
俺は、まだ、俺の力だけで人を殺していない。
今日の新人歓迎会。
北白川サナは、最初からずっと、俺を助けてくれていた。
なぜ、北白川サナは、俺を助けてくれたのか?
デスゲーム運営の意思なのか?
はたまた。
北白川サナの独断か?
考えても、答えは出ない。
ただ、おーちゃんとタツキの姿を見た後だけに。
北白川サナの独断ではなく、デスゲーム運営の意思であることを願いたい。
明日から、俺は、本格的なデスゲームに参加していくことになるのだろうか。
俺は疲れた体を休ませながら考えていた。
明日以降は、ラキちゃんに会えるだろうか?
野村レオは、ラキちゃんを知っていた。
ラキちゃんも、野村レオを知っているだろう。
俺が、野村レオに致命傷を負わせたと知ったら、ラキちゃんは、俺を厭うだろうか。
ラキちゃんには、嫌われたくない。
デスゲームの中で、そんな感情を持つことは、俺のためにならないだろうが、嫌われたくないと思ってしまう。
あわよくば、好かれたい、と。
モエカにも、会うだろう。
モエカと会ったら、どんな顔で、どんな風に話をするか?
つらつらと考えているうちに俺は、眠っていた。
風呂、トイレ、洗面所、ベッド。
食事ができる簡易テーブルと椅子が一脚。
台所はない。
飲水用の蛇口がテーブルの近くについていた。
テーブルの上には、割れにくい素材のコップが一つ。
洗面所には、歯磨きセットとペーパータオル。
ベッド脇の壁には、ティッシュとゴミ箱がセットされている。
部屋のテーブルとセットの椅子は、風呂椅子ではなかった。
風呂場を見てみると。
シャワーがついていて、浴槽もある。
シャンプーやボディーソープは、浴室の壁にセットされている。
風呂場に、風呂椅子と洗面器はなかった。
今日は、飽きるほど見たので、風呂椅子はもう見たくない。
俺は、水をがぶ飲みして、椅子に腰をおろす。
初戦、俺は、生き延びた。
生き延びたから、寝泊まりする部屋の案内がきた。
もしかしたら、と考える。
白組の人達は、デスゲーム運営から、スマホを貸与されていなかったのでは?
新人歓迎会は、俺の歓迎会だったという可能性はないか?
スマホが震える。
メッセージがきていた。
「食事の用意ができています。
受け渡し口から食事を受け取り、食べ終わったら受け渡し口に食器を戻します。
食事の時間は、今から一時間とします。
一時間後、食器はお盆ごと受け渡し口に戻します。
食事後は、入浴時間、その後、就寝時間となります。
健康な心身を維持して、明日に備えます。」
受け渡し口というのを探すと、テーブルの近くにあるスライド式の窓が、それだった。
窓だと思っていたら、窓に見せかけた引き戸。
引き戸をあけると、サバの塩焼き定食だった。
けんちん汁、漬物、ご飯、サバの塩焼き、サラダ、りんごが三切れ。
俺が大人になってから、ここまで健康的な食事をしたことを思い出せないくらいに、健康的な食事。
けんちん汁もサバの塩焼きもご飯も温かい。
刑務所にいるとご飯に困らない、という誰かの発言が脳裏をよぎる。
誰が話していたのだったか?
俺は、その声を近くで聞いていた気がする。
どこで、誰が話していたのだろうか?
思い出せないが、重要なことだったら、そのうち思い出すだろう。
俺は、頭を切り替えた。
デスゲーム運営から貸与されたスマホは、デスゲーム参加者用のアプリ以外に何か入っていないのか?
俺は、スマホをいじってみたが、デスゲーム参加者用アプリ以外は、入っていなかった。
ネットもできない。
俺は、何年ぶりくらいに、スマホを見ないで食事を終えた。
スマホを見ないと、時間が余る。
食事を終えた俺は、お盆と食器を受け渡し口に戻そうと、引き戸を開けた。
受け渡し口には、下着とパジャマが置いてある。
至れり尽くせりだ。
スマホが振動する。
「用意されている下着とパジャマは、入浴を済ませたら、着替えます。
下着とパジャマを出して、お盆と食器を受け渡し口に置きます。」
スマホのメッセージに従って、パジャマと下着を取り出し、食器とお盆を置いて、引き戸を閉める。
スマホが、また震えた。
「部屋の出入り口にロックがかかりました。
入浴して汚れを落としたら、睡眠を確保します。」
メッセージには、タオルについての記載がない。
ペーパータオルで拭くのか、と思ったが、違った。
浴室内で、洗い終わると、浴室内に温風が流れ込んできた。
全自動洗濯機の乾燥コースまでセットされた洗濯物になった気分だ。
俺は、今日着ていたシャツや靴下やらを浴室に持ち込んで洗い、浴槽の縁に置いてみた。
俺が濡れている間は、温風が吹くが、俺が乾くと温風は止まる。
人間専用の洗濯機か。
俺は、濡れた靴下を絞って、テーブルの上に並べ、濡れたシャツは、絞って、椅子の背にかけた。
一日待てば、乾くだろう。
今日は、濃い一日だった。
俺は、歯磨きをして、ベッドに横になる。
今日のデスゲームは、俺に甘い仕様だったのかもしれない。
新人歓迎会用のデスゲーム。
俺は、野村レオに一撃を入れたが、野村レオを直接死に至らしめたのは、北白川サナだ。
俺は、まだ、俺の力だけで人を殺していない。
今日の新人歓迎会。
北白川サナは、最初からずっと、俺を助けてくれていた。
なぜ、北白川サナは、俺を助けてくれたのか?
デスゲーム運営の意思なのか?
はたまた。
北白川サナの独断か?
考えても、答えは出ない。
ただ、おーちゃんとタツキの姿を見た後だけに。
北白川サナの独断ではなく、デスゲーム運営の意思であることを願いたい。
明日から、俺は、本格的なデスゲームに参加していくことになるのだろうか。
俺は疲れた体を休ませながら考えていた。
明日以降は、ラキちゃんに会えるだろうか?
野村レオは、ラキちゃんを知っていた。
ラキちゃんも、野村レオを知っているだろう。
俺が、野村レオに致命傷を負わせたと知ったら、ラキちゃんは、俺を厭うだろうか。
ラキちゃんには、嫌われたくない。
デスゲームの中で、そんな感情を持つことは、俺のためにならないだろうが、嫌われたくないと思ってしまう。
あわよくば、好かれたい、と。
モエカにも、会うだろう。
モエカと会ったら、どんな顔で、どんな風に話をするか?
つらつらと考えているうちに俺は、眠っていた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
リモート刑事 笹本翔
雨垂 一滴
ミステリー
『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。
主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。
それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。
物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。
翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?
翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる