子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第9章 2年目のニンデリー王立学園での生活は、波乱含みの授業参観から。

755.ハーマルのポケットの茶色い小鳥のチャーチャが。

パメラ・ブルダムを捕虜に追加したマーゴットは、ニンデリー王立学園での授業参観を終了して、聞き取りしようか、と考えた。

授業どころじゃない。

マーゴットがニンデリー王立学園を出るように、全員に指示したとき。

ハーマルのポケットの茶色い小鳥のチャーチャが、ポケットの中で動き始めた。

ハーマルのポケットにいる茶色い小鳥のチャーチャは、ハーマルの危機だけを察知して教えてくれる。

ここに来て、ハーマルお兄様に危機の予兆？

マーゴットは、周りを警戒した。

敵側に、新しい戦力の追加は見当たらない。

うーん。

新戦力は、どこにもいない。

ハーマルの相棒の茶色い小鳥チャーチャは、危機を伝えるけれど、鳴かない。

ハーマルのポケットの中で動くだけ。

ハーマルも自分で危険を察知したいと考えたことはある。

危険を察知は向いていなかったので、迫りくる危険から離れることに全力投入するようになった。

守られているのもお仕事のうちのハーマルには、危険を察知することの難易度が高かったのだ。

急に、地面がボコッと音をたてた。

次の瞬間。

地面は、がっくーん、と下へ下へ下がっていく。

マーゴット達は、落とし穴に落ちた人になっていた。

「どこまで下がる？」
とキャスリーヌは冷静だ。

「地面が下がっていく感覚は、気持ちがよいものではないわね。」
とバネッサ。

バネッサは、エレベーターが苦手だろうな、とスラッルス・トークンは考えた。

「どうして平気でいるの？どこにいくか分からないのは、怖くない？」
とレベッカ・ショア。

「行き先は、トラップの終点。

トラップ自体は、新しくなく、壊れてもいない。

わたし達以外にも、何度か使われている。」
とマーゴットが解説。

「トラップだけで、それだけ分かるなんてすごい。」
とベリーベリー・イニー。

「古い型だから。

ニンデリー王立学園ができた当時あたりの。」
とキャスリーヌ。

キャスリーヌの話をふんふんと聞いていたスラッルス・トークン。

「俺達が落とし穴に落ちていくトラップは、魔導具で作ってある？」
とスラッルス・トークン。

「魔導具だよ？」
とレベッカ・ショア。