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第9章 2年目のニンデリー王立学園での生活は、波乱含みの授業参観から。

740.マーゴットの兄ハーマルのニンデリー王国評は、仕事がしづらい国。

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一方。

平民の学生一家は、大騒ぎ。

金切り声をあげる、平民の学生の母。

投げ網を外そうとして、思うようにできずに罵る父。

「教授、なんとかしてくださいますよね?

お母さんを守ってください。

お母さんは、教授に言われたことをしただけなんですよ?」
と平民の学生。

ハーマルは、貴族の学生一家と平民の学生一家の、1日教授との関係性をつかんだ。

貴族の学生一家は、1日教授に逆らえないから従っている。

平民の学生一家は、1日教授が、直々に手配しているから、1日教授に直に物言いしている。

1日教授は、貴族より平民を大事にしている?

ハーマルは、違和感を抱えたまま、攻撃してきた2人をマーゴットに引っ立てさせることにした。

「地味な小娘は、魔法が得意なようだ。」
とハーメリー・ジョンストンの父がマーゴットを評価している。

まるで、魔法が得意な子どもを探していたか、のような口ぶりだ。

ハーマルは、ムカッとすると同時に警戒した。

ハーメリー・ジョンストンの父は、ハーマルの大事にしている妹のマーゴットを誘拐する気だろうか?

「パパは、見たいものが見れた?満足?」
とハーメリー・ジョンストンは、父に尋ねている。

「満足したよ。ありがとう、ハーメリー。」
とハーメリー・ジョンストンの父。

ニンデリー王国の貴族が一枚岩ではないことが原因で、色々な立場の人間が、まとまらないで動いているのかもしれない。

ハーマルは、ニンデリー王国内の貴族の勢力図を思い浮かべる。

ハーマルが外交担当として調べた結論は。

ごちゃごちゃしている、だ。

統率がとれているように見えて、とれていないことも少なくない。

好き勝手しても、咎められないと考えている下位貴族や平民が散在している。

能力主義といえば聞こえはいいが、トップダウンが現場に徹底できないなど、行政として問題がありすぎだろう、と思うことも少なくなかった。

第1王子派でまとまっている貴族は、まだまとまりがある。

第2王子派を自称する貴族は、尊大な態度をとるので、何様だ、とハーマルは言いたくなる。

ニンデリー王国の第2王子派は、現場に多い。

第2王子派は、下位貴族が中心なのだ。

コーハ王国の派閥は、各王子殿下をお支えすることを目的としている。

コーハ王国以外の国の学校へ留学経験があるハーマルは、ニンデリー王国には外交のやりにくさを感じている。

作戦ではないか、と思ってもみたけど、作戦ではなく、貴族社会が混乱しているのだ。

ニンデリー王国の建国の祖となった、初代国王陛下が作り上げた魔法システムの運用がうまくいかなくなってきたから。

原因は分かっていても、コーハ王国の外交担当としてニンデリー王国に来ているハーマルが、ニンデリー王国の国家機密を話題に取り上げるのはよろしくない。

だから、触れないけれども、やりづらい。

お家騒動により、ニンデリー王国内の貴族に敬遠されているジョンストン伯爵家が、この場にいる意味は何だろう?
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