子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

かざみはら まなか

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第9章 2年目のニンデリー王立学園での生活は、波乱含みの授業参観から。

764.スラッルス・トークンの自称父が喋った!

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「人型についてのスラッルスの知見を聞きたい。」
とキャスリーヌ。

スラッルス・トークンは、ぎょっとした。

声を出したら、アウトじゃなかった?

マネキンがキャスリーヌを襲ってきやしないか、と思わず、身構えてしてしまうスラッルス・トークン。

声を出したことについて、キャスリーヌが気にしていないことに、さらに慌てるスラッルス・トークン。

声を出したらアウトだと思っているスラッルス・トークンは、口パクで、キャスリーヌに喋ってはダメと伝えた。

キャスリーヌは、口パクするスラッルス・トークンにきょとんとしている。

スラッルス・トークンは、いったい何をやっているんだろう?

真剣な顔で遊んでいるのかなあ。

キャスリーヌは、きょとんとしながら、スラッルス・トークンが、人型を指さして口パクするのを見ていた。

「スラッルス・トークンは、土壇場になると遊び心を発揮するんだね。」
とキャスリーヌ。

「ちっがーう。違うから。喋ったら、マネキンが来るよな!」
とスラッルス・トークン。

キャスリーヌにつられて、うっかり喋ってしまったスラッルス・トークンは、はっと顔を引き締める。

スラッルス・トークンの目は、キャスリーヌと人型をウロウロ。

このとき、キャスリーヌは、スラッルス・トークンの口パクの意味を正しく理解した。

「喋ったくらいでは、人型は寄ってこないよ。」
とキャスリーヌ。

「そういうものなんだ?」
とスラッルス・トークン。

スラッルス・トークンの知っているマネキンは、誰が喋ろうが喋るまいが、勝手に動き出したりはしない。

ホラー映画の動くマネキンは、何で動いたのか、動いた理由は最後まで明かされなかったと思う。

「そういうもの、と言うほど、よくあるものじゃないんだよね。

私は初めて見たよ?」
とキャスリーヌ。

「キャスリーヌは、初めてなのに、喋ってもマネキンが寄ってこないと分かった?」
と混乱するスラッルス・トークン。

「見てればね。」
とキャスリーヌ。

「俺、見ていたけど、全然分からなかった。」
とスラッルス・トークン。

「スラッルスがクークード遺跡を統べる者になる頃には、詳しくなるよ。」
とキャスリーヌ。

「そういういうもんでいいのかな?」
とスラッルス・トークンが首を傾げていると。

「あの人型は。」
と発言した人がいた。

スラッルス・トークンは、びっくりして、その人を見上げる。

発言した人は、スラッルス・トークンを優しい眼差しで見つめ返していた。

「あの人型は、設定された魔力に反応している。」
と、スラッルス・トークンの自称父。
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