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第9章 2年目のニンデリー王立学園での生活は、波乱含みの授業参観から。

767.キャスリーヌ。スラッルス・トークンの自称父が、スラッルス・トークンの家族として揃っていた場合のスラッルス・トークンの家庭環境は?

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トークン家に固有の魔法で、スラッルス・トークンが異世界転生者であると、スラッルス・トークンの自称父が見抜いたところで。

スラッルス・トークンが、トークン家に籍がある貴族子息であることに変わりはない。

スラッルス・トークンがニンデリー王立学園にいるのは、ニンデリー王国が異世界転生者の知恵を使った魔法の研究を進めていたときの名残りによるものだと分かった今。

スラッルス・トークンの自称父が、スラッルス・トークンに我が子ではない魂が宿っていると騒げば、異世界転生者を研究に使っているニンデリー王国を刺激することになる。

スラッルス・トークンの自称父が騒ぐのを、マーゴットの捕虜となったニンデリー王国の3人は確実に聞いている。

捕虜として、マーゴットが確保したニンデリー王国の3人についつは、話を聞き出した後も、条件をつけてニンデリー王国に引き渡すわけにはいかなくなった。

スラッルス・トークンの自称父は、自覚があるのかないのか不明ながら、スラッルス・トークンの個人情報を教えてしまっている。

トークン家の血統に固有の魔法が使えないスラッルス・トークンは、異世界転生者である、という情報は、スラッルス・トークン以外が知る必要がないものだ。

スラッルス・トークンの安全のために、スラッルス・トークンの個人情報を知ってしまったニンデリー王国の3人には、一生、口をつぐませないといけない。

スラッルス・トークンの自称父は、自身の発言で、息子だと明言したスラッルス・トークンとその他の3名の人生を左右したという自覚はあるだろうか?

キャスリーヌは、スラッルス・トークンの自称父が、表向き死んだことにされている理由が分かる気がした。

貴族社会において、不用意に発言させるのは、危険な人物と家から判断されたのではないだろうか?

発言だけでなく、行動もだが。

貴族社会においては、どこでどう振る舞うかの影響が本人だけにとどまらない。

スラッルス・トークンの自称父が、自身の言動が誰にどんな影響を与えるかについての想像力が欠如したまま成人したのなら。

息子であるスラッルス・トークンを父から隔離したのは、良策と言えるかもしれない。

現在のスラッルス・トークンの精神には、歪みがない。

スラッルス・トークンが、スラッルス・トークンの生母を恋しがる素振りを見せたことがないことから、スラッルス・トークンの生母に対する感情はなんとなく察せられるキャスリーヌ。

スラッルス・トークンの自称父が、スラッルス・トークンの生母とともに、スラッルス・トークンの家族としていた場合。

スラッルス・トークンの家庭環境が今よりも良くなっていた、とは言えないかもしれない。
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